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2016年9月20日 (火)

PKO海外派遣に対する現役自衛官の本音~「報道ステーション」より

安保法成立から1年。いよいよ動き出した・・・
昨夜のテレビ朝日の「報道ステーション」(2016/09/19放送)で「「安保法」成立から1年・変質するPKOの“現実”」というタイトルで、現役自衛官の本音が語られていた。
この発言は、まさに今まで皆が予想していた言葉だった。「そうだろうな・・・」と思ったが、この発言内容は、せめて当サイトに永く留めておきたい。

<現役自衛官の本音~「報道ステーション」(2016/09/19放送)より>

「安保法成立から1年。では実際に派遣される側の自衛官はどんな思いなのか。現役の自衛官に話しを聞いてきました。

“やっぱりイメージがわかない。(自衛隊に)入ったときの約束は、国民を守るためが1番。大規模災害で支援して、国民から「ありがとう」と言われるのが一番モチベーションが上がる。だけど駆けつけ警護は(対象が)日本人の人たちでないし、日本の土地でもないし、何をしにわざわざ行くのか。”
安保法成立後、海外派遣についてアンケートを取らされたといいます。三択しなかない。①熱望する ②命令とあらば行く ③行かない ③「行かない」も○をつけたら、後から上司に呼ばれて「何で行けないんだ」と。結局延々と問い詰められたから、じゃあ②「命令とあらば行く」でいいですと。半強制的に変えられたアンケートが、「自衛隊の意識は高い」と発表されても、違うんだよなと。”

本音は別にあると?
“全然違いますよね。たぶん何かあったときには、家族にこのアンケートを見せるのかなと。「本人は希望していました」と。何かあった時の逃げじゃないけど、それが見えてすごく嫌です。
「家族が(いる)。だから俺はいけません」と頑(かたく)なに断った先輩がいた。そうしたら、その先輩は僻地のほうに転属とか、単身赴任で飛ばされるとか、よく分からない人事がある。
幹部の人たちの中にも、私たちの前では「(海外派遣)行くよ」と答えるが、お酒の席で話す時は「行かねえよ」と。
・・・・
(自衛官の)誰かが犠牲になって死なないと、この安保が駄目なのか良いのか、もう一度議題に上る事は無いのかなと。”・・・」(
2016/09/19放送 TV朝日「報道ステーション」から)

この現役自衛官の本音は、「政府が『右』と言っているものを、われわれが『左』と言うわけにはいかない。」というNHKでは、絶対に報道しないものだろう。
「NHKスペシャル 現役自衛官の本音~海外派遣」という番組でも放送されれば、自分はNHKを見直すのだが・・・

ついでに、今日の朝日新聞の夕刊に、こんな記事があった。
駆けつけ警護に即応チーム 陸自、設置方針 南スーダンPKO
 陸上自衛隊が、南スーダンに派遣する国連平和維持活動(PKO)部隊に安全保障関連法に基づく駆けつけ警護などの新任務が付与された場合、それに対応する即応対処チーム(QRF)を部隊内に設けることがわかった。機関銃や小銃で武装した隊員を中心に医官、救急救命士なども加えたチームにするという。
 南スーダンの部隊は約350人。道路補修などを担う施設隊員が中心で、ほかに宿営地内外を警備する隊員らで構成されている。政府は11月以降に現地入りする次期派遣部隊に新任務を付与するかどうかを、来月にも判断する見通しだ。
 陸自関係者によると、QRFは40~50人程度。国連やNGOの職員らが離れた場所で武装集団に襲われた際、武器を持って助けに行く駆けつけ警護や、他国軍と共同で行う宿営地警備を担う。負傷者の応急処置をする医官や司法警察官の資格を持つ警務隊員もチームに加わり、交代で24時間態勢で警戒に当たる。
 陸自幹部は「現場に急行して敵を攻撃し、駆逐できる高い戦闘能力を持たせる」としており、今後、南スーダンの市街地を模した演習場内の施設などで訓練を重ねるという。
 QRFは、2004年に始まったイラク復興支援活動で、テロリストの襲撃などに備えて初めて組織された。機関銃や無反動砲などで武装した隊員ら約30人で1チームを編成し、緊急出動に備えて8台の装甲車両に分乗し待機していた。
 自衛隊の海外の任務では、正当防衛や緊急避難の場合にのみ相手に危害を与える射撃が認められている。イラクでは武器使用基準を緩和し、停止命令を無視して進む自爆テロの恐れがある車両や、ロケット砲を発射しようとする武装勢力に対しては、相手の攻撃がなくても危害を加える射撃を認めた。南スーダンでもイラク派遣時と同様に、武器使用基準を緩和することを想定している。(谷田邦一)」(
2016/09/20付「朝日新聞」夕刊p1より)

選挙が終わって、まさに「いよいよ」である。

そう言えば、この自衛隊の海外派遣に対し、先日当サイトに「今から「世界の戦争に志願」する人を募っておいたらどうだろう。自衛隊内で、「そんなことは約束して入っていない」という雰囲気になれば、志願者は極小だろう。すると、政府はどうするのか・・・」(ここ)と書いた。それが大きな間違いだった。
自衛隊員と言えどもサラリーマン。上司の命令には従わないと、飛ばされる。自由意志など無いのだ。たぶん、福島原発に派遣されるサラリーマンも同じなのだろう。会社から、“自由意志での”アンケートで、「原発の作業に従事しますか?」と聞かれて、「熱望します!」と書かされているのだろう。

直ぐに忘れる日本国民。やはり先の自衛隊員が言うように、誰かが戦地で戦死して、初めて安保法案の現実に意識が向くのだろう。それで政府の支持率の低下に結びつくのかどうか・・・

(付録~当サイトお薦めの番組)
「ザ・ベストテレビ2016」
ここ
第1部[BSプレミアム]2016年9月25日(日) 午後0:45~午後4:58(253分)
▽午後0:50ごろ~民放連賞テレビ報道番組「奥底の悲しみ 戦後70年引揚げ者の記憶」(山口放送)
▽午後1:58ごろ~ATP賞「NHKスペシャル いのち 瀬戸内寂聴密着500日」
▽午後3:00~民放連賞テレビ教養番組「TUFルポルタージュ ふつうの家族 ある障がい者夫婦の22年」(テレビユー福島)
▽午後3:59ごろ~放送文化基金賞「民教協スペシャル しあわせ食堂 笑顔と孤独と優しさと」(青森放送)

第2部[BSプレミアム]2016年9月26日(月) 午後0:45~午後4:15(210分)
▽午後0:51ごろ~“地方の時代”映像祭賞「ウォッチン!プラスSP 海風に舞う 石巻・十三浜 神楽とともに生きる人々」(東北放送)
▽午後1:54ごろ~ギャラクシー賞「報道ステーション 特集ドイツ・ワイマール憲法の“教訓”」(テレビ朝日)
▽午後2:33ごろ~文化庁芸術祭賞「ETV特集 薬禍の歳月~サリドマイド事件50年」(NHK)

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(「ザ・ベストテレビ2017/2018」も同様です)

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