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2017年6月 6日 (火)

「孤独死はひとごとではない?」

このところ、何かを書こうとすると、つい政府や国会の話になってしまう。見たり聞いたりするのもイヤだが、それを話題にすること自体が、汚らわしくなってきた。
それで今日は、半年も前に切り取って置いた記事について・・・
こんな話題なら、いつでも良いだろう・・・

「(be between 読者とつくる)孤独死はひとごとではない?
 誰にもみとられることなく息を引きとり、一定期間、発見されない孤独死。高齢化、核家族化が進むなか、「ひとごとではない」と思う人が増えています。不安の声や体験談が寄せられる一方、「望むところだ」「よくないものとしてとらえるのはどうか」という声も。自分の望みどおりに死にたいと願う人は多いようです。

 ■「孤独」に疑問の声も
 孤独死を「ひとごとではない」と思う人は70%。周りに孤独死しそうな人が「いる」と答えた人も44%。体験談もたくさん寄せられた。
170606kodokusi  「母が亡くなってから、3日後に訪問して見つけた。ショックで、もっと密に連絡していたらと思った」(大阪、62歳男性)、「高齢者だけの問題ではない。30代独身の従業員が無断欠勤。3日続いたので、アパートの管理会社に連絡して部屋の鍵を開けたら、脳出血で亡くなっていた」(東京、59歳男性)。
 都内では約10年で1.5倍増えたといわれる孤独死。ただ、自治体で正確な実態はほとんど把握されていない。実は「孤独死」という言葉にも明確な定義はない。アンケートでもこんな声があがった。
 「どこまでを孤独死というのか。子どもや友達がいてもみとられず、急に亡くなる場合もある」(大阪、50歳女性)、「人は一人で生まれ、死んでいくもの。一人で死んだからといって孤独死というのはオカシイ。複数で死ぬのは心中ですよ」(京都、80歳男性)。
 平成28年版「高齢社会白書」では、孤独死を「誰にもみとられることなく亡くなったあとに発見される死」としている。ただ国は、支援から漏れる人がないよう、定義をあえてしていない。
 「おひとりさま」は増え、国は日本人男性の生涯未婚率(50歳までに一度も結婚したことがない人の割合)が、2035年で29%になると推定する。「孤独死対策は急務」が一般的な見方かと思ったが、アンケートではマイナスイメージにとらえることへの疑問の声が多く届いた。
 「孤独死がいけないこととして取りあげられる理由がわからない。孤立を防ぐ社会的なつながりは、コミュニティーで考えるべきだが、家で死にたい人もいるはずだ。孤独死が悪なら、高齢独居者でそのリスクの高い人は全員施設に入れないといけなくなる」(和歌山、53歳男性)、「孤独死は悪いことだろうか。みとられるから幸せだとは思えない」(大阪、63歳女性)。
 「孤独」という表現に疑問をもつ人も多かった。
 「社交的な人でも、一人暮らしをしていれば、死んで何日も発見されないことは十分ありうる。それを孤独死と表現してしまうと、人生の終わり方が孤独で寂しいものという印象を与えてしまう。もっと適切な表現はないものか」(神奈川、52歳女性)、「孤独死という言葉が悲惨なイメージをもたらしている。一人暮らしに憧れているので、一人で死ぬのは仕方ない。むしろ自由死と思いたい」(東京、67歳男性)。
 beの「悩みのるつぼ」の回答者で社会学者の上野千鶴子さんも、著書「おひとりさまの最期」で、一人暮らしでも、孤独でなければ孤独死ではない、「在宅ひとり死」と呼ぶことを提唱している。
 ただ、孤独死は構わないが、発見が遅れるのは困るという人は少なくない。
 「孤独死を不安に思う要素に、死後の後始末の問題がある。この問題がクリアできていれば、死の瞬間に一人で問題ないという人たちはいる。この問題をもっとオープンにして考えてもいいと思う」(東京、63歳男性)、「孤独死でいいが、後始末してもらえる公的システムが欲しい」(宮城、55歳女性)。
 見回りや安否確認サービスを求める声は多かった。やはり思いどおりに死ぬためにも、生きている間にやるべきことはあるようだ。(林るみ)」(
2017/01/28付「朝日新聞」b10より)

「孤独死」と聞いて思い出すのが、ちょうど10年前に56歳で亡くなった従兄弟を思い出す(ここ)。
親戚付き合いもなく、死後2週間で見付かった。脳溢血だったらしく、トイレから出たところで倒れていたという。警察からの連絡で行った兄の話によると、やはりウジが湧いていて大変だったという。
カミさんが読んだある本によると、人間は死後、緑色になると言う。やはり「孤独死=誰にもみとられることなく亡くなったあとに発見される死」はイヤだな・・・。せめて、まだ息があるうちに見付けてもらい、誰かにそばに居て欲しい。
それには誰かと一緒に住んでいることが必要。
しかし誰でも、ひとり暮らしはかなりの確率で、当事者になる。誰も連れ合いが先に亡くなれば、ひとり暮らしは避けられない。
その方が、気楽な面もある。「その時」を考えても、解はない。若くても孤独死は有り得る。
昔、関係会社の20代の人が、無断欠勤したので、会社の寮に行くと、コタツの中で亡くなっていたことがあった。
そう言えば、ある親戚の叔父も、家族で一緒に暮らしていたが、最後に風呂に入り、そこで亡くなってしまい、発見は朝だったという。これも事故死として扱われ、解剖されたと聞く。こんな事を考えると、誰だって孤独死は人ごとではない。

朝、寝坊をしていると、カミさんが「生きている?」と起こしに来る。それが普通・・・。
そう、“普通”か“普通でない”か。それを見届けられる状態が存在すれば、たぶん孤独死は避けられる。
上の記事のように、「もはや孤独死は仕方がない」と割り切れれば良いが、自分はイヤだな・・・
ともあれ、幾ら考えても、解はない。せいぜい、体が動くうちに、終活で家財道具を減らしておこう。
先日の中学の同窓会で、こんな話をした。「今元気な先生も、次回の5年後は90歳。生徒は全員75歳。それまで何人が亡くなるか・・・」
もはや、古希の我々にとって、死はそこまで来ている・・・。後片付けは、早めに・・・ね。

170606bijin <付録>「ボケて(bokete)」より

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コメント

最近は未婚率が上昇していますから、
それを考えると、ますます「孤独死」が増えていくでしょうね。
法律では15歳になれば遺書を書くことができる(有効になる)ので、
エムズの片割れさんも遺書を書いておくとか?

http://www4.nhk.or.jp/P4235/x/2017-06-10/10/24629/2899056/
『映像の世紀プレミアム』の最新作が今度の土曜日、放送されますよ。

【エムズの片割れより】
遺書?もちろん書いて金庫に入れてあります。内容は単純に「財産はすべてカミさんに」だけ。カミさんも同じ内容。そろそろ終活の歳なので・・・

投稿: マッノ | 2017年6月 7日 (水) 23:13

 高齢化の進むマンションで、「孤独死だけは出してはならない」と考えて、いろいろ工夫してきましたが、とうとう出ました。
 しかし、日頃から家族と連絡の密な方だったので、翌日に発見できました。
 遺族の方が涙を浮かべながらおっしゃるには、早く発見できてよかった、遅れていたら、理組合に迷惑をかけた、と。

 「一人暮らし」は、万一コト切れた時、早く発見してもらう工夫が必要だ、とつくづく、思いました。

【エムズの片割れより】
本当にそうですね。誰かと、毎日定時に電話のベルを鳴らし合うとか・・・
90歳近かったお袋が田舎で一人で暮らしていた頃は、兄弟3人で心配していました。
結果は、遠い子供より、近くの他人・・・でした。

投稿: Tamakist | 2017年6月12日 (月) 13:24

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