シングルマザーの貧困を地方移住で解決
今日(2016/10/29)の読売新聞夕刊に、シングルマザー等への移住呼びかけの記事があった。
「ひとり親世帯移住促進…自治体、養育費など支援
都市部で子育て中のシングルマザーなど「ひとり親」世帯に向けて、移住を呼びかける地方自治体が増えている。
各自治体は就職先の紹介、養育費の助成、資格取得の手伝いといった独自の支援メニューを用意。介護職員や保育士など、人口減少が進む地方で不足しがちな人材を確保する狙いがある。
読売新聞の調べでは、少なくとも11自治体が実施している。きっかけは、島根県浜田市が昨春から始めた取り組み。移住し、市内の介護施設で勤務することを条件に、ひとり親世帯への養育支援金などを支給する事業を打ち出した。1年半で、大阪府や神奈川県などの母子家庭7世帯15人が移住した。
同市は転居費などの支度金として30万円、1年勤務した後は奨励金100万円も支給。車がない人には中古車も無償提供する。市政策企画課は「これからの地元の介護サービスを担う貴重な人材。まちの魅力を知り、ぜひ定住してほしい」と期待を込める。
大分県国東市くにさきしや長野県須坂市など、職種にこだわらず受け入れる自治体も登場している。
今月8日には初の合同相談会が大阪市で開かれ、11自治体のうち新潟県や三重県鳥羽市など9自治体が移住のメリットをアピールした。来場したひとり親たちは「雪は多いのか」「交通の便は」などと担当者に熱心に質問していた。
一方、自治体関係者によると、受け入れが決まった後、途中で辞退するケースも少なくない。定住につながる人材をどう見極めるかが課題という。厚生労働省によると、2011年の全国のひとり親世帯は約146万世帯。1993年に比べ5割増えている。
30日には、東京都豊島区のサンシャインシティでも相談会が開催される。浜田市や須坂市のほか、山形県、長野県など計8自治体が参加する。午前11時~午後4時。事前申し込みは不要。」(2016/10/29付「読売新聞」夕刊p11より)
この話は、前に聞いたことがあり、素晴らしい取り組みだと思っていた。
子どもの貧困、特にシングルマザーの子どもの貧困は大きな社会問題。離婚や死別による、父親という働き手を失った家族は、母親がすべてを背負い込むしかない。
そして、家事・育児と、仕事のはざまで、もがき、毎日の子どもの食事もままならないケースもあるという。
そんなひとり親世帯に対して、こんな自治体の取り組みは、朗報かも知れない。移住して働きさえすれば、そして現在の生活を捨てることが出来さえすれば、ささやかかも知れないが、安定した生活が手に入る。
こんな取り組みを、困っている人は、どう見るのだろう。
「受け入れが決まった後、途中で辞退するケースも少なくない。」という現状からすると、見も知らぬ土地への移住は、そう生やさしいことではないらしい。
住宅を売りに出すと、そのほとんどは、近くの人が買うという。生活保護を受けたりしている人も、高い家賃を払いながらも、住み慣れた土地から動こうとはしない。アパート代が安い田舎に移住する事までは考えない。つまり、自分が長年住んだ生活圏は、それほど人にとって重たい。
一方、定年退職を機に、田舎に移住する人もいる。よくテレビに出てくるが、それはそれで田舎の生活習慣や、近所付き合いは、都会の文化と違っていて大変らしい。
まあこれはある意味“贅沢な選択”なのだが、シングルマザーが子どもと一緒に“食っていく”という厳しい状況に置いては、そんなことも言っていられない。
DVなどで、現在の土地から逃げたい人にとっては、遠い場所でもOKかも知れない。
自分の近くにそんな人がいるワケではないが、“子どもに食べさせる”という、親として最小限の責任も果たせそうにない人にとっては、一度は「こんな方法もある」ということを知って欲しいもの。
この新聞記事(紹介記事)が、直ぐに消えてしまうのが惜しいので、ここにピンで留めておきたい。
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