NHK大河ドラマの系譜
今日は5時間位かけて今年の大河ドラマ「花燃ゆ」の総集編を放送していた。ま、自分は見なかったが・・・。
1年前、今年こそ見るぞ、と「花燃ゆ」を見始めたが、早々に挫折した。吉田松陰という人物は良かったし、前に松下村塾に行ったことを思い出して(ここ)、楽しみにしていたのだが、如何せんその妹の立場から見るドラマは何とも歯がゆく・・・。正面から吉田松陰を描いていたら、自分的には良かったのだが・・・
先日、この歴史あるNHK大河ドラマを、時代毎に整理した記事があった。
「(文化の扉)はじめての大河ドラマ 大名も庶民も荒波に立ち向かう
戦国大名から一市民まで、NHK大河ドラマは様々な立場から歴史を描いてきた。視聴者の心をつかんできたのは、時代の荒波を乗り越えようとする男たち女たちの生き方だ。
1作目は幕末の大老・井伊直弼を主人公にした「花の生涯」(1963年4~12月)。同作から「元禄繚乱」(99年)まで9作の演出に関わった元NHKディレクターの大原誠さん(78)によると、当時は映画が隆盛を極め、テレビドラマは「電気紙芝居」と揶揄(やゆ)されていた。この時、NHKの芸能局長が「映画に匹敵する日本一の大型娯楽時代劇を」と発案する。「日本一の役者を集めて(放送時間に)風呂屋を空にしろ」と言われた大原さん。「無謀だった」と笑いながら振り返る。
大手映画会社5社が、所属俳優を他社には貸さないなどと協定を結んだ時代。だが制作陣は映画スター佐田啓二(中井貴一の父)らを懸命に説得し、番組は成功した。
当初、毎年作ることは決まっていなかったが、翌年以降「赤穂浪士」や「太閤記」が人気となって続いていく。今では地元の町おこしにつなげようと、全国各地で誘致運動が盛り上がるNHKの顔といえる番組だ。
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過去作品を時代設定で分けると、最多は「戦国もの」。17作ある。来年の「真田丸」で制作 統括を務める屋敷陽太郎さん(45)によると、戦国は広くなじみのある人物が一番多いという。時代小説や民放ドラマなどでもよく描かれ、石田三成ら天下を取らなかった人物も知られている。
幕末は戦国に次ぐ13作。坂本龍馬や西郷隆盛など著名な人物は多いが、平均視聴率は戦国ほど伸びないと言われている。屋敷さんが作り手の事情を教えてくれた。「戦国と比べると圧倒的に資料が残っていて、話の展開が縛られる。幕末より前の時代は、講談や浪曲など記録に残っていないストーリーを使いやすいんです」
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制作陣は毎作、史実とフィクションの間で悩む。しかし屋敷さんは「歴史ドキュメンタリーを作るわけではない」。記録が多い幕末でも史実のすきまに「人間ドラマとしての深み」を加える。
「新選組!」(04年)初回では、主人公近藤勇が坂本龍馬らと一緒にペリーの黒船を見物する。史実では後に敵味方になる間柄。放送後に「息子が試験で間違ったらどうするんだ!」などと批判の電話が相次いだ。黒船を2人で見た記録は見つかっていないが、当時会ったことを否定する記録も無いという。2人が江戸にいたことなどから、物語の伏線となる象徴的な場面として盛り込んだ。
大河ドラマが半世紀続いたのはなぜか。「時代の困難に大舞台で立ち向かう姿が視聴者に支持されてきたのでは」と大原さん。高度経済成長期には秀吉(65年の太閤記)、経済の低迷期は主君を支える家臣(09年の天地人など)が注目された。来年の主人公は天下統一を目前にした家康が最後まで恐れたという真田幸村だ。(滝沢卓)」(2015/12/06付「朝日新聞」p34より)
この図が気に入った。毎年見ている人は、それぞれが頭に浮かぶのではないか??
そして来年は、真田幸村だという。意外や、ウチのカミさんが見るという。理由は、真田幸村が好きだからだという。
ま、自分も釣られて見ることになりそう・・・
それにしても、NHKの朝ドラは強い。前の「マッサン」もそうだが、歴史上のあまり有名でない人物を捉えて、半年の長丁場を、視聴者を飽きさせないで引っ張って行く。視聴率調査でもいつも1番。
まあ、惰性で見ている人が多いのだろうが、ウチでも、毎朝見ることが習慣になってしまった。たぶん、今後もそうなりそう・・・
我が家も、段々と一般的な家庭での、毎朝と、(日)の夜、になりそう・・・
でも、この歳になると「将来の楽しみ」というのがどんどん減って行く。否、ほとんど無い。
そんな中、テレビドラマで「次回が楽しみ」でも良いではないか・・・
時間の過ぎる速度が異様に速く、とまどう毎日。
ドラマも目の前を異様な速度で過ぎ去って行く。
あと1週間。今年も何をするまでもなく、去って行く・・・。嗚呼・・・!
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コメント
今年の大河ドラマ「真田丸」はごらんになっていますか?関ヶ原と第2次上田攻めが終わって、来週には昌幸も死ぬらしいので、いよいよ終盤にはいるようです。(楽しみにしていた関ヶ原は佐助の報告だけであっけにとられましたが。。)三谷幸喜作・脚本の「真田丸」は、30年前のNHK新大型時代劇、池波正太郎作の「真田太平記」に馴染んでしまった、私のような者にとっては、池波作品のパロディのように見えるドラマで、非常に違和感があります(30年前の放送時は見ていませんが、5-6年前にDVDをレンタルして見たし、原作も読んでいるのでよく覚えているのです)。もっとも、幸村(信繁)という人物は、歴史上実在の人物にはちがいないが、大坂冬の陣・夏の陣で活躍するまではほとんど知られていない人物だったらしいので、池波作品では、その「空白」を埋めるために(?)、お江のような魅力的だが、架空の忍者―池上正太郎の言葉では「草の者」―をたくさん登場させて面白くするという工夫をしています。三谷ドラマでは、信繁が秀吉や石田三成の側近として大活躍。確かに、最近の研究で大坂時代の信繁が「馬廻り役」として1万9000石の大名並みの禄高をもらっていることがわかったので、その事実をフルに活用しているんですね。2年前の「軍師官兵衛」では北条攻めのときに使者として官兵衛が活躍するのに、「真田丸」ではその役は信繁が担当し、北条氏政の説得に行くことになったりしている。秀吉の北条攻めのとき信繁も参加していたらしいことは史実だとしても、違和感がありすぎです。これまで「真田丸」を見てきた感想は同じ時代、同じ登場人物が扱った作品でも、池波正太郎原作の「真田太平記」に作品の質、面白さの点で池波正太郎原作のドラマにはとても及ばないというのが私の印象です。この「真田丸」が完結したあとでこれをもう一度見たいという気にはならないでしょう。
【エムズの片割れより】
我が家では、日曜日の楽しみです。大河では一番面白い!
しかし、主人公が秀吉の側をチョロチョロ・・・。あまりに出来過ぎでは?と思っていたら、ラジオ深夜便に歴史考証の人が出て来て、「馬廻り役」などの史実から、そう有り得ない設定でもない、ことが分かりました。
自分たちは、あまり堅いことを言わないで楽しんでいます。
投稿: KeiichiKoda | 2016年9月20日 (火) 19:41
大河ドラマ「真田丸」が完結しました。このドラマは視聴率も結構高く、エムズさんは楽しまれたようなので、ケチをつけるのは気が引けるのですが、私には退屈で、つまらないドラマでした(成績をつけるなら、Cぐらいの作品)。渡辺謙が伊達正宗役を演じた「独眼竜政宗」(原作は山岡荘八)や草刈正男が真田幸村を演じた「真田太平記」(原作は池波正太郎)には遠く及ばない。なお、前者は読者が選んだ大河ドラマ人気NO1にランクされる作品だし、後者は厳密には「大河ドラマ」ではなく、NHK新大型時代劇という範疇にはいるらしいのですが、人気作家による人気作品のドラマ化。これらが私にとっての、大河ドラマNo1とNo2(甲乙つけがたい)。今回の真田丸が気に入らない理由の一つが、戦闘場面が非常に少ないこと。もしかしたら、予算を最後の夏の陣の戦闘に集中するためなのだろうかと思っていたら、徳川方20万が大坂方10万と対峙した戦争だというのに、兵隊の数はぱらぱらのすかすかで、拍子抜け!(たぶん大河ドラマに割かれるNHKの予算が少なくなったのでしょう。)
真田太平記から30年たち、戦国時代とくに真田一族について研究が進んだことは確かなようで、とくに真田幸村(正しくは信繁)が大阪時代には馬回り役として1万9000石をもらっていたらしいことは最近の研究成果らしいし、また真田丸があった場所の正確な位置と規模がわかってきたこと、豊臣秀次の切腹にかんしても新しい情報が出てきたことなどは30年前には知られていなかった事実のいくつかです。このドラマではそれらの事実がフルに使われているようです。このドラマの時代考証をつとめている丸島和洋氏の最近書かれた著書「真田4代と信繁」(平凡社文庫)を読んでわかりました。ちなみに、丸島氏が真田研究にはいるきっかけとなったのは高校時代にNHKドラマ「真田太平記」を視聴したことと、このドラマの池波正太郎の原作を読んで「はまった」ことだそうです。
【エムズの片割れより】
ドラマもそうですが、何に対しても、評価は人それぞれで良いと思います。
今回の脚本は、豊臣秀吉の回りに、幸村がうろちょろして、バカバカしいと思いましたが、「馬回り役」という発見があって、それでは“有り得る”とのことでの設定とか・・・
半分マジメ、半分フィクション、ということで、割り切ってみていました。三谷脚本ということで、割り切って・・・
でも、自分は、面白ければ良いと思って見ていま~す。
投稿: KeiichiKoda | 2016年12月29日 (木) 13:38