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2017年1月13日 (金)

メリル・ストリープ、スピーチでトランプ次期大統領を批判

今日(2017/01/13)の朝刊は、トランプ次期大統領の初めての記者会見の話題で大騒ぎ・・・。
そんな騒動の中、「メリル・ストリープ、ゴールデングローブ賞のスピーチでトランプ次期大統領を批判」という話題が頭に残った。

メリル・ストリープ、ゴールデングローブ賞のスピーチでトランプ次期大統領を批判
アメリカ・カリフォルニア州ビバリーヒルズで1月8日、第74回ゴールデングローブ賞の授賞式が行われ、特別功労賞「セシル・B・デミル賞」を送られた女優のメリル・ストリープが、名指しこそ避けたものの、ドナルド・トランプ次期大統領を批判するスピーチをした。ストリープは、トランプ次期大統領が反移民の立場をとっていること、選挙運動中に障害のある記者の真似をしてからかったことを挙げ、彼を非難した。その後ストリープは、トランプ次期大統領が圧力をかけるとみられるジャーナリスト保護委員会を支援するよう、視聴者に呼びかけた。

「・・・・・
ハリウッドには部外者と外国人が大勢います。その人たちを全員追い出したら、フットボールとマーシャルアーツ(総合格闘技)以外に見るものがなくなります。しかしそれはアーツ(芸術)ではありません。このことを言うために彼らは私に3秒くれたのです。役者の仕事はただ1つ、私たちとは異なる人たちの人生に入り込み、どのように感じるのかを見る人に感じてもらうことです。そしてこの年もパワフルなパフォーマンスがたくさん、たくさん、たくさんあり、そのどれもが驚くべき情熱的な作品でした。
170113merylstreep しかし、私はこの年、あるパフォーマンスで衝撃を受けました。私の心にはそれが突き刺さったままです。良かったからではありません。いいことなんてまったくありません。しかしそのパフォーマンスは影響力があり、功を奏しました。意図的に作られた聴衆を笑わせ、敵意をむき出しにさせたのです。そのパフォーマンスがあった瞬間とは、我が国で最も尊敬される地位に就こうとする人物が、障害を抱える記者の真似をした時のことです。その人物は、特権を持ち、権力を持ち、反撃する力もその記者よりはるかに上です。それを見た時、胸が張り裂けるような思いでした。今でも頭から離れません。映画じゃないんです。現実の世界の話なんです。
このような衝動的に人を侮辱するパフォーマンスを、公の舞台に立つ人間、権力のある人間が演じれば、あらゆる人たちの生活に影響が及び、他の人たちも同じことをしてもいいという、ある種の許可証を与えることになるのです。軽蔑は軽蔑を招きます。暴力は暴力を駆り立てます。権力者が弱い者いじめをするために自分の立場を利用すると、私たちは全員負けてしまいます。これは記者にもつながる話です。報道する力を持ち、いかなる攻撃があっても権力者たちを批判する、信念のある記者を必要としています。だから建国の父たちは報道の自由を憲法に記したのです。
なので私は、とても裕福なことで知られているハリウッド外国人映画記者協会のみなさん、そしてわたしたちハリウッドコミュニティのみなさんにこれだけはお願いしたい。私に加わって、ジャーナリスト保護委員会を支援してください。なぜなら、前進するためには彼らが必要になるからです。そして彼らは、真実を保護するために私たちが必要になるからです。・・・・」(
2017/01/10付「ハフィントンポスト」ここより)

自分は、海外の女優の名前はほとんど知らない。しかしその顔は知っている。このメリル・ストリープという女優は、映画「マディソン郡の橋」で知っていた。やはり大女優だった。
このスピーチは、あらゆるテレビニュースで取り上げていた。
特に、「このような衝動的に人を侮辱するパフォーマンスを、公の舞台に立つ人間、権力のある人間が演じれば、あらゆる人たちの生活に影響が及び、他の人たちも同じことをしてもいいという、ある種の許可証を与えることになるのです。」という部分は、品の無い次期大統領の振る舞いを思い浮かべると、ゾッとする。
このスピーチに対して、トランプは直ぐに反論したが、あまりにもおぞましくて、取り上げる気にもならない。

この話を聞いて、前のこんなニュースを思い出した。
原発避難の小4に担任が「菌」発言 いじめ相談の5日後
 新潟市の小学4年の男子児童が、担任の40代男性教諭から名前に「菌」をつけて呼ばれ、1週間以上学校を休んでいることが、保護者や学校への取材でわかった。児童は5年前、東京電力福島第一原発事故で福島県から家族と避難していた。同級生からもそう呼ばれ、この担任に相談していたという。
 保護者によると、児童は11月22日、担任から昼休みに教室で連絡帳を渡された際、ほかの児童がいる前で、自分の名前に「菌」をつけて呼ばれた。この日は早朝、福島県で最大震度5弱の地震が発生。児童は福島県で働く父親と連絡が取れないまま登校した不安感も重なり、強くショックを受けた様子だったという。祝日をはさみ、24日から学校を休むようになった。
 児童は2011年の東日本大震災後、家族と新潟市に自主避難した。保護者によると、理由は定かではないが、小学3年のころから仲間はずれにされたり、一部の同級生から名前に「菌」をつけて呼ばれたりするようになったという。4年に進級すると、同級生に文房具を捨てられたり、傘を壊されたりもしたというが、児童は保護者に「守ってくれる友達もいる。大丈夫だよ」と話していた。
 ところが、11月に横浜市に自主避難した中学生が名前に「菌」をつけて呼ばれて不登校になった問題が報道されると、落ち込んだ様子になったという。保護者らは「自分も深刻ないじめを受けていると自覚したためでは」とみている。
 心配した保護者の勧めで、児童は11月17日、担任に「自分も名前に『菌』をつけて呼ばれている」と相談した。にもかかわらず、5日後、担任がその呼び方で児童を呼んだとされる。
 保護者が問題視して学校に連絡。学校が担任に事情を聴くと、担任は当初、「相談を受けているわけだし、私は絶対にそういうことは言わない」と否定した。だが11月29日、別の教諭らがクラス全員に聞き取り調査をした結果、複数の児童が「自分もそう呼んでいた」「担任の先生もそう呼んだ」などと答えた。
 校長によると「担任は『認識不足だった。何とかして謝罪したい』と話している」といい、学校側は発言に問題があったと認めている。新潟市教育委員会も問題を把握。詳しい経緯や状況について調査している。市教委教職員課の吉田隆課長は「福島は帰りたくても帰れない状況で、お子さん、ご家族につらい思いをさせているのは残念。適切な対応をしていきたい」と話している。(永田篤史、狩野浩平)」(
2016/12/02付「朝日新聞」ここより)

まさにこの話は、教師が児童たちに対し「いじめても良い」というお墨付きを与える結果となったのだ。

話を戻そう。トランプ次期大統領の言動は目を覆いたくなるものばかり。大統領になれば、選挙用のパフォーマンスも影を潜めて正気に戻るのでは?という淡い期待は、吹き飛びつつある。
それにしても、おかしい。不法移民に対する厳しい政策も、トランプ自身、いやアメリカ国民全体が、「不法移民」の末裔ではないのか?
そもそもアメリカで、移民を拒否出来るのは、アメリカ大陸の原住民だけではないのか?

それに、アメリカ大統領がプーチン大統領に“弱み”を握られているとすると、これからの世界は、ロシアの意のままに動くのでは?とつい勘ぐってしまう。
いやはやとんでもない世の中になったものだ。
世界が、悪い方へと急速に傾いているようで、ニュースから目が離せない。

170113kaikyu <付録>「ボケて(bokete)」より

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