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2016年8月20日 (土)

Panaのブルーレイレコーダの温度をヒートシンクで4割下げた話

先日、パナソニックのブルーレイディーガDIGA(DMR-BRX7020)を買ったが、筐体の温度上昇が気になり、ヒートシンクとアルミ板で、7℃(31%)(⇒最終的には8.3℃(37%))下げることが出来たので、今日はその話。

先日、「Panaのタイムシフトレコーダー「DMR-BRX7020」が素晴らしい」(ここ)という記事を書いた。
そこでも書いたのだが、筐体の下面と背面が異様に熱い。触るとヤケドするほど。
ノートPCは、発熱する底部をわざと直接机に触れさせ、熱を逃がす設計をしている。しかしこのレコーダーは、低面の板に熱を逃がし、それを自然空冷で放熱する設計らしい。しかし、背面のファンからの空気が底面を流れるとは言え、底面の熱を他に逃がしたやりたくなった。
Panaの設計を尊重すると、「底面から空冷」なので、底面の熱を逃がす方法を考える。背面は底面からの影響と考える。
1608002heat 検討したのは、アルミ製のヒートシンクとアルミ板。材質はアルミが一番。アルミは銅に次いで熱伝導率が良く、電子機器のヒートシンクは皆アルミだ。
筐体の下部の熱をヒートシンクで吸い取って放熱し、加えて下に敷いたアルミ板で放熱することを考えた。
そして、まずAmazonで色々見て、12cm×10cm×1.8cmのアルミ製のヒートシンクを4つ手配した。(送料無料で購入時@514円。現在は @436円ここ
先日それが着いたが、なかなか宜しい。

測定方法は、手元にあったSATO製の室内外デジタル温度計(PC-6800)(ここ)を使う事とした。
室外用の熱電対を、筐体の下部にガムテープで留めた。レコーダの状態は、電源を切ってチャンネル録画(10ch)だけをしている状態に統一。
やったことを順番にメモしてみる。

1)まず、ヒートシンク4つを並べ、その上にレコーダーを置いてみた。しばらく置いておくと、160820pana1 ヒートシンクがチンチン。つまりは底面の熱が逃げている。
この時の周囲温度は28.9℃、筐体下部の温度は49.6℃だった。

2)上のように、ヒートシンクを4つ並べると安定は良いが、レコーダーを裏返してみると、レコーダーの底面の形状から、4つ全部は底面に直接当たらないことが分かった。後部に2つ置くのが、ちょうど発熱部に直接当たるので都合が良い。しかし、後の方160820pana2 だけのヒートシンクでレコーダーを支えるので安定が悪い。しかし4つを発熱部に直接当てるためには、熱伝導シートか熱伝導グリースを間に付けてやる必要があるがが、セットにはグルースを塗りたくないので止めた。
よって、ヒートシンクをせっかく4つ買ったので、2段重ね、レコーダーの後方の発熱部にピッタリ当たるように置いた。上の段で受けた熱を下の段のシンクに伝えて、2段で放熱する。それに下の空間が広くなって、より空気の流れが良くなる。
こうすると、周囲温度が28.8℃で、筐体下部の温度は46.7℃になり、3℃近く下がった。なるほど、これは良い。

3)次に、下のヒートシンクの熱を、アルミ板で逃がしたらどうなるかを調べてみた。手元に、160820pana3 アルミ製のノートPCの置き台があったので、それを利用してみた。大きさは、31cm×25cm×2mmである。
下にアルミ板を敷いた結果は、周囲温度29.0℃、筐体下部の温度は44.6℃となり、アルミ板を敷いた効果で2.1℃下がった。
(なお、チャンネル録画を10ch⇒5chにすると、42.7℃だった。内部の処理量によって、当然、発熱量は変わる。)

4)これ以上の手は無いので、今度は順番に抜いて行く。ヒートシンクを2段から1段に減ら160820pana4 してみた。アルミ板はそのままである。すると、周温29.1℃、筐体下部の温度は46.1℃となり、1.5℃上昇した。つまり、2段の方が良い。

5)次にその状態で、アルミ板を抜いてみた。
160820pana5_3 すると、周温28.7℃、筐体下部の温度は49.1℃となり、3.0℃上昇した。
やはりアルミ板は敷いた方がよい。

6)最後にヒートシンクを抜いて、通常の状態にした。すると、周温29.0℃で、筐体下部の温160820pana6 度は51.5℃となった。これがPanaの設計値。つまり、筐体の底面は周温に対して、22.5℃高い設計なのである。

以上の結果から、10chのチャンネル録画時、ヒートシンクを2段重ねて底面の後に2組み置き、下にはアルミの板を敷くことで、6.9℃下げることが出来た。(本来は、周温からの差で評価するべきだが、ここでは無視している。またヒートシンクと、筐体またはアルミ板との間は、熱伝導シートや熱伝導グリスで埋めるのが普通だが、今回は汚れるのがイヤなので使っていない。)

160820heat2_2
ヒートシンクだけでなく、アルミ板の効果も確認できたので、改めて30cm×40cmのアルミ板を手配することにしよう。
熱容量からすると、アルミ板は厚い方が良い。

なお今回、ヒートシンクを購入した店は、値段は安いが(国内の店で買うより半値)、北京の店からの発送なので、注文してから着くまで、2週間弱かかった。それに、着いたシンクは傷だらけで何の梱包もなく、裸だった。まあ、機能に問題はないので、気にしないが・・・。

この方法は、メーカーがどこであれ、筐体の下面から放熱される設計のセットには応用できる。まあ、7℃下げたからと言って、機器の寿命にどれだけ影響があるかは分からない。しかし自分は、「セットの温度は低いに越したことはない」と“思い込んで”いるので、この処置をした。自分的には、22.5℃⇒15.5℃に、31%発熱を下げたことには意味があると思うのだが・・・。
3千円の温度対策ではある。

(2016/09/16追記)~ヒートシンク3段積みで筐体底面の温度は4割ダウン
現役時代、電気メーカーで電子機器の開発をしていた頃の「温度試験」を思い出して、もう少し頑張れないかと考えた。
シャーシの底面をよく見ると、発熱部のへこんだ部分は、横が21センチ、奥行き方向が18センチほどだ。理想は、この発熱部分全体にヒートシンクを当てて、熱を逃がしたい。
一方、今回使ったヒートシンクは、横10センチ×縦12センチ×厚さ1.8センチのもの。
もし12センチを半分の6センチずつに切断できれば、12+6=18センチで、理想的。底面の発熱部分全体にヒートシンクを当てることが出来る。そして横方向は10センチを二つ並べても21センチに十分入る。
1608200 試しに、ホームセンターで、アルミ用の金鋸の歯と、金鋸を600円弱で買ってきて、切断を試みた。すると1時間弱で2個を6センチずつに切断できた。
よし、試してみよう。とAmazonから前回と同じ中国の通販会社に同じヒートシンクを2個追加発注。
しかし、これが届かない。発注から21日目の昨日、やっと届いた。しかも、届いたものは、前の物に比べて厚さが0.6mmほど薄い。つまり、それを2段重ねて使うと、1.2mmほどの段差が出来てしまう。
仕方がないので、下に1.5mmほどの鉄の小さな板を敷いて、調整した。

1608201 それで試してみた結果、奥行き方向の12+6=18センチにしたものを横に二つ並べたのだが、何と悪化! 44.6℃から45.6℃と、1度も“悪化”してしまった。
原理的には、放熱部全体にヒートシンクを当てているので、効率は良くなるはずだが、ヒートシンクの厚さが同じでないため、底面にピタッと当てることが出来ず、かえってスキマが生じたのが原因と判断。(ヒートシンクを買う時は、一度で発注する事が必要。原理的にはこちらの方が良いと思うのだが・・・)

1608204 元に戻しても今回買ったヒートシンクが勿体なので、3段に積み上げて実験してみた。その結果、43.2℃、つまり、2段から3段にしたことで、今までの44.6℃から1.4度下げることが出来た。
前のデータを見ると、2段と1段との差は1.5度。まあ同じような効果だ。
結論として、これで行くことにした。

1608205 なお、3段に重ねた2つのヒートシンクの位置は、下部のシャーシで、くぼんだ横21cm×奥行き18cmの部分の、左側は一番左で一番後に、右側は一番右で、後ギリギリから2cmほど前にした。発熱部は後のため、両方ともなるべく後が良いのだが、セットの安定性のために、右のヒートシンクは少し前にした。とにかく、底面の発熱部分にピタッとヒートシンクが当たることが大事。レコーダーを揺すってみて、ガタガタするようだと、ちゃんと当たっていない。
1608206 繰り返すが、本来の使い方は、発熱部とヒートシンクの間に、熱伝導シートか熱伝導グリースを挟むべき。しかし自分は、セットを汚したくないので使わなかった。よって物理的に、底面発熱部とシンクの表面をピタッと設置することが必須!!!
また、3段に積んだヒートシンクは、それぞれずれないため、境目を細く切った紙のガムテープで止めた。大きく切ったガムテープだと、放熱に影響が出るかと思い、最小限に小さく切った。熱い部品を止めるのだが、意外と紙のガムテープは良かった。セロテープや布のガムテープは、熱に弱そうなので試していない。

なお、温度計の下の値は、温度計周辺の温度。つまりレコーダーからの排気風まで含めたレコーダーの周温であり、部屋の温度ではない。そして評価は、周温との差を見なければいけない。
つまり、何も対策をしなかった場合は、51.5℃-29.0℃=22.5℃の温度上昇。ヒートシンク3段積み+2mmアルミ板では、43.2℃-29.0℃=14.2℃の温度上昇。つまり、この対策によって22.5℃-14.2℃=8.3℃下げることが出来た。率にして37%、約4割である。もちろん温度は常に微妙に変化しており、目安である。
なお、この状態はあくまでも“チャンネル録画10CHの電源OFF”の時であり、同時に通常録画など他の動作をしている時には当然温度は上がる。

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コメント

年末にBrx7020購入しまして、記事をそのまま参考にさせていただきました
まだ効果を実感する季節ではないですが、夏が楽しみです
ありがとうございます

【エムズの片割れより】
久しぶりに筐体の底を触ってみましたが、熱くないですね。冬のため、室温が15~20程度なので、問題なし。
メーカーは当然、仕様の周囲温度5~40℃で設計をしているので、何もする必要はないのですが、まあ、「発熱は逃がせるに越したことはない」ので、対策してみました。
夏になって、(お風呂と同じで)43℃を越えると、熱いと感じるのでしょうね。

投稿: kj | 2017年1月11日 (水) 09:22

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