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2016年4月20日 (水)

芸大が国宝やゴッホなどの「クローン」を製作

先日聞いた、NHKラジオ深夜便「【私のアート交遊録】日本画家・東京芸術大学大学院教授 宮廻正明」(2016/04/14am1放送)で、芸大で、国宝やゴッホの絵などのクローンを作っているという話を聞き、これは面白い!と思った。

<「私のアート交遊録 芸大院教授 宮廻正明」より>

この話についての記事をNetで検索してみた。それで見付かったのが、(ここ)の記事。

先端技術・伝統技術の融合による国宝 法隆寺釈迦三尊像の再現プロジェクト、仕上げ前の中尊・台座を3月21日(月・祝)にお披露目
~産学官・地域間連携により、日本の芸術文化と地域の伝統技術を同時発信~

 富山県高岡市、南砺市および東京藝術大学は平成27年度、産学官連携で国宝 法隆寺釈迦三尊像(以下、「釈迦三尊像」)の再現に取り組んできました。このたび、高岡市(伝統160420geidai3 工芸高岡銅器振興協同組合)および南砺市(井波彫刻協同組合)での工程が3月下旬をもって終了し、3月21日(月・祝)に高岡市で開催するフォーラムにおいて一部公開されますので、お知らせします。
 本取組は東京藝術大学が法隆寺様ならびに文化庁より特別に許可をいただき、釈迦三尊像の高精細な3Dデータを取得し、これにより3Dプリンターで作成された原型を用いて、高岡市および南砺市の伝統技術(鋳物、彫刻)を活用し再160420geidai31 現制作をしているものです。地域間だけでなく大学とも連携したプロジェクトにより、学術的な最新研究成果と長い年月で培われた職人の経験と感性が相互に補い合い、より高いレベルでの歴史的資産の再現につながっています。
160420geidai1  釈迦三尊像の再現物は来年度以降、東京藝術大学にて最終仕上げを行い、平成28年秋ごろの完成後、国内外での展示を予定しています。この事業により、普段、法隆寺から出ることのない貴重な国宝の忠実な再現物が外で見られるようになるだけでなく、当事業の推進協議会としては、日本の芸術文化の魅力や伝統技術の高さを今後国内外に広く発信し、歴史的資産等の再現・修復の需要を取り込むことで、高岡地域のしごとづくりに結び付けていくことを目指しています。」(
ここより)

釈迦三尊像を忠実に再現 高岡で複製公開
 高岡銅器と井波彫刻の匠の技生かす 高岡銅器と井波彫刻の技術を生かして複製中の奈良・法隆寺の国宝「釈迦三尊像」が21日、高岡市のウイング・ウイング高岡で公開され、約300人が伝統地場産業の技術の高さを間近に感じた。3次元データで作られた原型を基に同じ成分の素材を使って忠実に再現する計画で、この技術を生かせば文化財でも複製により手触りまで楽しめるようになる。
160420geidai4  複製は、高岡、南砺両市と伝統工芸高岡銅器振興協同組合、井波彫刻協同組合、東京芸術大が産学官連携事業として昨年11月から取り組んでいる。
 釈迦三尊像は飛鳥時代の623年に作られたと伝わる。高さ87・5センチの釈迦如来像と両脇の脇侍像で構成され、法隆寺の金堂に安置されている。東京芸術大が今年1月、釈迦三尊像の3次元データを基に、3Dプリンターで原型を制作。高岡銅器振興協同組合が鋳造し、銅合金の像に仕上げた。井波彫刻協同組合がヒノキとクスノキで台座を作り、ハスの模様を施した。
 この日は釈迦如来像と樹脂製の原型、脇侍像、木製台座などが組み立て前の状態で披露された。今後、東京芸術大に運ばれ、経年による変化を再現する作業が行われる。2016年度中に公開予定で、17年度には国内外での展示が計画されている。
 複製事業に取り組む推進協議会によるフォーラムもあり、協議会長の高橋正樹高岡市長と田中幹夫南砺市長らのパネルディスカッションや、東京芸術大の伊東順二、宮廻正明両教授による講演があった。」(
2016/3/21付「北日本新聞」ここより)

160420geidai5 それから、上の話に出て来たオランダのゴッホについても(ここ)に記事があった。

初めは話が分からなかったが、聞いてみてナルホドと思った。
釈迦三尊像については、3Dプリンターで再現した原型から、銅の像を造り、それを芸大のアナログ技術で、オリジナルとそっくりに再現するという。
160420geidai2 そして同じくゴッホなどの絵画は、絵の具の化学分析を元に、同じ画材を使い、やはりその油絵のデコボコを再現して、同じ物を作るという。
そして、この活動は、保存と公開という矛盾する課題を解決できるという。

昔から名作の贋作の話はよくあった。この放送でも、ホンモノとの見分けは化学分析に頼っていると言っていた。芸大の活動は、まさに最先端技術を使った最高の贋作、いやレプリカ、いや「クローン」なのだ。確かに「クローン」と聞くと前向き。

そもそも自分などは高度な見分けも出来ない。
こんなレプリカが出来れば自分も、生きているうちに、“人類の珠玉”と会える日が来るかも知れない。

そう言えば、レプリカの名門である鳴門の大塚国際美術館(ここ)。いずれ行こうと言っているが、いっこうに実現していない。日本一入場料が高い(3240円)というので、さぞ見応えがあるのだろう。
芸術オンチの自分だが、足腰が動く内に、出掛けなくては・・・!

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