鮫島有美子の「四丁目の犬」
暗い世の中、こんな歌でも聞いて、うっとうしさを吹き飛ばそうか!?
何とも軽快な童謡、「四丁目の犬」という歌である。
<鮫島有美子の「四丁目の犬」>
「四丁目の犬」
作詞:野口雨情
作曲:本居長世
一丁目の子供 駈け駈け帰れ
二丁目の子供 泣き泣き逃げた
四丁目の犬は 足長犬だ
三丁目の角に こっち向いていたぞ
古い録音だが、昔のSPでも聞いてみよう。
<コロムビアゆりかご会の「四丁目の犬」>
良く聞いてみると、鮫島は「三丁目の角で」と歌い、ゆりかご会では「三丁目の角に」と歌っている。ゆりかご会の方が、正解らしい。
鮫島有美子のCDに、この歌についてこんな解説があった。
「四丁目の犬
この曲は、野口と本居が童謡作家として協力しあうようになってからまだ間もない頃の作品である。つまり詩は「金の船」大正9年3月号に、曲はその翌月号に掲載された。
1丁月と2丁目の子供は逃げ帰り、4丁月の犬は3丁目の角で追跡を諦めて立ちどまる。こっちを見ている犬の目には、もはや子供の姿はない。簡潔な数え唄の体裁をとりながら1-2-4-3と屈折する運動性を与え、しかも歌のあとには犬の光った両目にとらえられた音の無い虚ろな空間が残る。」
なるほど・・・・
前にも書いたが、この歌のように、自分にとっては長い間、犬は怖い存在だった。つまり子どもの頃に咬まれた思い出しかなかった。家の近くの会社の寮の、番犬用のシェパードが逃げ、それに2度も咬まれた。小学校高学年の頃だった。未だに尻にその跡が残っている。
我が家のヨーキーのメイ子は決して咬まないが、散歩の時に、大きな犬に遭うと、やはり用心する。
子どもの時の、犬が怖かった頃を思い出す歌である。
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コメント
単純で面白い歌なのになぜか淋しさがありますね。昔の童謡には淋しさのある歌が多いと思います。大人が子供の頃の淋しさを思い出して童謡を作っていたのでしょうか。
この歌は子供の歌ではなく大人の歌のような気がします。
3丁目の角でのでと、角にのには大きな違いがあると思います。「で」は犬の意思があってそこにいる、「に」は人間の立場から犬を見ている感じがあります。詩人の感性の鋭さが伺えます。たった一文字なのに大きく違いますね。面白い歌ですね。
【エムズの片割れより】
な~るほど。
さすが博学!
投稿: 白萩 | 2017年6月23日 (金) 23:55
同じ世代の仲間5人でリコーダーの会を主宰しています。毎週、童謡か唱歌を2~3曲やっています。4丁目の犬は先週やったばかりでした。歌詞についてですが、音楽の友社の三瓶誠一郎編『日本童謡全集』では歌詞には「三丁目の角に」となっているのに、楽譜の中では「さんちょうめのかどで」となっていて不思議だなと思っていました。
鮫島由美子の歌を聴いていて、「1丁目の子供、駆け駆け帰り」と聞こえるのです。最近は耳もおかしくなっているので、確信はないのですが。
【エムズの片割れより】
自分には「駈け駈け帰れ」と聞こえますが・・・
投稿: 河南 勝 | 2018年7月 4日 (水) 22:45