子ども食堂の元祖?~「広島のばっちゃん」中本忠子さんの話
またまた子ども食堂の話である。
実は最近、子ども食堂の話を聞いたり読んだりするにつけ、自分が子ども食堂について知ったのは、NHKラジオ深夜便の番組だったことを思い出した。歳の行かれたおばあさんが、個人的にだいぶん前から行っており、その話の中で、メインのメニューがカレーで、子どもがたくさん来ると、薄めて食べさせているという話が記憶に残っていた。
それで、何とか見つけ出したのがこの音源。2016年1月20日午前4時放送の「NHKラジオ深夜便~ばっちゃんと食べて話そう 元保護司 中本忠子」だった。
<NHK「ばっちゃんと食べて話そう 元保護司 中本忠子」から>
中本忠子(ちかこ)さんをNetで検索すると、色々と出てくる。最も詳しいのが(ここ)のサイト。
ここにはこう紹介がある。
「広島・基町の「ばっちゃん」こと中本忠子(ちかこ)さんは、広島の元保護司です。中本さんは毎日、市営住宅の自宅で 多い時には3 升の米を炊き、小学生から21歳までの少年たち3〜10人に無償で食事を提供しています。 「広島のマザー・テレサ」と呼ばれている81歳の中本さんは、この「できたての食事」で30年以上にわたり、200人以上の子どもたちを支え続けてきました。」(ここより)
昨日(2016/07/02ここ)の朝日新聞の記事によると、子ども食堂の「近年の開設数」は、2009年の1カ所から始まっている。これが今に至る子ども食堂の姿だとすると、中本さんが30年以上前から始めたという自宅を開放してのこの活動は、まさにその先駆けの活動だった、ということになる。
Youtubeでも、かつての中本さんの活動を紹介するテレビ番組を見ることが出来る。(ここより)
また(ここ)の番組でも詳細に見ることが出来る。
この中で、中本さんの次の言葉が印象に残る。
「満腹になると子供達は気持ちが落ちつき、いらいらしない、切れない。切れる子というのは大体空腹で、お腹がすいていると犯罪に結びつく」
中本さんの原点になっている、中本さんのお父さんの言葉は、「人間の優しさって言うのは見返りを求めたらいけない。見返りを求めるのは優しさじゃない」
中本さんの「食べるのが一番」という信念は、まったくその通りだと思う。
次の世代を担う子どもたちを育てるのは、社会の責任。北欧のスタンスがまさにそうだ。
木訥(ぼくとつ)として何の見返りも求めず、30年以上に亘って毎日食事を提供してきた中本さん。それがどれだけの“子どもたちの人生”を救ったことか・・・。頭が下がる。
改めて、非常に心に残る話であった。
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