子どもの教育にバラマキを!~大学授業料の推移
だいぶん前だが、「朝日新聞」の「天声人語」に、こんな記事があった。
「いかにも愚問であった。北欧フィンランドで大企業を辞めて会社を起こした人への取材中。子どもが10人いるというので、「事業に失敗したら教育費はどうしよう、と心配になりませんか」とたずねた。向こうはきょとんとしている。
かの国では教育は大学まですべて無料、大学生の生活費まで出るのだ。出産の時には「育児小包」なる箱が届いて、肌着から防寒着までそろう。子どもは社会で面倒を見るとの考え方が確立している。
そんな話を思い出したのは、国立大学の授業料が16年後に年93万円まで値上がりするかも、との試算を紙面で読んだからだ。20万円もしなかった1980年代初めは遠い昔。北欧の高い税負担を割り引いても、彼我の差にため息が出る。
我が国で所得格差が教育格差に転じていると言われて久しい。4年制大学の進学率は親の年収が1千万円を超えると62%なのに、400万円以下では31%にとどまるとの調査もある。私立中学や塾に行かせられるか否かも大きいのだろう。
「教育を受ければ、もっと社会に貢献できる子がいる。もったいなくないでしょうか」と、NPO法人キッズドア理事長の渡辺由美子さんは言う。高校や大学の受験に向けて学習支援をしているのはそのためだ。学生や社会人がボランティアで教える。
日本でも、子どもたちへの「小包」が要る。詰めるのは、学ぶ場、困難を抱える親への支援、無償の奨学金などか。もちろん、お金はかかる。でも、そんなバラマキなら悪くない。」(2015/12/13付「朝日新聞」「天声人語」より)
ふと、自分の時代の授業料は幾らだったのかと、調べて見ると、うん、確かに年1万2千円だった。
(ここ)によると、
「昭和 40 年度の学費
10 年後の昭和 40(1965)年度になると、国立大の授業料は 2 倍の 1万 2,000 円、入学料は 4 倍近い 1,500 円に引き上げられ、初年度納付金の多くは 1 万円台後半までアップし た。
私立大の授業料は文系 5、6 万円、理系 7、8 万円程度で、入学金は数万円程度。入学時の最小限納入額は、文系で 10 万円程度、理系では 12 万~15 万円程度だった。
因みに、当時の大卒初任給は昭和 30 年が約 1 万 1,000 円、昭和 40 年が約 2 万円で、物価は、ハガキが昭和 30・40 年とも 5 円(41 年は 7 円)、米価(10kg)が昭和 30 年約 770 円、昭和 40 年約 1,100 円だった。」
だという。自分は、まさにこの年代なのだ。
そして現在は、(ここ)によると、
「現在、国立大学の授業料は年間535,800円と決まっています。それ以外の入学金等も含めると、初年度納入金は85万円程度になります。一方私立大学は、大学・学部により大きく異なりますが(一般的には理系学部の方がかなり高い)、平均すると授業料が約85万円、初年度納入金は131万円程度です。」
だという。
グラフが見易い。(ここ)によると・・・
昔は、圧倒的に国立が安かったが、現在は1.4倍程度らしい。
時代が変わった・・・
子どもの教育は、親の教育レベルや所得が大きく影響することは言われている。
そして、カミさんによると、下の子は上の子に大きく影響されるという。つまり、下の子は、上の子を真似るので、上の子が賢いと、下の子も賢くなる・・・
しかし、上の記事にあるように、子どもへの教育機会だけは平等に与えてあげたいもの。北欧の授業料タダという政策は、まさに教育の機会は平等。あとは本人の努力次第。
日本の場合は、シングルマザーの家庭が生活保護を受けるような状態で、機会平等にはほど遠い。
「日本でも、子どもたちへの「小包」が要る。詰めるのは、学ぶ場、困難を抱える親への支援、無償の奨学金などか。もちろん、お金はかかる。でも、そんなバラマキなら悪くない。」という指摘は正しい。
でも今の政権では、そんなことは望むべくも無い。子どもにバラまいても、票につながらないので・・・。
バラまくのなら、「政策よりも懐」を重視する投票率の高い老人層に・・・
さてさて、来年は、“国民”が選挙行動で、どう動くのか・・・。
●メモ:カウント~830万
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