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2017年6月25日 (日)

東京混声合唱団と鮫島有美子の「埴生の宿」

NHK「ららら♪クラシック」の録画を見ていたら、2017/06/23は「“埴生の宿”~“日本人の心”になったクラシック~」というテーマだった。
この番組で、歌詞の内容が分かり、改めてしみじみと聞いてしまった。
自分が持っている音源の中では、この2つがお気に入りだ。

<東京混声合唱団の「埴生の宿」>

<鮫島有美子の「埴生の宿」>


「埴生の宿」
  作詞:里見義
  作曲:ヘンリー・ローリー・ビショップ

埴生の宿も わが宿
玉のよそい うらやまじ
のどかなりや 春のそら
花はあるじ 鳥は友
おお わが宿よ
たのしとも たのもしや

ふみよむ窓も わが窓
瑠璃の床も うらやまじ
きよらなりや 秋の夜半
月はあるじ むしは友
おお わが窓よ
たのしとも たのもしや

明治22年12月刊行の「中等唱歌集」に収録されたというこの歌の歌詞は、やはり難しい。
この歌詞を現代語に訳すと?こんな意味だという。

埴生の宿も わが宿
(みすぼらしい家といえども自分の家だ)
玉のよそい うらやまじ
(宝石の飾りも うらやましくはない)
のどかなりや 春のそら
(なぜなら、私の家はこんなに春の空ののどかな)
花はあるじ 鳥は友
(窓の外には桜が咲いている 自分のあるじは、王様でも何でもないこの桜が春はあるじだ。そして窓辺に来て鳴く鳥が自分の友だ)
おお わが宿よ
(それが私の家だ)
たのしとも たのもしや
(貧しいけれども心は豊かだ そこが私の心のよりどころだ) 

ふみよむ窓も わが窓
(月の光で本を読んでいる)
瑠璃の床も うらやまじ
(宝石を敷き詰めた美しい床の立派な御殿も 自分はうらやましくない)
きよらなりや 秋の夜半
(なぜなら、何の汚れのない月光が窓から床に差し込んでいる それが秋の夜半の景色)
月はあるじ むしは友
(その月の光が自分のあるじで、窓辺に来て鳴いているコオロギなどの秋の虫が友)
おお わが窓よ
(それが私の家だ)
たのしとも たのもしや
(そんなに豊かな私の故郷の家 そこが私の心のよりどころだ)

原曲の「ホーム・スイート・ホーム」を作曲したヘンリー・ローリー・ビショップ(1786~1855)は200年前、イギリスのモーツァルトと言われた作曲家だという。
そして「ホーム・スイート・ホーム」は、ビショップが音楽監督をつとめるコヴェントガーデン王立歌劇場のために書いた歌劇「クラリ(ミラノの乙女)」(1823年初演)の中の一曲。
貴族に見初められて宮殿にやってきた主人公が、つつましいふるさとの暮らしを懐かしむ歌だという。
原曲の歌詞を訳すと・・・

「ホーム・スイート・ホーム」
 作詞:ペイン
 作曲:ビショップ

娯楽に親しみ 宮殿を回っても
どんなに粗末でも わが家にまさる所はない!
そこでは空の魅力が 心を清めてくれる
世界中を探しても 決して他では出会わない
わが家よ! いとしいわが家よ!
わが家にまさる所はない

映画「ビルマの竪琴」に流れる歌がこれ・・・・
敵も味方も、同じ歌を歌っているうちに、戦意などどこかに・・・・

音楽は、言葉を越えて心に響く・・・
戦争の無い世界は、音楽という共通語から生まれるのでは?
(アベ君は、音楽教育を受けているのかしら・・・?おっと失礼!)

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コメント

らららクラシックは、4月からMC(司会者のことを最近はこういうらしい)が変わったけれど、引き続き楽しく聴いています。明治・大正期に作詞された曲はどれも歌詞が美しくて好きですね。番組で歌った森麻季さんや、鮫島有美子さんの声もすばらしいのですが、私はどちらかいうと数年前に購入した島田祐子のCD「こころのうた100曲集」の中にはいっている「埴生の宿」が好きです。「庭の千草」、「追憶」、「春の日の花と輝く」、「野ばら」、「故郷を離るる歌」、「ローレライ」、「故郷の廃家」、「旅愁」、「冬の星座」など、どれも歌詞もメロディーも美しい曲と一緒にはいっているCDなのですが、とくにこの「埴生の宿」は島田さんの甘くのびやかな声に合っていて、すばらしい。
ところで、この番組のゲストの林氏はこの歌とか、「朧月夜」とかのように、美しい歌詞の歌が日本の小中学生の音楽の教科書からは消えつつあるのは寂しいという感想をもらしていましたが、同感です。こうした歌は原曲は外国由来ですが、残してほしい日本の名曲だと思っています。

【エムズの片割れより】
最近の音楽の教科書は見たことがありませんが、Jポップ系の歌が多いのでしょうね。
「乾杯」が載っていると聞いたことがありますが・・

投稿: KeiichiKoda | 2017年7月10日 (月) 09:40

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