第47回(2016年)日野市民合唱祭に行く
今日は、カミさんの友人からの誘いで、日野市の合唱祭に行ってきた。場所は、日野市役所隣の「ひの煉瓦ホール」。 午後1時開演とのことで、少し前に行ったが、駐車場は余裕。会場も、それほど混んでいなかった。貰ったプログラムを開くと、27の団体の合唱である。場内アナウンスは「写真は周りの迷惑にならないように」とのこと。撮影OKらしい。
初めに開会挨拶のあと、全員合唱で「花は咲く」。知らない歌だったが、ワンテンポ遅らせて、周囲の音を聞き取りながら、歌ってみた。
「・・・花は 花は 花は咲く いつか生まれる君に 花は 花は 花は咲く わたしは何を残しただろう・・・」
ふと見ると、隣でカミさんが泣いている。歌詞を読みながら、泣けてきたという。まあ東日本大震災を思いながら歌うと、色々連想して涙が出るか・・・。自分は?というと、歌詞は右から左なので、無反応・・・!?
夕方5時半まで、一通り聞いたので、その中から気になった演奏を、メモしてみる。
2番目のシェーネル・エコーという混声合唱団。男性は年配者ばかり。そのせいか、合唱は落ち着いた演奏。つまりオトナの演奏といったところ。34名というから、今日の演奏団体では最大級。後から人数の少ない団体がたくさん出て来たが、やはり合唱は人数が必要だと思った。それでないと合唱に厚みが出ない。それに、少ないとピアノ伴奏に負けてしまう。
圧巻が、 7番目に出て来た「都立日野台高校コーラス部」。実は、高校生が最もレベルが高いだろう、と思っていた。練習の密度が、たぶん違う。人数を数えてみたら、女子19名に男子8名。
この演奏が、自分の予想に違えず素晴らしかった。プログラムに「第83回NHK全国学校音楽コンクール予選では銀賞を受賞することができました。」とある。市民合唱祭に参加するのは今回が初めてだというが、男声も存在感があり、「ずいずいずっころばし」に続いて歌った「怪獣のバラード」の歌に合わせての行進もテキパキと決まっており、訓練の賜だと思った。
そしてアレッと思ったのが21番の日野三小コーラス「コール日野台」。てっきり小学生による児童合唱だと思っていたら、“立派な”女性コーラス。少年野球のコーチと同じで、子どもが小学生の時に参加して、卒業してもそのまま? いやいや、それにしてはレベルが高い。もし子供と連動していたら、子供の卒業とともにメンバーが交替することになり、合唱団のレベル維持は大変だろうと思った。
ついでに、カミさんのコメントも載せると、“泣いた”のが、5番目の児童合唱団「こんぺいとうの空」。子どもが生き生きしていたのに感動したという。そして上にも書いた7番の「都立日野台高校コーラス部」。舞台をいっぱいに使って、若々しい演出をしていたのが素晴らしく、感動して涙が出たという。
そして15番の「コーラス・バーバラ」は、若い指揮者だったが、「いい日旅立ち」「365日の紙飛行機」という選曲も分かり易く、暖かい感じがしたという。
そして18番の「百草フラウエンコール」は、衣装の赤がとても美しく、耳慣れたナポリ民謡が楽しかった。そしてプログラムに書かれていた「おいしい声」とは何だろうと思いながら聞いたという。
話は戻すが、合唱の内容は様々。たぶん団体結成のコンセプトの違いだろう。8番目の「三世代で歌う合唱団」という老若の演奏もあれば、9番目の「ロゼ室内合唱団」のような、プロ合唱団のように「詩編」という難しい曲を演奏する団体もある。つまり、歌うことを楽しむ合唱団と、コンサートの開催やコンクールに出席することを目的として、レベルの向上を目指す団体とに分かれるような気がした。
そんなことを考えて聞いていたら、素晴らしいアンサンブルの合唱団があった。17番の「花野会」という24名の女性合唱団である。歌ったのが耳慣れたタンゴ。結成38年という。なるほど・・・。歴史もある。その一糸乱れぬ演奏に、参った。 そして、同じような素晴らしい演奏を最後に聞いた。27番目のトリが「コーラス・ピーカブー」という、これも16名の女性合唱団だった。この合唱団も、結成26年だという。プログラムを見ると、上の「花野会」と、5月にジョイントコンサートを開いたという。指揮者も押切貞子さんという同じ方だ。なるほど、指揮者の指導の賜か、両方とも同じくらいにレベルが高い。
合唱は指導者が要。指揮者によって、合唱団は大きく化ける。今日の指揮者も皆プロらしい。プログラムを見ると、3つの合唱団を指揮した方も居られる。
そして、「ママさんコーラス」という言葉があるほど、女性が多い。今日の団体を分けると、女声13、男声2、混声8、児童生徒4という感じか・・・
そして混声も、どの団体も、ほぼ1:2で女声の勝ち。唯一、26番の「明星大学混声合唱団」が、何と女声2名に対して男声9名。大学も混声合唱は女声の天下と思っていたが、この団体だけは違っていた。まあ男声1名という団体もあったが・・・
それと衣装のキレイなこと。もちろん女性の衣装だが、団体毎に実にカラフル。統一された衣装は、見ているだけで歌も上手に聞こえてしまう。そして、カミさんが「一番キレイ」と評したのが23番の女声コーラス「青い鳥」。他に比べるとややおとなしい衣装だが、その落ち着いた装いは、結成37年という歴史もダテではない!?
ともあれ、ひょんなことで色々な合唱を聞いてしまった。繰り返すが、やはり合唱には厚みが欲しい。つまりは、人数。しかし、人口18万の日野市に、合唱祭に参加する合唱団が27もある。これでは練習場所の確保も大変だろう。でも、それぞれ皆違うコンセプトで、楽しく歌っているのだろう。
前にも書いたが、自分も大学の時に混声を1年、男声(グリークラブ)を1年やったことがある。そして、会社に入って、1972年の暮れに外山雄三/新星日本響で原語で第九を歌ったことがある。それからは、もっぱらCDで聞くだけ。
合唱の世界も、「時代」があるらしい。自分が聞いてきたのは、石井歓、佐藤眞、清水脩、多田武彦、高田三郎といった“昔の”作曲家の作品。
今日の演奏には、唯一、佐藤眞の「旅」から1曲出ていたが、それ以外は、“昔の”作曲家の作品は皆無。聞いたことが無い曲ばかり・・・。よって頭に余り入らない。
つまり、フォークソングや、歌謡曲同様、自分には新しい時代の作品はフィットしないようだ。
会場を出ると外は真っ暗。日が暮れるのも早くなった。冬も近い。
合唱団の現状も全く知らないまま、突然飛び込んだ合唱祭。よって、全くの予断無しで聞いた素人の感想を勝手に綴ってしまったが、それほど印象の深い時間ではあった。
こんな世界も身近にあるのだと感心・・・。そのうち、どこかの玄関を叩くかも!?
皆さんお疲れさまでした。
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コメント
エムズの片割れ様
失礼ながら 冒頭微笑ましく思えました。
沢山の曲をアップなさってる貴方様らしくもない。「花は咲く」は名曲です。
歌詞も泣けるが曲の素晴らしさが情感を深めています。奥様エムズさんと私はとっても感性が一致してます。
因みに 現在「花は咲く」ピアノの課題曲です。結構難しい。何せ四捨五入して70歳の手習いですから、楽譜も4ページ~しかも繰り返しがあるので実質5ページ以上。
弾いていても酔えます。下手ながら~
合唱~男性の声が混じると重厚になりますね。
当地でも先週 地域のコーラスの交流会がありました。「ママさんコーラス」が「ババさんコーラス?」に進化してました。
高齢の方の生きがいになってるようですね。
私は音痴なので聴くのみです。
【エムズの片割れより】
そんな有名な歌でしたか。どうりで皆が立派に歌っていました。
投稿: りんご | 2016年10月24日 (月) 09:00
追記
シューマンの「流浪の民」
落葉松』 野上彰・作詞 / 小林秀雄・作曲
合唱曲では以上をこよなく愛しています。
ソロでも「落葉松」は好きな曲です。
ソプラノより バリトンが心に響きます。
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投稿: りんご | 2016年10月24日 (月) 09:06
エムズの片割れ 様
実は同じ日に小生も演奏会に参加して来ました。
20名程度の混声で、モーツアルト、フォーレの2曲歌ってきました。
以前は佐藤真、多田武彦、高田三郎等の曲を歌うこともありましたが、最近は指揮者の先生が編曲をした曲や、先生の作曲した曲を歌うことが多くなりました。
小生はテノールなのですが、年と共に出せる最高音が1~2音ほど下がってしまい色々トライしていますが、無駄な抵抗のようで、フェードアウトする時期なのかもしれません。
【エムズの片割れより】
それはお疲れさまでした。
合唱を楽しむことが目的なら、ちょっとくらいの“加齢”は見ないことにして!?
まあ、音が取れなくなると、周囲の迷惑になりますが・・・ね。
投稿: 大手街 | 2016年10月26日 (水) 23:18
間違えました。
モーツアルトではなく、バッハでした。
やはりフェードアウトコースのようです。
投稿: 大手街 | 2016年10月27日 (木) 10:19