「四十肩・五十肩」を早く治すには
6年前の右肩に続く、今回の左肩の五十肩(本当は七十肩なのだが・・・)。4月に発症したので、ちょうど半年。やっと改善に向けて治り出した。
先日、「日経ヘルス」でこんな記事を見付けた。自分への戒めとして、メモしておく。(Net上にも色々記事はあるが、この記事のように印刷物で残る記事の方が、信用出来るような気がして・・・)
「ストレッチと抗炎症薬で早く治す四十肩・五十肩(1/3)
なんとなく肩が痛いと思ううちに痛みがだんだん強くなり、やがて肩全体が硬くなって、腕が十分に動かせなくなる「四十肩・五十肩」。自然に治る病気ではあるが、放置すると数年にわたって症状が続くことも珍しくない。早く治すには肩の状態に合った治療やケアをすること。そのポイントを3回に分けて紹介する。今回は四十肩・五十肩のメカニズムを解説しよう。
「四十肩・五十肩」は、骨や筋肉などにケガや構造上の異常がないにもかかわらず、肩が痛んで、肩関節の可動域、つまり動かせる範囲が狭まった状態だ。 江戸時代から報告があり、「女性の場合、髪を結ったり帯を結んだりすることができなくなる病気として知られた」と日本医科大学千葉北総病院整形外科の橋口宏部長は話す。
原因はいまだ不明だが、「女性の場合、ヒステリーが背景にある人がいる」と橋口部長。ヒステリーというと、怒りを爆発させる場面を思い浮かべるかもしれないが、この場合はむしろ逆。抑え込んだ怒りや不満が体の痛みとして表現されたもの。本人は落ち込んでいて笑顔がないという。また、冷えやほてりなどの更年期不調を併せ持つ女性も少なくないようだ。
■放置すると痛みが数年続くことも
基本的には自然に治る良性の病気だが「放置すると数年にわたり症状が続くリスクがある。肩が痛むほかの病気と区別するためにも、まずは整形外科を受診してほしい」と橋口 部長は薦める。
症状は通常、肩の痛みから始まる。「後ろの物や高いところの物を取ろうとして肩を大きく動かしたとき、痛みに気づく人が多い。そのうち徐々に痛みが強くなり、じっとしていても痛い、夜、痛みで目が覚めるという状態になる」と東北大学病院リハビリテーション部の理学療法士、村木孝行さんは話す。
痛みは肩関節を包む袋状の組織である関節包の炎症が引き起こすと考えられている。炎症はやがて治まるが、関節包は線維化して厚くなり、柔軟性を失う。その結果、肩関節が硬くなり(拘縮、こうしゅく)、すべての方向への可動域が 狭まる。「視界の範囲には、たいてい手が届くので生活はそれほど困らないが、腕は頭の上まで挙げられなくなり、体の外側や背中側にも回せなくなる」と橋口部長。
早く治すコツは、炎症をできるだけ早く鎮める、拘縮をストレッチで改善する――という2つ。「セルフケアをしっかりやれば、数カ月で良くなることが多い」(橋口部長)。治れば、同じ側に再発することはまずないという。セルフケアの手法については次回以降に紹介する。
■30代なら「「弛緩肩」の可能性
四十肩・五十肩にはまだ早い30代で肩が痛くなったら「弛緩肩」の可能性がある。「もともと関節に軟らかさ、ゆるさがあるために、物を持った拍子などに肩関節が前後にずれ、肩が抜けたような感じになって痛む」と橋口部長。四十肩・五十肩と思い込み、抗炎症薬をのんでも治らず発見される場合が多いという。
「弛緩肩」には、主に肩甲骨を動かす運動が指導される。「ゆるい肩の人は普段あまり肩甲骨を使っていない。それが動かせるようになると、すぐに肩関節のストレスが減って痛みがなくなる。はずれにくくなる効果も」と村木さん。腕はある程度挙がるのに肩が痛いという人は「弛緩肩」の可能性があるので、整形外科へ。」2015/9/20「日経ヘルス」(ここ)より)
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「四十肩・五十肩 強い痛みには抗炎症薬、漢方も有効 (2/3)
今回は痛みの強い「炎症期」の治療について見ていこう。
四十肩・五十肩の治療は「炎症期」と「拘縮期」で異なる。「痛みの強い炎症期は、薬で痛みを緩和することが重要。そうすれば肩を動かしやすくなる」と日本医科大学千葉北総病院整形外科の橋口宏部長は話す。 痛みを鎮める薬はたくさんある。一般にまず用いられるのは、非ステロイド性消炎鎮痛薬と筋弛緩薬ののみ薬を併用する方法だ。さらに、消炎鎮痛効果のある外用薬が加わることもある。「痛みが強い人には、最初から患部にステロイド薬を注射するケースも」と橋口部長。
夜間痛で眠れない人には催眠鎮静薬、筋緊張や不安が強い人には筋弛緩作用を持つ抗不安薬なども用いられる。これらの薬で効果が得られない場合は、脳に作用して痛みを緩和するアセトアミノフェンと麻薬成分のトラマドールを配合した疼痛治療薬も選択肢になるという。
■漢方薬も有効な選択肢
女性の場合、漢方薬も選択肢の1つだ。「いくつもの生薬からできているので、1つの薬で色々な症状に対応できる。鎮痛薬をのむと胃腸障害が出る人や、冷え、むくみ、肩こりなど の不定愁訴を同時に持っている人には特にお薦め」と橋口部長。体の状態に合った薬を選ぶと、切れ味よく効くという。
代表的な薬は二朮湯(にじゅつとう)だ。6カ月以上痛みが続いた患者13人に二朮湯をのんでもらった研究では、全員の痛みが改善した。研究を行った愛知医科大学医学部学際的痛みセンターの新井健一准教授は「保険適用で処方できるので、担当医に処方をリクエストしてみて」と薦める。
一方、運動療法はこの時期、まだ早い。「強めのストレッチを行うと、逆に痛みが強くなる」(東北大学病院リハビリテーション部の理学療法士である村木孝行さん)からだ。むしろ痛みが出ない範囲で、筋肉をしっかり動かしながら日常生活を継続することが重要という。
肩まわりをゆるめるマッサージにも取り組もう。「炎症期は痛みに対する無意識の防御反応として、肩や背中の筋肉が緊張する。そのせいで肩全体がカチカチに凝って痛んでくるが、それを緩和できる」と村木さん。
肩の付け根から胸に広がる大胸筋、肩甲骨を動かす背中の筋肉、肩から上腕に伸びる筋肉がそのターゲット。背中はボールのついた肩たたきなどでもんでもいいが、それ以外はその部位の力が抜けるように優しくさするか、軽く圧そう。」(2015/9/27「日経ヘルス」より)
■この人たちに聞きました
橋口宏さん
日本医科大学千葉北総病院整形外科部長。専門は肩・肘関節外科、スポーツ医学。「重要なのは診断。五十肩が長引く人の中には腱板断裂などの病気が隠れている場合がある。まずは整形外科を受診してほしい」
村木孝行さん
東北大学病院リハビリテーション部理学療法士。専門は肩関節疾患、肩の運動学。「肩を大きく動かすためには体幹の柔軟性も必要なので、体をねじったり、わきを伸ばすストレッチも薦めている」
新井健一さん
愛知医科大学医学部学際的痛みセンター准教授。麻酔科医。専門は慢性疼痛、がん性疼痛、漢方治療。「漢方薬は西洋薬に劣らない効果がある。こじれた五十肩にも効果があるが、早めに使うことをお薦めしたい」 (ライター 小林真美子)(2015/9/20ここより)[日経ヘルス2015年9月号の記事を再構成]
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「回復期の四十肩・五十肩に効く「3方向ストレッチ」(3/3)
最終回は痛みが治まってきた「拘縮期」の治療とセルフケアについて解説しよう。
四十肩・五十肩の痛みが、夜に出ることがあったとしても、何もしていないときはほとんど痛まなくなった、腕をいっぱいに伸ばしたときだけ痛いという状態になったら、「拘縮期」に入ったサインだ。ストレッチを始めよう。
ストレッチは硬くなった関節包を徐々に伸ばし、肩の動きを改善するための治療だ。医療機関に通院している場合も、3~6カ月を目安に継続して行うよう指導される。
「筋肉はゴムのように伸びやすいが、関節包はいわば綿布のように伸縮が少ない。そのため、1回のストレッチで伸びるのは関節の角度で1~2度ほどだが、続けることで徐々に効果が出てくる」と東北大学病院リハビリテーション部の理学療法士である村木孝行さんは話す。
■3つのストレッチで関節をほぐす
村木さんが薦めるストレッチは、上腕を内側にねじる「内旋」、外側にねじる「外旋」、腕を上げる「挙上」の3つ。
内旋は関節包の後ろ側を伸ばし、外旋は前側全体、挙上は下側を伸ばす。そのため、3種類すべてを行えば、可動域の制限が出ているほぼ全方向をカバーできる。
実際に行う際は、内旋→外旋→挙上の順で、力を抜いてリラックスした状態で行う。
腕が下がった状態からいきなり挙上すると、ある角度で痛みや引っかかりを感じ、それ以上腕が上がらないインピンジメントと呼ばれる現象が起こることがある。しかし、あおむけになり、ひじにクッションを当てて高くし、肩甲骨を30~45度挙げた状態で、まず内旋と外旋を行えば、関節包が下のほうまでぴんと伸びるので、腕が挙げやすくなるという。
「挙上したとき、骨と骨がぶつかって痛みが出た場合はうまくストレッチできていないサイン。この場合は無理せず、リラックスしてできる範囲でやってほしい」と村木さん。
お風呂上がりや寝る前にベッドで、3種類を各3~5回を目安に始め、伸ばす強度を徐々に上げていこう。余裕のある人は朝・昼・晩と3回やってもいい。ただし、翌日痛みを引きずらない程度にとどめておく。痛みを引きずるようなら、治まるまでいったん中止しよう。
■この人に聞きました
村木孝行さん」(ライター 小林真美子)(「日経ヘルス」2015/10/4ここより)[日経ヘルス2015年9月号の記事を再構成]
前にも書いたが、今回は2度目と言うこともあり、かなり放って置いた。しかし右肩の凝りとジンジンとした痛みに耐えかねて、先日、「トリガーポイント注射」をして貰ったが、これが痛く、結局2回行っただけでサボっている。その時に貰った貼り薬はあまり効かなかった。でも、寝る前に飲めと、1月分もらった筋緊張改善剤の「チザニジン」は一応飲んでいる。今回は、市販のバッファリンが肩凝りには効いた。
医者により、言うことが違う。近くの医者は「アイロン体操はあまり効かないんだよな。風呂に入って暖めると良い。」
そして「トリガーポイント注射」をしてくれた医師は「今の固まったまま治っちゃうのが一番困るので、痛みを取りながら、動かす練習をして段々と動きを良くして行く。アイロン体操も良いが、脇を締めてやって下さい。」
まあそうこうするうちに、何とか底をついたようなので、これからは良くなりそう。
人間、困った時の神頼み。良くなるとケアを忘れる。ここに記して、上記のケアをちゃんとやろうと思うのだが・・・
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またも「七十肩」か・・・
五十肩~最後の(?)鍼治療
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コメント
私が肩が上がらなくなった時は、(はやりはじめの)中国整体が効きました。「イタイ? イタイ?」と聞くから「痛い!」と答えているのにどんどん押してくれました。あるとき、どこから年配のが来て、確かにその御老人の整体は、すぱっと効くツボを押された、という感じでした。
こういう不調は、自分に合う治療法を探すのが大変ですよね。
お大事に。
【エムズの片割れより】
前のときは、鍼を試しましたが、どうも効いている気がしなくて・・・
今回は放って置いたのですが、注射を試して・・・
カミさんは治療のせいで良くなったと言っていますが・・・
各部品の老化が顕在化してきているようで・・・
投稿: Tamakist | 2015年10月11日 (日) 13:59
エンバーです。お久しぶりです。
私も、半年ほど前に50肩(本当は60肩)の症状が出ました。(1回目です)
左腕だったですが、最初の頃、下着を着るときに腕を上げるのに往生しましたが、ここ最近はほとんど腕を上げても、後ろに回しても痛くないです。
私の治療法は病院、薬も一切なく、毎日続けている8000歩ほどのウォーキングの効果なのかなーと思っています。なるべく早く歩くために、少し腕を振って歩いていますが、これが効いたのかなーとは思っています。
エムズさんも早く治るといいですね。
【エムズの片割れより】
6年前の右手がほぼ元に戻ったので(でも少しだけ、背中の上に行かなくなった・・・)、今回は甘く見ていました。
でも、経緯は前と同様な感じです。
投稿: エンバー | 2015年10月11日 (日) 17:45
四十肩・五十肩は放置しても三~4年もすれば自然によくなりますが、その間が辛いので、痛みを感じたらその都度どんどん鎮痛剤(痛み止め)を服用します。私は成るべく昔からある、或は後発品のある鎮痛剤を使っています。副作用が分っているからです。古くからある鎮痛剤で効果の無いとき新しい鎮痛剤を使っています。新しい薬は効果はよいのですがどんな副作用が出るか分らないので自分や患者さんにはあまり使いません。
非ステロイド系鎮痛剤には、アルツハイマー病に為り難くなると言う嬉しい副作用があります。
我慢大敵です。食後ではなく痛い時に直ぐ服用します。珈琲や緑茶の様にカフェインを含んだ液で飲むと効果が増すことがあります。
投稿: 今井 龍弥 イマイ タツヤ | 2017年8月16日 (水) 01:11
書き忘れましたので追加しておきます。御参考になさって下さい。
どうしても良くなりたい時は、専門科ではなく、患者の少ない医療機関を先ず受診します。今は院外処方ですので何科の医師でも薬は処方できます。先ず電話をして、簡単に症状を述べ、治療して貰えるか否かを問い合わせてみます。食べ物屋さんや美容室、床屋さんはお客の多い店を選べば当り外れが在りません。それは職業の腕と経営の腕が同じ方向を向いているからです。医療では屡逆を向いていることがあります。一般の患者さんは医療の知識が乏しいので、医師の職業の腕を見ることは出来ません。患者が多い、建物が大きいなどと言う経営の腕しか見ることしか出来ません。相互網という仮想空間で私の虚像が活躍しているらしいので、「住んでいる所の評判のよい医療機関を殆ど回ったけれど良くならないので、相互網で調べたら一回の受診で改善したと書いてあったので、予約をしたい」と言う電話をよく頂きました。「患者が多いというのは良くなっていないからです。私の所へは殆ど患者さんがこられません。そこで、偶々受診された患者さんをゆっくり診せて頂いて、お話をゆっくり聞いているだけです。
私の所へこられるよりは。お近くの空いている医療機関を受診して、ゆっくり診てもらって下さい。それでも良くならなかったら、電話下さい」と言いますと、「アッ」といわれます、目から鱗の落ちる音です。二度と電話の掛かって来ることは在りません。
非専門科でよくならないときは、「私では良くなりませんので専門医療機関に紹介状書きましょう」と言われます。医師は経営の腕と職業の腕の区別は付きますので適切な医療機関に紹介状を書いて下さいます。
四十肩、五十肩のときは鍼、整体、マッサージや整形外科を受診せず,空いている医療機関を先ず受診して鎮痛剤を処方して貰いましょう。
投稿: 今井 龍弥 イマイ タツヤ | 2017年8月16日 (水) 02:06