「トランプ大統領もあながち悪くない」?
信じられない暴言を連発しているトランプ大統領だが、先日(2017/01/23)のテレビ朝日の「報道ステーション」を見ていたら、こんな発言があった。
富川悠太キャスター「小川さん、取材に行っていらっしゃいましたが、分断されたまま新しい政権が発足してしまった状況ですね。」
小川彩佳サブキャスター「その分断の溝が深まっていると感じたんですけど、一方で感じましたのは、どちらか一方の目線に偏ってはいけないということを、改めて突き付けられた気がします。ワシントンDCのデモを取材していましても、すごく批判の声が大きいなと感じるんですけれども、考えてみればワシントンDCでは90%以上の方がヒラリー氏に投票しているんですね。周りの都市部もそうで、集まってきやすかったのかなという部分も考えなきゃいけないな、というふうに思いますし、サウスカロライナ州の郊外に住むトランプさんの支持者の方に取材したんですが、その方が、自分たちは見捨てられたような気持ちになっていた。そこにトランプ氏がダイレクトに語りかけてくれているような気がして非常に安心感を覚えた。というふうにおっしゃっていて、どうしても行政機関も報道機関も都市部に集まっていますし、そこの目線が浮き彫りになってきてしまいがちだと思うんですけども、もう一方の目線も大事に捉えていかなければならないなと、感じました。」
「見えない声が半分、または半分弱はいるという事は、しっかりとわかっていかないといけないですね。」(2017/01/23テレビ朝日「放送ステーション」より)
そう。小川サブキャスターの言う通り・・・。
我々はどんな出来事に対しても、一方に偏った情報だけを聞いていてはいけない。裁判と同じように、両者の意見を聞く耳を持たなければいけない。特に自分のように、信念のない人間にとって、洗脳される危険を回避する意味でも・・・
今回の、トランプ大統領についての報道は、まさに否定の一方的な報道が為されているようにも思える。どのチャンネル、どの紙面を見ても同じスタンスで、飽きた!?
逆の、トランプ氏側に立った意見は何か無いかな?と思っていたら、こんな記事が見つかった。
「(インタビュー)トランプ政権への期待 映画監督、オリバー・ストーンさん
過激な言動で物議を醸すドナルド・トランプ氏が超大国のトップに就いた。政権批判の映画を世に出し続けてきた米アカデミー賞監督が「トランプ大統領もあながち悪くない」と意外な「評価」をしている。かつてはトランプ氏に手厳しい発言もしていたオリバー・ストーン監督に、真意を聞いた。
――米大統領選の結果はショックだったと米メディアに語っていましたが、ツイッターで「トランプを良い方向にとらえよう」とも書いていました。
「ヒラリー・クリントン氏が勝っていれば危険だったと感じていました。彼女は本来の意味でのリベラルではないのです。米国による新世界秩序を欲し、そのためには他国の体制を変えるのがよいと信じていると思います。ロシアを敵視し、非常に攻撃的。彼女が大統領になっていたら世界中で戦争や爆撃が増え、軍事費の浪費に陥っていたでしょう。第3次大戦の可能性さえあったと考えます」
「米国はこうした政策を変える必要があります。トランプ氏は『アメリカ・ファースト(米国第一主義)』を掲げ、他国の悪をやっつけに行こうなどと言いません。妙なことではありますが、この結果、政策を変えるべきだと考える人たちに近くなっています」
――トランプ政権下で、米国の介入主義は終わりを迎えると?
「そう願っています。米軍を撤退させて介入主義が弱まり、自国経済を機能させてインフラを改善させるならすばらしいことです。これまで米国は自国経済に対処せず、多くが貧困層です。自国民を大事にしていません。ある面では自由放任主義かと思えば、別の面では規制が過剰です。トランプ氏もそう指摘しており、その点でも彼に賛成です」
「トランプ氏はまともではないことも言います。かつてないくらいに雇用を増やすなんて、どうやって成し遂げられるのか私にはわからない。だがものすごい誇張だとしても、そこからよい部分を見いださねばなりません。少なくとも米国には新鮮なスタイルです」
「彼は、イラク戦争は膨大な資産の無駄だった、と明確に語っています。正しい意見です。第2次大戦以降すべての戦争がそうです。ベトナム戦争はとてつもない無駄でした。けれども、明らかに大手メディアはトランプ氏を妨害したがっており、これには反対します。トランプ氏がプラスの変化を起こせるように応援しようじゃありませんか」
――プラスの変化とは?
「例えばロシアや中国、中東、IS(過激派組織「イスラム国」)への新政策です。テロと戦うためロシアと協調したいと発言しており、これは正しい考えです」
――ロシアが米国にサイバー攻撃したとされる問題について、監督は疑義を呈していますね。
「米国の情報機関について私は極めて懐疑的です。米中央情報局(CIA)は長年、多くの間違いを犯してきました。キューバのピッグス湾事件やベトナム戦争、イラクの大量破壊兵器問題です。米国は世界をコントロールしたがり、他国の主権を認めたがらず、多くの国家を転覆させてきました。そんな情報機関をけなしているトランプ氏に賛成です。だが、そうしたことは社会で広く語られません。米国社会のリーダー層と反対の立場となるからです」
――リベラル派が多いハリウッドは反トランプ氏が目立ちます。
「そのリベラルと呼ばれてきた人たちが、ものすごい介入主義者と化しています。リベラルと言われるクリントン氏をみればわかります。民主党は中道右派となり、左派を真に代表していません」
■ ■
――米政府による個人情報の大量監視を暴露したCIA元職員エドワード・スノーデン氏を描いた新作映画「スノーデン」を撮ったのはなぜでしょうか。
「私は、いつも時代に合わせて映画をつくっています。2013年にスノーデン氏の暴露を知り、衝撃を受けました。米国が監視国家だという疑いが確信になりました。スノーデン氏の弁護士の招きでモスクワに行って以来、彼と9回会って話を聞いたのです」
「映画はスノーデン氏の証言に基づいてつくっています。彼が09年に横田基地内で勤務していた頃、日本国民を監視したがった米国が、日本側に協力を断られたものの監視を実行した場面も描きました。スノーデン氏は、日本が米国の利益に背いて同盟国でなくなった場合に備えて、日本のインフラに悪意のあるソフトウェアを仕込んだ、とも述懐しています。これは戦争行為でしょう。あくまで彼が語る話であり、確認をとろうにも米国家安全保障局(NSA)側と話すことは認められませんでした。でも、私は経験上、彼は事実を話していると思っています。米情報機関は映画の内容を否定するでしょう。米大手メディアも取り合いません。でも、そこから離れて考えてほしいと思います」
■ ■
――米議会は昨年、スノーデン氏がロシアの情報機関と接触しているとの報告書を出しました。
「まったくのたわ言。動機も見当たりません。彼は米国の情報活動が米国の安全保障に役立つ形で改善されることを願っています。彼はまず、ジャーナリストに情報を提供したし、今も表だって理想主義的な発言を続けています。スパイがやることではないでしょう」
「スノーデン氏がモスクワに着いた時、経由するだけでロシアに滞在するためではなかった。空港でロシアの情報機関の職員から『私たちに出せる情報はないか』と言われ、『ノー』と答えたそうです。彼は出国したがっていました。南米諸国からは受け入れの申し出もあったようですが、米政府の手がおよび、安全が確保できそうにありません。結果としてロシアが最も安全だとなったのです」
――就任後、トランプ氏はCIAの影響で反ロシアに陥るかもしれないと懸念していますね。
「彼がそうなる可能性はあるでしょう。でもトランプ氏はビジネスマン。貿易を好む限り、ビジネスマンは戦争をよしとしません」
――トランプ政権下でスノーデン氏はどうなるでしょう。
「トランプ氏はスノーデン氏を非難しましたが、大統領に就任後、米国の情報機関がいかに堕落したものかを知れば、違った感情を持つようになるかもしれません。ニクソン元大統領は訪中し、レーガン元大統領はゴルバチョフ旧ソ連書記長と会談しました。トランプ氏も変わり得るでしょう。彼が情報機関の本質を知るにつれ、内部告発者寄りになっていく可能性があります。ウィキリークスに情報を提供したマニング上等兵も減刑となったし、スノーデン氏にもいずれ寛大な措置がなされることを願っています」
■ ■
――映画「スノーデン」の制作にあたっては、米国からは出資が一切得られなかったそうですね。
「米国のどの映画スタジオにも断られ、大変でした。彼らの多くは政府と関係があり、政府の何かを踏んでしまうのを恐れて自己規制したのだと思います。制作にはとても困難を伴い、なんとか配給会社は見つかりましたが、小さな会社です」
――かつて、監督は映画「JFK」などで、米大手スタジオ「ワーナー・ブラザース」とよく連携していました。
「今回、ワーナーにも断られました。米国がテロとの戦いを宣告した01年以降、米国に批判的な映画をつくるのが難しくなり、そうした映画がどんどん減っています。米軍が過剰に支持・称賛されたり、CIAがヒーローに仕立てられたりする映画やテレビシリーズが目立ちます。非常に腹立たしいことです」
――今回は結局、どうやって資金を集めたのでしょう。
「少額資金を集めながら悪戦苦闘。フランスとドイツからの出資が支えとなりました。欧州議会がEU加盟国にスノーデン氏の保護を求める決議をするなど、欧州は彼に耳を傾けています。2度の大戦を経た欧州は国家による監視を好まず、その危険性も理解しています。英国は例外ですけれど」
――そうした状況下、今後も映画制作を続けられますか。
「わかりません。今はプーチン・ロシア大統領についてのドキュメンタリー映画を仕上げているのですが、(商業映画としては)『スノーデン』が私の最後の作品になるかもしれません。米国では映画制作への協力を得にくくなっているためです。仮につくるとしても、たぶん国外で制作することになるでしょう」
――トランプ氏は、彼を批判した俳優メリル・ストリープ氏をツイッターで罵倒しました。今後、米映画業界は萎縮していくのでしょうか。
「そうなるかもしれません。ただ、私はハリウッドの政治とは一線を画しています。時に嫌われることもありますが、これまで同様、私は発言し続けます」(聞き手・藤えりか)
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Oliver Stone 1946年生まれ。従軍したベトナム戦争を題材にした「プラトーン」「7月4日に生まれて」でアカデミー監督賞。」(2017/01/24付「朝日新聞」p15より)
この記事の中で、「ヒラリー・クリントン氏が勝っていれば危険だったと感じていました。彼女は本来の意味でのリベラルではないのです。米国による新世界秩序を欲し、そのためには他国の体制を変えるのがよいと信じていると思います。ロシアを敵視し、非常に攻撃的。彼女が大統領になっていたら世界中で戦争や爆撃が増え、軍事費の浪費に陥っていたでしょう。第3次大戦の可能性さえあったと考えます」という部分には、戦慄を覚える。
言われてみれば、そうかも知れない・・
それに引き替え、メキシコとの間の壁など、破天荒な発想だが、戦争までは行くまい。まあ、中東では色々あるだろうが、ビジネスマンだそうなので、戦争よりも儲けが重要!?
ともあれ、あまりに反トランプ報道ばかりなのでつまらない。ここはヘソを曲げて、「トランプ大統領もあながち悪くない」という視点でも見てみたい。
何せ、“米国民の半分はトランプ支持”なので、100%反トランプという報道はおかしい・・よね。まあ飲み会で、「トランプはたぶん暗殺されるな。ISか、国内の有色人種に・・・」という軽口さえ出る大物だけど・・・
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