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2015年10月15日 (木)

「定年後は地域活動」の落とし穴~「新・100ヶ所探訪!?」

今朝、日経を読んでいたら、電子版にこんな記事があることを知り、読んでみた。

定年後は地域活動」の落とし穴 経済コラムニスト 大江英樹
 定年退職が近づいてくると、多くの会社では定年後の生活を考える「ライフプランセミナー」が開催されます。私も定年の1年半くらい前に受講しましたが、年金や健康保険の話に加えて、退職後の生活のあり方についても講師がやってきてお話をしてくれます。
 こうした研修やセミナーで講師の多くはこう言います。「会社を辞めた後は地域があなたの居場所なのですから、積極的に溶け込んで地域活動をしなさい」。これ自体は別に間違ったことを言っているわけではないのですが、この言葉をうのみにするととんでもない目に遭うことがあります。
 「地域」というのは決して穏やかなところでものんびりしたところでもありません。地域活動に関わっている人たちはそれなりに大変な思いをして活動しています。多くの住民たちのエゴがぶつかり合うわけですからそれは当然です。そういう地域を住民たちだけでうまく治めていく知恵として必然的に長く住んでいて年長の人の中に地域のボス的な存在が出てきます。これは自治会の会長さんとはちょっと違います。いわば陰のドンです。
 地域社会というのは想像以上にこういうヒエラルキー(ピラミッド型の階層組織)の存在する世界です。始末の悪いことにそれは会社のようなドライな関係ではなく、わりとウエットな関係です。会社組織ももちろんヒエラルキーが支配しますが、それは午後5時までのこと。終業後は新橋の焼き鳥屋で部長をこき下ろすことで気持ちのバランスを保っていられるのがサラリーマンです。いわばどんなに会社で嫌なことがあってもちゃんと逃げ場がこしらえられているのです。
 ところが地域は逃げ場がありません。特に会社を辞めて終日その地域で活動をしているのであればよけいそうなります。しかも地域に隠然と存在するルールや人間関係、これらの暗黙知は会社と違って研修もOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)もありません。「あの人、どこかの上場企業で部長さんだったらしいけど、何にも知らないのね」とか「何だか知らないけど、上から目線っぽい人だよなあ」といった陰口を叩かれて冷たい目で見られることになりかねません。
 もちろん私は地域活動自体が悪いというつもりはみじんもありません。でも軽い気持ちで関わると、想像以上にストレスを抱え込むのだということは知っておいた方がよいと思います。本気で地域活動に関わるのであれば、それなりのお作法をきちんと身に付けるためにしばらくは丁稚(でっち)奉公のつもりで謙虚に振る舞うべきです。
 それでも奥さんが以前から地域の活動に関わっているのであればまだ救いはあります。ただ、奥さんにとって「地域」は自分のホームですが、あなたにとってはアウェイ(場違い)であるということを忘れずにいてください。アウェイにはアウェイの戦い方があるのです。そしてそれは結構つらい戦いであることも知っておいてください。
 私自身は地域の人たちとの交流は最小限にして日常のあいさつや清掃活動など、良好なコミュニケーションが保てる最低限必要なことだけはやりますが、それ以上は絶対入り込むつもりはありません。そんなことよりも外に行って仕事をやったり、若い人たち(といっても40~50歳代の人たちですが)と付き合ったりしている方がずっと楽しいからです。
 会社を辞めた後の「居場所」には様々なものがあります。その人にとって一番居心地がいいところを選べばよいのです。もし現役時代から地域の活動に関わってこられた方であればそれは素晴らしいことです。会社を辞めた後、何の違和感も問題もなく地域の人たちとの交流活動ができるでしょう。私の場合は定年を迎えるまでそういう地元の人たちとのつきあいはほとんどなかったので、「こりゃ絶対うまくいかんわい」と思って自分の好きな仕事をしようと思ったわけです。
 サラリーマンはどうしても自分がやってきた仕事が一番大変で、それに比べれば、地域活動なんかたいしたことがない、と思いがちですが決してそんなことはありません。尊重し、謙虚に入っていかなければ必ずやひどいしっぺ返しに遭うことは知っておいた方がいいでしょう。」(
2015/10/15「日経・電子版」ここより)

この話は、「会社を辞めた後の「居場所」」についての話である。この記事の中で、「地域は逃げ場がありません」という言葉が重たい。

サラリーマンは、その人生の中で、フィットしない(自分と合わない)上司など幾らでも経験する。でもそれは救いがある。よほどのオーナー会社(または個人商店)でない限り、その付き合いは「永遠」ではないのである。時間が来れば、必ずローテーションにより上司は替わる。その救いがあればこそ、我慢出来る。
しかし、この記事が指摘するように、地域社会は、引っ越しでもしない限り、逃げられない。隣家との相性も同じ。自分(我が家)には選択権がない。

幸いにも?自分もカミさんも“群れる”のがキライ。前に書いたような事情で(ここ)、自治会も脱退した。それでどれだけストレスが無くなったことか・・・
よって、結果として我が家は地域とは一線を画している。(同様に自治会を脱退した人は、結構いるらしいが・・・)

しかし、「サンデー毎日」を半年後に控え、「じゃあどうする?」
“その時”に備え、連日、カミさんからの“予告”が多い。つまり、「サンデー毎日になったら、**を担当してもらうからね・・・」なのである。

まあそれはそれとして、「サンデー毎日」になったら、日常での何か中心となる目標のようなものが欲しい。
前に、カミさんと「近くで良いので、公園や博物館など、100ヶ所を回ろう」と発起したことがあった。幾つ行ったか忘れた。そして、いつの間にか忘れた。当blogにその事が一切書かれていないので、2006年より前のことだ。
それで、これを機に、「新・100ヶ所探訪」を思い立った。
とにかく、ウチのカミさんは“お出掛け”が好きなので、平日の昼を狙って、色々な所に出かける。その目標が、まず100ヶ所・・・

そうだ、昨日(2015/10/14)行った子安神社を第1探訪場所にしよう。この子安神社に初めて行ったのが2年半ほど前。今回は2度目。

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出不精の自分には、ノルマが必要!?
家に閉じこもるのを避けるには、地域社会とのかかわりが不得手とすると、それもひとつの方法かも・・・。

(関連記事)
「敵は身内、競争を嫌うムラ社会」

151015tetsudai <付録>「ボケて(bokete)」より

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コメント

退職後の日々に必要なのは
「キョウヨウ」と「キョウイク」という友人が言います。
「今日、用(がある)」と「今日、行く(ところがある)」だそうです。

【エムズの片割れより】
確かに、予定表が真っ白、というのは寂しいですよね。

投稿: Tamakist | 2015年10月16日 (金) 12:53

人間は群れる動物なのでしょうか。世帯をもってつくずく群れにいる窮屈を味わっています。大は国家、小は夫婦、不平等この上ない群れ社会です。上に立って威張りたい人間が愚者だったら70年前の日本と同じ姿になります。太古の昔から何度同じことを繰り返していることか。夫婦喧嘩も同じ理屈ですね。自治会も同じです。異議申し立てをすれば嫌味の嵐です。エムズさんはよく自治会から抜けられましたね。勇気に拍手です。群れなくても楽しむことは出来ます。必ず同じ心の人が見つかります。
勇気と健康を味方に残りの人生を楽しみましょう。和して同ぜずです。

【エムズの片割れより】
良い悪いは別にして、ウチの夫婦は二人とも群れるのがキライなので、助かっています。もしカミさん群れる部類だったら、こっちがストレスで!?
ま、二人でケンカしながら探訪を・・・!??

投稿: 白萩 | 2015年10月18日 (日) 22:50

定年後ってただ死を待つだけなのかなあとたびたび思います。団塊の世代ったって家の回りには二人しかいません。交流もないし。

なんか廃屋になりかけの家が目立ちます。
シーンとしてます。昔、子どもが小学生だった頃の活発な自治会活動もありません。昔のムラと呼び合ってた人たちとの隔絶はあります。私は田んぼの中に突如として現出した新興住宅街の住民だから。

自分の子どもの良き頃に自分は仕事が忙しくて活動に協力してなかったから、いまさら自治会なんてという気持ちもあります。

子どもたちとは離れ離れです。私がこの劣悪な教育土壌から子ども達を守るため三人とも中学校から広域学区の私学に通わせたからです。それは、ある老人が「これは自治会で人権啓発学習をやらなあかん」との問題提起に対する、その実情を知る私自身の猛反発からです。良心の防壁をいいことに突き上げ放題に突き上げて(それはヤクザのごとき)物取り利権をしてきた連中のそれでもあり許しがたいものでもありました。

結果、あのとき正面きって闘わなかったツケが今まわってきてるようです。今ですか?
そんな気力はありません。

【エムズの片割れより】
まあ自分の同じようなものですね・・・
でも「死を待つだけ」というのも寂しい・・・
定年後は、結局、“群れる”のが得意がどうかで決まるような気がします。
自分は苦手なので、自治会とも距離を置いています。好きな人は、皆忙しそう・・・
元の会社の仲間も、結局は当時の立場(上司と部下)を引きずっているので、それに耐えられるかどうか・・・
やはり会社関係では同期の連中との付き合いだけだけが、気安いです。
現在の自分には、唯一付き合ってくれるカミさんの健康だけが重要です。

投稿: 文太郎 | 2015年10月22日 (木) 11:28

 毎日サンデーまでもうすぐのエムズの片割れ さま。
私のつたない[経験]から一言。
日本の会社の「塀」の中に「民主主義」はない。・・・・と考える私にとって会社のくびきから解き放たれたこの5年間は第二の人生ならぬ第二の青春です。地域では ささやかなボランテイアだけであとは近くの大学の聴講生、ハングル教室とジムかよいとほんとうに気まま 勝手にやっています。
 ところが最近問題が発生しました。通信制の放送大学(入学試験がない!)の学生を5年(4年で一度卒業した)やっていますが…それなりに楽しく満足していたのですが。・・・・
10月20日の毎日新聞、22日の朝日新聞の社説などによって初めて知ったのですが・・
それによると―――7月の「日本美術史」の試験問題で(戦前・戦中の芸術家への弾圧に関する設問のなかに安倍政権の戦争法案への批判がありこの部分を担当講師(佐藤東大教授)の意向を無視して大学側が削除した・・・・ということです。
 ことは教育・学問の自由にかかわる重大事です。学問研究は研究者の自主性・良心にしたがって 出来る限り自由に幅広く保障されなくてはならないものと思います。
 そして23日の夕刊の次の記事を見て仰天。「戦前を連想させる例の「一億総活躍会議」の民間メンバーに「菊池桃子」さんと並んで放送大学副学長宮本みち子の名前を見つけました。(美術史の担当の佐藤教授に設問の「削除」を通告したのが宮本副学長でした。早速の「論功行賞」か?と疑いたくなります。
この民間メンバーには労働界から一人も入っていないことも気になることです。
 本当はエムズさまに放送大学をお勧めしようかと思っていましたが・・・・・さて・・・・
 「百か所探訪・・・・いいですね。ついでにその周りの街道歩きはいかがですか?甲州街道、中山道、日光街道,秩父往還など楽しげな道があってうらやましい限りです。

【エムズの片割れより】
放送大学の試験問題の件は、新聞で知っていました。安倍政権のNHK会長人事の影響が、ここまで及んで来たか、と思いました。
首相のヤジ問題の報道ぶりと言い、NHKの姿勢には目を覆いたくなります。
今まで信頼してみてきたNHKニュースも、片目で見るようになりました。
前に、サンデー毎日になりかかった時に、社会人の大学聴講について調べたことがあります。さて、どんな課目を受講するか・・・
前は仏教を勉強しようかと思いましたが、最近はその熱も冷めてしまい・・・
近代史を勉強しようかな・・・??
NHKラジオ第2のカルチャーラジオを聞いているだけでも、結構勉強にはなりますが・・・
何かしなくては・・・!!

投稿: todo | 2015年10月24日 (土) 21:55

平家物語序の祇園精舎の1部を思い出しますね。秦の趙高、漢の王莽、梁の朱异、唐の禄山
これらは諌めをも思い入れず、民間の憂ふるところを知らざりしかば・・・思い付きで勝手に造語を作り、自分の取り巻きを身の周りに集め日本をどうするつもりなのでしょうか。猛き人もついには滅びぬ。になりませんかねぇ。民主主義が泣いています。言論の封鎖が始まっているのでしょうか。じわじわと・・恐ろしい事です。

【エムズの片割れより】
自分の権力に陶酔し、自己を神格化しているとしたら、怖ろしいことです。
それを許さない国民の品性を信じたいところです。

投稿: 白萩 | 2015年10月25日 (日) 12:19

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