天皇「退位議論」「特例法」に強い不満
メルマガを極度に拒否する自分だが「日刊ゲンダイ」は面白いので取っている。今日のメルマガに「安倍政権に大激震 天皇「退位議論」「特例法」に強い不満」という文字・・・。
「安倍政権に大激震 天皇「退位議論」「特例法」に強い不満
天皇が安倍政権に「ノー」を突きつけた――。
21日の毎日新聞1面を読んで驚いた人も多いだろう。「退位」をめぐる政府の有識者会議について、天皇が強い不満を表し、その考えは首相官邸にも伝えられていると報じたのだ。
天皇が不満を強めている理由は、政府が退位を皇室典範改正で恒久制度化せず、特例法ですませようとしていることだという。天皇は〈一代限りでは自分のわがままと思われるのでよくない。制度化でなければならない〉とし、〈自分の意志が曲げられるとは思っていなかった〉と話したという。
ふだん自分の気持ちを表さない天皇がここまで不満を漏らすのはよほどのことだ。しかも、官邸にも伝えられたというから、深く考えた上での発言だろう。
さらに、有識者から〈天皇は祈っているだけでよい〉との発言が出たことに天皇はショックを受けているという。毎日新聞によると、こうした発言を宮内庁幹部は〈(被災地などを訪れる)陛下の生き方を全否定する内容〉とし、天皇と個人的にも親しい関係者は〈陛下に対して失礼だ〉と話しているという。
天皇が強い不満を漏らしたことに、さすがに安倍官邸にも激震が走っている。政府は先週19日に天皇退位の特例法案を閣議決定したばかり。その直後に天皇の不満が新聞の1面トップに掲載されたのだ。
政界関係者が言う。
「このまま法案を通していいものか、与野党から賛否両論が噴き出すのは必至です。世論調査でも天皇の意志を尊重すべきという意見が多い。政府提出の原案通り、成立するか分からなくなってきました」
そもそも天皇は右傾化を強める安倍政権を危惧しているという指摘もある。安保法が審議されていた15年8月の全国戦没者追悼式では、「さきの大戦に対する深い反省」との文言を初めて使い、日本の平和と繁栄を「平和の存続を切望する国民の意識に支えられ」と表現している。
政治評論家の森田実氏が言う。
「平和主義者の天皇は安倍首相の動向を不安視していると思われます。憲法9条を国是として守ろうという気持ちも強いように感じます」
安倍政権は特例法をこのまま強行成立させるのか。」(2017/05/22付「日刊ゲンダイ」ここより)
ネタもとの毎日新聞の記事を読んでみた。「陛下 公務否定に衝撃」という見出し。
「<陛下>退位議論に「ショック」 宮内庁幹部「生き方否定」
天皇陛下の退位を巡る政府の有識者会議で、昨年11月のヒアリングの際に保守系の専門家から「天皇は祈っているだけでよい」などの意見が出たことに、陛下が「ヒアリングで批判をされたことがショックだった」との強い不満を漏らされていたことが明らかになった。陛下の考えは宮内庁側の関係者を通じて首相官邸に伝えられた。
陛下は、有識者会議の議論が一代限りで退位を実現する方向で進んでいたことについて「一代限りでは自分のわがままと思われるのでよくない。制度化でなければならない」と語り、制度化を実現するよう求めた。「自分の意志が曲げられるとは思っていなかった」とも話していて、政府方針に不満を示したという。
宮内庁関係者は「陛下はやるせない気持ちになっていた。陛下のやってこられた活動を知らないのか」と話す。
ヒアリングでは、安倍晋三首相の意向を反映して対象に選ばれた平川祐弘東京大名誉教授や渡部昇一上智大名誉教授(故人)ら保守系の専門家が、「天皇家は続くことと祈ることに意味がある。それ以上を天皇の役割と考えるのはいかがなものか」などと発言。被災地訪問などの公務を縮小して負担を軽減し、宮中祭祀(さいし)だけを続ければ退位する必要はないとの主張を展開した。陛下と個人的にも親しい関係者は「陛下に対して失礼だ」と話す。
陛下の公務は、象徴天皇制を続けていくために不可欠な国民の理解と共感を得るため、皇后さまとともに試行錯誤しながら「全身全霊」(昨年8月のおことば)で作り上げたものだ。保守系の主張は陛下の公務を不可欠ではないと位置づけた。陛下の生き方を「全否定する内容」(宮内庁幹部)だったため、陛下は強い不満を感じたとみられる。
宮内庁幹部は陛下の不満を当然だとしたうえで、「陛下は抽象的に祈っているのではない。一人一人の国民と向き合っていることが、国民の安寧と平穏を祈ることの血肉となっている。この作業がなければ空虚な祈りでしかない」と説明する。
陛下が、昨年8月に退位の意向がにじむおことばを表明したのは、憲法に規定された象徴天皇の意味を深く考え抜いた結果だ。被災地訪問など日々の公務と祈りによって、国民の理解と共感を新たにし続けなければ、天皇であり続けることはできないという強い思いがある。【遠山和宏】
【ことば】退位の有識者会議
天皇陛下が昨年8月、退位の意向がにじむおことばを公表したのを踏まえ、政府が設置。10月から議論を始めた。学者ら6人で構成し、正式名称は「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」。11月に16人の専門家から意見聴取し、今年1月の会合で陛下一代限りの特例法制定を事実上推す論点整理をまとめた。4月に最終報告を首相に提出した。」(2017/05/21付「毎日新聞」ここより)
発言のオリジナルを探したら(ここ)にあった。
「(安倍晋三首相の意向を反映して対象に選ばれた)平川祐弘東京大名誉教授
天皇家は続くことと祈るという聖なる役割に意味があるので、それ以上のいろいろな世俗のことを天皇の義務としての役割とお考えになられるのはいかがなものか。」
「渡部昇一上智大名誉教授
天皇のお仕事というのは、昔から第一のお仕事は国のため、国民のためにお祈りされることである。
外へ出ようが出まいがそれは一向構わないことであるということを、あまりにも熱心に国民の前で姿を見せようとなさってらっしゃる天皇陛下の有り難い御厚意を、そうまでなさらなくても天皇陛下としての任務を怠ることにはならないと申し上げる方がいらっしゃるべきだった。
宮中にあっても絶えず祈っておりますぞということで、これが私は天皇の本当のお仕事であって、あとはもうお休みになって宮中の中でお祈りくださるだけで十分なのですと説得すべき方がいらっしゃるべきだった。」
今まで良く読んでいなかったが、これらを改めて読むと、天皇の怒りが良く分かる。
まさに、天皇が国民に添うべく“(被災地などを訪れる)陛下の生き方を全否定する内容”だ。
そもそも、政府から恣意的に?選ばれた「有識者」なる者は、上から目線で“天皇がどうあるべきか”を決める権限があるのか? そんなにエラいのか??
主権者は国民だ。ヒアリングは、国民の声を代表して発言する人を選ぶべきではないのか?
それが、先に首相の考えがあり、それに迎合する人が「ヒアリング代表」として選ばれ、首相の考える方向にまとめる・・・。まさに国民不在の出来レースだ。
選挙のことも関係無く、ポピュリズムも関係無い・・・。真に、そして素直に国民のことを考えているのは天皇くらいしか居られないのかも知れない。
前に浜矩子氏が「革命を起こさないとダメかな」(ここ)と発言していたが、もはや今の日本は、天皇に安倍首相の暴走を止めて貰うしか無いのかも知れない。それが幾ら超法規的であったとしても・・・
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コメント
いつも読ませていただいております。今回の天皇の発言は全くその通りだとおもいます。
【エムズの片割れより】
今日、共謀罪が衆院で可決されました。このような状況が、当たり前化している今の日本。
カミさんが、孫世代に申し訳ないと、いつも嘆いています。
夜のニュースを見なかったら、何と心が平穏か・・・。
投稿: とおりすがり | 2017年5月23日 (火) 07:46
ボロボロとこぼれあふれるいかさまを
許せし議員ら正義はないのか
アンパンんの餡が腐って崩れたる
総理の貌を見る哀しさよ
平成河原の落首
【エムズの片割れより】
前川前次官の記者会見と、管官房長官の発言を聞き比べるに、国のトップが堂々をウソを言っていて、それを誰も止められない。
今の日本は、そんな国に成り下がってしまった・・・。
孫に「ウソをつくな」とは言えない状況・・・。トホホ・・・
投稿: 白萩 | 2017年5月25日 (木) 16:02