「世界に負けない日本」薮中三十二著~Uさんの読書ノート
しばらくサボっていたが、またUさんの読書ノートを取り上げてみる。(毎度言っているが、Uさんが読む本は、内容が自分には難しく、少々敬遠気味だった・・・)
今回の紹介は、薮中三十二著「世界に負けない日本」という本(ここ)。
Uさんのメールには、こんな紹介文があった。
「本の紹介「世界に負けない日本」薮中三十二著 PHP新書
各位
毎日鬱陶しい日が続いていますがお変わりなくお過ごしのことと存じます。
今回の「本の紹介」は、薮中三十二著「世界に負けない日本」PHP新書である。外交官とし て世界の国々と交渉を行ってきた著者が、日本の若者にグローバル人材になる為の必須条件とその実践例を紹介している。著者はその発信だけでなく、その教育を大学で教えている。素晴らしい事である。
著者が主張する五つの必須条件に異論はないが、それを国内でそのまま実践すると、かなり居心地の悪い思いをするかもしれない。特に④の「ロジック」の大切さは世界の共通語であるかも知れないが、国内の会議で相手を徹底的に論理で追い詰めると、その相手と絶縁状態に到るかも知れない。相手の意見を尊重しつつ自分の論理を主張しないと日本では上手くいかない。海外と国内で使い分ければベストであるが、それが個性になっているとそれは中々難しい。特に企業のトップにグローバル人材を充てる時、その人物の「人間力」をよく見極める必要がある。その為には、その人材の仲間や友人の多さやその友人達の意見をよく聞く必要がある。つまりトップの悪い独裁になる可能性があるからである。しかし、真のグローバル人材であればトップになっても、社内の仲間たちからの「情報力」をもって上手くマネージすることも可能であろう。日本も世界の中の一つの文化を持つ国であるのだから。
外交官出身の著者が、日本の将来について最大の課題が「少子化」だと言っているのは注目に値する。つまり、「少子化」は厚生労働省の問題だけでなく、文科省、通産省、総務省、財務省、又移民に関する法務、外務省も関係してくる。従って「少子化」問題は官邸・首相のリーダーシップが無くては総合的に解決できないテーマなのである。そしてそれが最大の課題であるならば、ヒト、モノ、カネを一点集中し、問題解決に当たらねばならない。著者はもうそろそろ移民問題を本格的に議論する時期に来ていると言っている。もし、移民を原則自由にするならば、どのような制限を付けつつ段階的に自由化を進めていけばいいのだろうか?各位はどう思われるであろうか?(2016/06/29付)」
★「世界に負けない日本」薮中三十二著~Uさんの読書ノートのPDFは(ここ)
取り上げているテーマが自分に最も苦手な話。つまりグローバル。
「ジャングルのようなグローバルな世界では、こうした日本的美徳は通用しない。その際に不可欠となるのは、次の五大必須条件だと考える。即ち①英語力、②情報力、③「個」の力、④ロジック力、⑤人間力の五つである。
グローバル人材に育つにはまず英語だ。「通訳を使えばよいのであって、英語なんか不可欠ではない」という反論があるかも知れないが、英語も話せない人がグローバル人材かと言えば答えは明確に「NO」である。・・・」(p3より)
外務次官までやった著者だが、初めから英語は得意かというと、そうではない。4頁に、アメリカ留学での苦労話が書いてある。
誰でも、若い頃に死ぬ苦しみを経験している。その経験がその後の人生に灯りをともす。これはどんな分野の人でも、共通に言えること。若い頃、苦労をしなかった人は、結局人間が浅く、その後の人生で伸びない。
外交の厳しさについても書いているが、ここでは述べない。
前にも何度か書いているが、自分の人生で、一番の弱点は英語力だった。英会話の大切さは、結局息子には伝えられなかった。かと言って、孫に使える事は無理だろう。
グローバルな人間、そして、近隣諸国との外交について、新聞記事を読むのとは違って、考えさせられた抄録である。
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