蛍光灯、白熱灯、製造禁止へ!??
今朝の朝日新聞の1面トップの記事。読み流せばよいのだが、どうも気になる。
「蛍光灯、実質製造禁止へ 20年度めど、LEDに置換
政府は、エネルギーを多く消費する白熱灯と蛍光灯について、国内での製造と国外からの輸入を、2020年度をめどに実質的に禁止する方針を固めた。省エネ性能が高い発光ダイオード(LED)への置き換えを促す狙いだ。
安倍晋三首相が26日に財界幹部を集めて官邸で開く「官民対話」で、省エネ対策の一環として表明する。今月末にパリで始まる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)に向けて、日本の温室効果ガス削減への取り組みを具体化する狙いもあるとみられる。
政府はLEDと蛍光灯それぞれについて、品目ごとに省エネ性能が最も優れた製品の基準を満たさないと製造や輸入をできなくする「トップランナー制度」で規制してきた。来夏をめどにつくる省エネ行動計画に、照明についての品目を一つにまとめることを盛り込む。LED並みの省エネを達成するのが困難な白熱灯と蛍光灯は、事実上、製造や輸入ができなくなる見通しだ。来年度にも省エネ法の政令を改める方針。
電球で比べると、LED電球の消費電力は、60ワット形相当で白熱電球の約8分の1で、電球型の蛍光ランプよりも約3割低い。政府は、30年度の温室効果ガス排出量を「13年度比26%減」とする削減目標の前提として、家庭などで使われている照明のほぼ100%を、30年度までにLEDにする目標を掲げるが、割高な価格がネックとなってLEDの比率は12年度で9%にとどまった。
白熱灯と蛍光灯の製造と輸入ができなくなれば、国内市場で在庫がなくなった時点で、LEDへの置き換えが急速に進み、量産効果でコストが下がることも期待される。ただ、割安な電灯を買う選択肢がなくなることになり、LEDの価格が下がらなければ、家計や企業の重荷になる可能性もある。
電球型のLEDが登場したのは09年前後。11年の東日本大震災後に省エネ意識が高まって一気に普及した。日本の大手電機メーカーでは、東芝ライテック、パナソニック、日立アプライアンスが一般的な白熱電球の生産をすでに終えている。電球型の蛍光ランプも、東芝ライテックが今年3月に生産をやめるなど、LED電球への切り替えが進んでいる。東芝ライテックによると、一般的なLED電球の希望小売価格は、09年の発売時に約1万円だったが、いまは2千~3千円台まで下がり、「店頭の販売価格はもっと安いだろう」(広報担当者)という。
蛍光灯が中心だった天井用照明でも、10年ごろからLEDが売り出されている。ただ、照明器具そのものをLED対応に切り替える必要があることから、電球ほどはLED化が進んでいない。LEDへの移行を後押しする支援策を求める声が出る可能性もある。(高木真也、南日慶子)」(2015/11/26付「朝日新聞」p1より)
かたやメーカーは・・・
「パナソニック、全照明器具LED化 2019年までに
パナソニックは26日、国内で販売するオフィスなどの照明器具について、2019年3月までに蛍光灯をやめ、すべてLEDに切り替える方針を明らかにした。人口が減る国内では新しい住宅やビルが増えにくいことから、今ある建物に価格が高めのLED器具を納入し売り上げ確保をねらう。
同日、東京都内であったライティング事業の説明会で明らかにした。同社は国内の照明市場のシェアがトップで、国内向けに出荷する照明器具のうちLED用が約8割を占める。ただ、住宅や店舗、オフィスなどの照明器具のうち、実際には1割ほどでしかLEDは使われていないという。
LEDは蛍光灯などより割高な半面、省エネに優れ、専用機器を使えば部屋ごとに色の明るさ調整などができるとして、同社はLED器具の販売を強化する方針だ。照明器具はやめても、蛍光灯そのものの販売は続ける。
一方、海外では人口や経済が伸びている中国やインドネシアを中心に照明の販売を大きく増やす。ライティング事業部の売上高を15年3月期の3177億円から、19年3月期に4千億円に引き上げる計画だ。」(2015/5/27付「朝日新聞」より)
この記事、「出来レース」か、はてまた朝日の「大誤報」か!?
しかし腹が立つ。政府が、国民を兵糧攻めにしようとしている。Panaの記事によると、19年までは蛍光灯器具を販売、そして蛍光灯そのものの販売は続けるという。
それを政府は、20年をめどに白熱灯と蛍光灯の製造と輸入を禁止するという。覚醒剤ならいざ知らず、単なる家電品の製造を禁止したり、輸入を禁止することなど出来るのだろうか? いや、そんなことが法治国家で許されるのだろうか?
蛍光灯器具など、30年近く持つこともある。実際に我が家では家を建ててから一度も器具を替えていない蛍光灯器具もある。それを、蛍光灯そのものを手に入らないようにして、買い換えを強制する??
蛍光灯には、広告灯やイルミネーションもあり、そして白熱灯には電飾などもあり、あまりに広大。それに道路照明も放電灯だ。全国の道路照明まで、強制的にLED照明器具に替えさせる??
にわかには信じられない。幾ら安倍自民党政権でも、そこまでするか???
それで潤うのは、まさに照明器具メーカー。「今ある建物に価格が高めのLED器具を納入し売り上げ確保をねらう」という方針も、政府が後押ししてくれれば、有り難いことこの上ない。しかし、それはバレバレ・・・。
そもそも商品には製造者責任がある。製品を売れば、それに使う消耗品を製品の寿命まで供給するのはメーカーの責任。それを放棄する??
そんなことが、一つでも前例になれば、我も我もと、業界の都合が“大義名分を背負って”後に続き、まさに国民に全てを強制する北朝鮮のような独裁国家になってしまう。
信じられない。だから朝日の誤報かも・・・
いやいや、産経などの他紙も報じているので、どうもこれはホントウの動きらしい。
実は我が家にはLED照明はひとつも無い。なぜか?あの刺すような光がキライなので・・・
夜道を歩いていても、LEDの街路灯の光は突き刺すような光で、自分は下を向いて歩く。
そんな選択権も無くなる??
何よりも、そんな話が政府から出ること自体、国民を愚弄している。何でも出来ると思っているのか・・・。
政治家がCOP21で格好良いことを言いたいため、国民不在の政策が次々と突き進む・・・。
日本は、それが出来る国になってしまっているのである。
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コメント
おっしゃるとおりだと思います。
「光や色についての研究学者が全く関与していない、非常に愚かな政策です。」
と友人が言ってます。
【エムズの片割れより】
調べてみると、LEDの演色指数(Ra)は68で、白熱灯の100や、蛍光灯の80~90に比べて大きく劣ります。
光源の長い歴史を全く無視した、素人の考え。それが日本を動かしている現実に、戦慄を覚えます。
投稿: Tamakist | 2015年11月27日 (金) 00:09
恐ろしい国ですね、日本は。後は言葉が出てきません。
投稿: I'm not Abe | 2015年11月27日 (金) 14:59
何とも言葉がありませんね。私事の話で恐縮ですが 今日は外国に住んでいる親友が来日、彼女も今の日本をとても心配していて 震災、原発、戦争法案、マイナンバー、二人でいつもその話です。戸籍がしっかりあるこの国でなにを今さらマイナンバーなんて、どんな意図があるのかしら、と言っていました。私は勿論カードなんて作るつもりはありませんが。今日しか会う予定がとれず 何とか今日、国会前の集会がないか調べて行って来ました。午前中、だれの子供も殺させないママの会、昼過ぎに経産省の前の原発に抗議するテント村を訪問、夕方は国会前である役者さんの一人芝居を見、(ベトナム戦争から帰還してPTSDで苦しんだ末、日本のすばらしい9条を知って訴えていた米兵の話です)そして夜は原発反対デモ参加、帰りがけに見かけた有楽町駅前で安部内閣退陣を訴えて5人位が立っているところを同志(?)として素通りできず ちょっと聞いて、、、と一日政権批判三昧をしてきました。(喉がかれてしまいました) 帰ってきてこの話でびっくりしました。日本中でいろいろなところでこんなに多くの人たちが訴えているのに、いったい安部首相はどこまで国民をバカにしているのでしょう。今日スピーチをしていた人が言っていました。私たちは一億分の一ではありません、ひとりひとり一分の一です、と。
今日は議事堂見学の小学生達がいっぱいいました。多くの子供たちが手を振ってくれ、一緒にコールを返してくれたり、、、その姿を見て私は涙が出そうでした。まさにこの子たちの将来なのですから。
【エムズの片割れより】
目が(国民に、ではなく)外に向いているのでしょうね。つまり、国際的な自分の地位だけが興味の的。だから海外で盛んに自己をPRする・・・。税金を遣って・・・。国際的に受ける事ばかりを・・・
それにしても、あまりに乱暴で節操がなさすぎ・・・
投稿: エムエス | 2015年11月28日 (土) 01:37
この国はどうなっていくのでしょうか。何にも考えないで「そうか、白熱灯が消えるのか」と思っただけなのですが、確かに政府がこんなことを勝手に決めて良い訳はないのだと、エムズさんの書いたもので気が付いたわけです。何でも政府主導で決めて行くのは独裁国のやることですね。おまけに今朝の新聞で自民党が経団連の組織に入っている企業に奉加帳を送り寄付を割り当てると出ていました。メリットがなければ寄付はしませんよね。何だか総理が水戸黄門の悪代官と重なります。おまけに法人税を下げると言うおまけがついています。政党交付金も当たり前に貰うつもりなのでしょうか。国民をどこまで舐めているのでしょうか。企業からの献金の分を寄付金から引いてほしいですね。税金を払うのが嫌になります。総理の顔がますます厚顔になってきています。こんなことが法律で許されているのでしょうか。飢えて死んでいく国民がいる世の中で、権力をかさに着た悪代官がワッハ、ハと笑っているみたいです。
【エムズの片割れより】
テレビのニュースで、首相の顔が出てくるとスキップする習慣が日常化しました。
韓国でも、政権の締め付けが厳しくなっているらしいですね。世界中が、非民主的になっていく流れ・・・。どうなっているのでしょう・・・。
投稿: 白萩 | 2015年11月28日 (土) 15:21
パナソニックのその方針は、経営としての社会奉仕としては全うなものだと思います。
政府のその方針は、それを完全に覆す愚策と感じます。
LED照明は、電球型のなら白熱灯とそのまま差し替えられるのでいいのですが、
棒のやつや丸型のは、あることはありますが、数はかなり少ないです。
ですので、棒のやつや丸型のLED管、しかも、全方向にきちんと発光できるものを開発することが今後の課題となるのです。
それこそ、2020年までにそういうLED管がそろえば、そう文句はありませんが・・・
演色性も値が高い(白熱灯に近い)ものも出ていますが、こちらも数が限定的です。
まぁ、こういうものは技術の向上で生産増、演色性の向上もできてくるかと。
突き刺すような光が苦手というならば、いわゆる「昼光色」ではなく「昼白色」ではいかがですか?(LED電球での話)
同じ白でも「昼白色」のほうが自然な感じです。
ただし、(大手では)いまのところはパナソニックだけのようです。
あとは「電球色」もありますね。
東芝は「昼光色」を「昼白色」として売っています。なので、「昼白色」と「電球色」の2種類しかありません。
日立も「昼光色」と「電球色」の2種類です。
この光そのものについても、技術の向上で解決していくものかと思います。
いずれにせよ、今のところはまだ途上という段階です。
色々なものが普及するのには時間がかかるものですから、
宣言やらで一気に変えるのではなく、次第にシフトしていくようにするのが最善かと。
長文・駄文、失礼しました。
【エムズの片割れより】
原理的には、目が痛いのはブルーライトによるものでしょうか・・。これは配光で何とかなります。あとは点光源が問題。まあこれも拡散の技術で何とかなりますね。
それよりも、「法人税を下げるから給料を上げろ」とか、民間の事業活動に政府があれこれ言っているのが心配。
将来、中国のように、“全部国営企業まがい?”まではならないでしょうが、権力の介入が怖い・・・
投稿: マッノ | 2015年11月30日 (月) 02:02
追記
ちなみにうちは、電球は全てLEDにしました。
っというのも、私は気にしないのですが、蛍光灯ので、
家族が「蛍光灯は点くのが遅い!」と文句をたれていましたから・・・
投稿: マッノ | 2015年11月30日 (月) 02:06
FM受信関連の記事でお世話になりましてありがとうございます。
さてこの変な政策案、私も気にしておりますが、
根拠法は「省エネ法」のようです。
とすると対象は事業者で、個人には適用されないのではないでしょうか?
いずれにしてもPSE法のようなトンデモ法ですね。
東芝はじめ家電機器メーカーの救済策かもしれません。
【エムズの片割れより】
そうそう「中古品が違法になって売れない」という問題がありましたね・・・。
この蛍光灯規制も、背景が「省エネ」としても、あまりに短絡的で、PSE法のように、「ミス」ではないかと思っています。問題の多さに、到底国民は受け入れません。
投稿: TI-AEK28 | 2015年11月30日 (月) 05:53
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151202-00000012-wordleaf-bus_all
こちらにLEDと白熱灯・蛍光灯との比較をしている記事があります。
ご参考に。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151130-00000005-rnijugo-sci
どうやら突然無くなるというわけではないようですね。
【エムズの片割れより】
読みました。さてさて、どうなるのでしょう・・・
投稿: マッノ | 2015年12月 3日 (木) 22:43
蛍光灯は蛍光管の内側に塗られた蛍光体に紫外線を当てて光を出します。
蛍光体は白っぽいものなので、はたから見ると曇りガラスのように見えます。
なので、光が拡散され、まぶしさを抑えます。
白熱灯も電球の内側に白っぽい塗料を塗ったものが主流なので、まぶしさを抑えられています。
街灯に使われ始めているLEDは、雨やほこりを防ぐカバーが透明なものだと、まぶしく感じます。
ですので、カバーが曇りガラスみたいなものだったら、まぶしさを抑えられるでしょう。
でも、今はまだ「透明」のほうが主流のようですね。
【エムズの片割れより】
LEDは究極の点光源。蛍光灯は面光源。言われるように、昔の曇り白熱球のように、光の拡散技術が進めば、まぶしさは少しは改善されるのかも・・・。
しかし、LEDはなぜ効率ばかりに話が行って、まぶしさの議論が少ないのか・・・
投稿: マッノ | 2015年12月 6日 (日) 22:58
車のライトもLED化が進んでいるようですが、
メーカー純正のものならまだしも、自分で取り換えたものだと、まぶし過ぎるものが結構あるんですよね。
確かに車のライトは自分の存在を知らせるものですが、
これでは「知らせ過ぎ」です。
まぶし過ぎて、思わず目をつぶってしまうことも・・・
近目(下向き)なのに遠目(上向き)よろしくまぶしいものを見かけます。
しかも、地面をそんなに照らしていないものも。
きちんと地面に向けて照らさないと・・・
【エムズの片割れより】
自分はあまり経験していませんが、ハロゲン灯でも後から照らされる上向きライトはまぶしいのに、それがLEDの点光源になると、脅威ですね。
投稿: マッノ | 2015年12月 7日 (月) 20:22
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/20160329_750529.html
これはエムズの片割れさんに朗報かもしれませんw
っというか、多くの消費者が注目しそうですね。
【エムズの片割れより】
なるほど・・・
量販店に行くと、丸形や直形など、蛍光灯器具に取り付けられるLEDランプが色々と売られていますね。しかし、このアイリスも含めて高価・・・
寿命を考えれば、妥当なのかも知れないけど・・・
投稿: マッノ | 2016年4月 1日 (金) 23:15