なぜ何をやっても安倍政権の支持率が下がらないのか?
「なぜ何をやっても安倍政権の支持率が下がらないのか?」。これが自分にとって、ナゾである。
しかし安倍首相の言う「バカな国民」も、さすがに目が覚めてきたようで、ここ数日の各メディアの世論調査で、内閣支持率が下がっているという。
「安倍内閣の支持率、40%~30%台に下落 各メディアの世論調査、加計問題が響く?
安倍内閣の支持率の下落が顕著になってきた。この週末にあった報道各社の世論調査の結果は軒並み40%~30%台にまで下がった。
「加計学園」問題をめぐる政権の不手際や「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織的犯罪処罰法の採決強行が影響したとみられる。
朝日新聞が17、18日に実施した世論調査によると、安倍内閣の支持率は41%で、5月24、25両日にあった前回調査よりも6ポイント下がった。
昨年7月の参院選以降で最低だったという。
共同通信が同じ日に行った世論調査でも支持率は44.9%。前回(5月)よりも10.5ポイント下がった。
日本経済新聞社とテレビ東京の世論調査(6月16~18日)では支持率は49%だった。40%台に落ちるのは2016年3月の調査以来だったという。不支持率は42%で、前回(5月)から6ポイント上昇した。
報道各社の中で、とりわけ厳しい数字が出たのは毎日新聞の調査だった。6月17、18両日に実施された調査によると、支持率は36%、不支持率は44%になった。
前回調査(5月)と比べ、それぞれ10ポイント下落、9ポイント上昇となった。
報道各社は内閣の支持・不支持のほか、加計学園問題や改正組織的犯罪処罰法などについても質問した。
朝日新聞の調査では、加計学園問題に関する安倍首相の説明が「納得できる」と答えたのは18%にとどまった。一方で、「納得できない」と答えた人は66%にのぼった。
また、共同通信の世論調査では、「総理のご意向」などと記された一連の文書に対する政府の調査をめぐり、真相が「明らかになったと思う」と答えた人は9.3%、「思わない」と答えた人は84.9%にのぼった。
毎日新聞は、今国会で成立した改正組織犯罪処罰法について質問。改正法に「反対」の人は47%で、「賛成」と答えた人(32%)を上回った。「十分に審議されていない」と答えた人も69%にのぼった。」(2017/06/19付「ハフィントンポスト」ここより)
毎日新聞の支持率36%を大きく下回っているのが「福島民報」の調査。支持率30%という。福島県民は厳しい・・・
「福島県内「安倍内閣支持」30% 本社世論調査
福島民報社は福島テレビと共同で福島県民世論調査(第18回)を実施した。安倍内閣を支持するかどうか聞き、「支持する」は30.6%で、今年3月の前回調査から4.3ポイント下落した。一方、「支持しない」は51.7%で5.2ポイント増えた。
男女別では「支持する」としたのは男性32.8%、女性28.9%。「支持しない」は男性57.0%、女性47.6%だった。
年代別では「支持する」の回答割合は80歳以上の38.1%が最高で、40代31.6%、70代30.7%などの順となった。「支持しない」は30代の64.3%がトップで、50代55.5%、60代54.6%などだった。
県民世論調査では、2013(平成25)年3月の第4回以降毎回、安倍内閣を支持するかどうか聞いている。今回の「支持する」との回答率は、15年6月の第10回調査の28.4%に次いで2番目に低い。「支持しない」は15年9月の第11回調査の53.5%に次いで2番目に高かった。・・・」(2017/06/19付「福島民報」ここより)
それにしても、各メディアの数字はバラバラ。上のグラフのように、おなじメディアの数字をトレンドとして見ないと分からない。
そんな中、各調査の数字を平均化してグラフにしているサイトを見付けた。
「はる/三春@みらい選挙プロジェクト @miraisyakai
内閣支持率・不支持率(全社平均)
6月18日発表の共同・毎日・NNN・読売・日経の世論調査を反映しました。内閣支持率は暴落傾向で、安保法採決以来の低水準となっています。(各調査社の数値は偏りを補正したものを表示しています)」(ここより)
なるほど・・・・。
さて、本題だが、最大の疑問、つまり「なぜ何をやっても安倍政権の支持率が下がらないのか?」を書いた「ビデオニュース・ドットコム」というサイトを見付けた。
少し長いが、“勉強”してみよう。
「何をやっても安倍政権の支持率が下がらない理由
何をやっても安倍政権の支持率が下がらないのはなぜなのだろうか。
濫用の危険性を孕んだ共謀罪法案を委員会採決を省略したまま強行採決したかと思えば、「存在が確認できない」として頑なに再調査を拒んでいた「総理のご意向」文書も、一転して「あった」へと素早い変わり身を見せたまま逃げ切りを図ろうとするなど、かなり強引な政権運営が続く安倍政権。ところがこの政権が、既に秘密保護法、安保法制、武器輸出三原則の緩和等々、政権がいくつ飛んでもおかしくないような国民の間に根強い反対がある難しい政策課題を次々とクリアし、危ういスキャンダルネタも難なく乗り越え、その支持率は常に50%前後の高値安定を続けている。
確かにライバル民進党の長期低迷という特殊事情もあろうが、なかなかそれだけでは説明がつかないほど、政権の支持基盤は盤石に見える。
ビデオニュース・ドットコムでは、一橋大学大学院社会学研究科の中北浩爾教授と、過去の一連の「政治改革」が権力を首相官邸に集中させたことが、結果的に安倍一強状態を生んでいることを議論してきた。(マル激トーク・オン・ディマンド 第841回(2017年5月20日)「安倍政権がやりたい放題できるのはなぜか」 )
しかし、制度や法律の改革によって永田町や霞が関を支配下に収めることができても、自動的に国民の高い支持率を得られるわけではない。安倍政権の高い支持率が続く理由はどこにあるのか。
政治とメディアの関係に詳しい社会学者で東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授の西田亮介氏は、安倍政権の安定した支持率の背景には自民党の企業型広報戦略の成功と日本社会に横たわる世代間の認識ギャップの2つの側面が存在すると指摘する。
第二次安倍政権がマスメディアに対して度々介入する姿勢を見せてきたことは、この番組でも何度か問題にしてきたが、それは自民党の新しい広報戦略に基づくメディア対策を着実に実行しているに過ぎないと西田氏は語る。
支持率の長期低落傾向に危機感を抱いた自民党は、1990年代末頃から企業型のマーケッティングやパブリック・リレーションズ(PR)のノウハウを取り入れた企業型広報戦略の導入を進め、2000年代に入ると、その対象をマスメディアやインターネット対策にまで拡大させてきた。
特にマスメディア対策は、個々の記者との長期の信頼関係をベースとする従来の「慣れ親しみ」戦略と訣別し、徐々に「対立とコントロール」を基軸とする新たな強面(こわもて)戦略へと移行してきた。その集大成が2012年の第二次安倍政権の発足とともに始まった、対決的なメディアとは対立し、すり寄ってくるメディアにはご褒美を与えるアメとムチのメディア対策だった。
マスメディアの影響力が相対的に低下する一方で、若年世代はネット、とりわけSNSから情報を得る機会が増えているが、自民党の企業型広報戦略はネット対策も網羅している。西田氏によると、自民党は「T2ルーム」と呼ばれる、ネット対策チームを党内に発足させ、ツイッターの監視や候補者のSNSアカウントの監視、2ちゃんねるの監視などを継続的に行うなどのネット対策も継続的に行っているという。
こうしたマスメディア・インターネット対策も含め、自民党の企業型広報戦略は、企業の広報担当者が聞けばごく当たり前のことばかりで、言うなれば企業広報の初歩中の初歩を実行しているに過ぎないものだという。しかし、ライバル政党がその「初歩中の初歩」さえできていない上に、マスメディアが「政治のメディア戦略」に対抗する「メディアの政治戦略」を持ち合わせていなかったために、これが予想以上の成果をあげている可能性が高いのだという。
また、安倍政権の安定した高支持率を支えるもう一つの要素として、西田氏は世代間の認識ギャップの存在を指摘する。
民放放送局(TBS系列JNN)による最新の世論調査では20代の若者の安倍政権の支持率は68%にも及んでいるそうだ。また、2016年の総選挙の際の朝日新聞の出口調査でも、若い世代ほど自民党の支持率が高いことが明らかになっている。これは、若年世代と年長世代の間で、政治や権力に期待するものが異なっていることを示している可能性が高い。
自身が34歳の西田氏は、若者ほど政権政党や保守政治に反発することをディフォルトと考えるのは「昭和的な発想」であり、今の若者はそのような昭和的な価値観に違和感を覚えている人が多いと指摘する。実際、「若者は反自民」に代表される昭和的な価値体系を支えてきた「経済成長」「終身雇用」「年功序列」などの経済・社会制度は既に社会から消滅している。にもかかわらず、年長世代から昭和的な経済・社会情勢や制度を前提とした価値規範を当たり前のように強いられることに多くの若者が困惑していると西田氏は言う。
思えば、かつて時の政権が安全保障や人権に関わる政策でこれまで以上に踏み込んだ施策や制度変更を実行しようとするたびに、強く反発してきたのは主に若者とマスメディアだった。若者とマスメディアの力で、与党の暴走が抑えられてきた面があったと言っても過言ではないだろう。しかし、マスメディアは新たな戦略を手にした政治に対抗できていないし、若者も経済や雇用政策などへの関心が、かつて重視してきた平和や人権といった理念よりも優先するようになっている。
そうなれば、確かにやり方には強引なところはあるし、格差の拡大も気にはなるが、それでも明確な経済政策を掲げ、ある程度好景気を維持してくれている安倍政権は概ね支持すべき政権となるのは当然のことかもしれない。少なくとも人権や安全保障政策では強い主張を持ちながら、経済政策に不安を抱える他の勢力よりも安倍政権の方がはるかにましということになるのは自然なことなのかもしれない。
しかし、これはまた、政治に対する従来のチェック機能が働かなくなっていることも意味している。少なくとも、安倍政権に不満を持つ人の割合がより多い年長世代が、頭ごなしの政権批判を繰り返すだけでは状況は変わりそうにない。」(2017/06/18付「ビデオニュース・ドットコム」ここより)
「対決的なメディアとは対立し、すり寄ってくるメディアにはご褒美を与えるアメとムチのメディア対策」は良く言われているが、「自民党は「T2ルーム」と呼ばれる、ネット対策チームを党内に発足させ、ツイッターの監視や候補者のSNSアカウントの監視、2ちゃんねるの監視などを継続的に行うなどのネット対策も継続的に行っている」という対策は初めて聞いた。
そして「世代間の認識ギャップの存在」として、「若い世代ほど自民党の支持率が高い」という。
その結果、「マスメディアは新たな戦略を手にした政治に対抗できていないし、若者も経済や雇用政策などへの関心が、かつて重視してきた平和や人権といった理念よりも優先するようになっている。」という。
今更言っても仕方がないが、昔の我々の時代は、戦争や人権に対して、学生運動が盛んだった。若者の、それに対する意識が高かった。
しかし、現在は、若者にとって、雇用が最重要課題。毎日、食わねばならぬ。この若者の過労死とワーキングプアーの“貧困世代”に、幾ら人権や監視社会を言ってみても、心に入らないのかも知れない。
野党も、安部政権の経済対策を上回る国民の心を捉える新政策を発表し、それで世の中を明るく豊かにする、というビジョンを示さないと、せっかくブレーキが掛かった内閣支持率も、また時間と共に、元のもくあみ・・・!?
今日の記者会見でもまた、バカの一つ覚えのように「丁寧に」を連呼していた。こんな安易な言葉だけで国民をだます安部首相の高笑いは、もう聞きたくない・・・のだが。
<付録>「まんがイラスト ぼうごなつこのページ」(ここ)より
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コメント
エムズの片割れ 様
ある時、偶然出会った『エムズの片割れ』のブログに、記事の質といい量といい、フムフム感いっぱいなことばにびっくりして以来のファンです。昨年突然愛用のパソコンが壊れて、バックアップもなく(お粗末!)、途方に暮れていましたが、新パソコンになって、やっと、『片割れ』のコトバをかすかに思い出して、再会に至りました。
楽しみにしていたものに、[楽曲の再生]がありました。
『*記事の中のプレヤーを再生するには、Adobe Flash Playerのインストールが必要です。』とあるのですが、Adobe Flash Playerのインストールは済ませていますが、以前にはあった
【プレヤー】がどうしても見つけられません。何か、事情が変わったのでしょうか?やっと決心をして、質問させていただきました。よろしくお願いいたします。
【エムズの片割れより】
どうも、表示される「PJプレヤー」は自動的にインストールされるようですね。
http://cocolog.kaiketsu.nifty.com/faqs/16993/thread
に、「コログの推奨環境」がありますので、まずこれで確認してみて下さい。
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[OS]Windows 7 SP1(64 ビット版)
[ブラウザー]Internet Explorer 11(32 ビット版、標準準拠モード)、Firefox 最新版
[OS]Windows 8.1 (64 ビット版)
[ブラウザー]Internet Explorer 11(デスクトップ版、標準準拠モード)
※ブラウザーでJavaScript、クッキーを有効に設定
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<参考:フラッシュプレーヤーが動かない>
http://cocolog.kaiketsu.nifty.com/questions/93944/thread
投稿: アネモネ | 2017年6月20日 (火) 14:52
エムズの片割れ 様
早速のお返事ありがとうございました。
教えていただいたココログに行ってみました。
わたしのパソコンは以前も今回もアップルです。
今回のOSは Mac OS X で、対応はむずかしいようです。
残念ですが、楽曲の再生はあきらめます。
安倍さんには、顔も見たくない、声も聞きたくない状態ですが、
1票の重みを、必ず必ず思い知らせたいものです。
【エムズの片割れより】
どなたか「 Mac OS X」で当サイトの音声を再生している方は居られませんか~~~??
設定を教えて下さ~~い。
投稿: アネモネ | 2017年6月20日 (火) 21:11
何故安倍政権の支持率が下がらないのか、それは日本人が江戸時代からの「お上の命令は何でも正しい」という根強い意識が残っているからです。ご町内の自民党支持者が「花火大会見物」とか「近くの温泉旅行」とかの紙を持って回ってきます。主催は自民党議員、会費は昔は議員持ちだったようですが、今は参加者が何千円かを払います。昨日も来ました。その前に「安倍さんが嫌いだから、自民党には入れない」と言ったらご町内のうるさ型のお爺ちゃんたちの評判になって広まったようです。この江戸時代の遺物達が亡くなるまで、新しい民主主義の時代は来ないと私は思っていますが、違う独裁者が生まれる可能性もありますね。人間はオオカミの群れに似ていますね。強い者についていってしまう習性があるのでしょうか。
【エムズの片割れより】
政党の地元での活動とは、温泉旅行ですか・・・
自分は(会長の独善に嫌気が差して)自治会はとっくに脱退しているので、そんな誘いもありません。
投稿: 白萩 | 2017年7月 1日 (土) 12:26
追伸
その強い者が愚者だったら、群れは一直線に戦火の中へ突き進む事になるのでしょうね。どう見ても今の政府が賢者だとは思えません。森友学園の問題に税金を1円たりとも使ってほしくないですね。あれは安倍総理の夫婦が支払うべきです。愚かな事をしたものです。
投稿: 白萩 | 2017年7月 1日 (土) 17:57