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2015年8月31日 (月)

FMシアター「ビオレタ」~思い出や記憶をいれる「棺桶」

先日のFMシアター「ビオレタ」(2015/08/29放送)がなかなか良かった。
少し早い初秋に、こんなホンワカしたお話も、宜しいかと・・・

<FMシアター「ビオレタ」>

NHKのサイト(ここ)に、こんなあらすじが書いてある。
FMシアター「ビオレタ」
私が拾われたのは、行き場のない想いを入れる箱「棺桶」を売る店
田中妙(たえ)は、婚約者に突然別れを告げられ、雨の路上で泣きじゃくっていたところを「ドーベルマンのような」凛々しい女性・菫(すみれ)に拾われ、菫が営む雑貨屋「ビオレタ」で働くことになる。「ビオレタ」は、菫手作りの可愛らしい雑貨のほかに、行き場のない思い出や記憶をいれる「棺桶」なる美しい小箱を扱う少々風変わりな店。何事にも自信を持てなかった妙は、ビオレタでの出会いを通し、戸惑い悩みながら少しずつ変わっていく…。人生を自分の足で歩くことの豊さをユーモラスに描き出す、心のすきまにしみこむ温かな物語。」(
NHKのここより)

題の「ビオレタ」とは何だろう?とNetで検索していたら、この作品は「第四回ポプラ社小説新人賞受賞作」だそうで、この6月に出版されたホヤホヤの本だということを知った。
150831violetaここ)に詳しいが、作者の寺地はるなさんは、「1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。会社勤めと主婦業のかたわら、小説を書き始める。『ビオレタ』で、第4回ポプラ社小説新人賞を受賞。2015年6月『ビオレタ』(ポプラ社刊)でデビュー。」で、「受賞の報せを受けたのは、子どもを保育園に迎えに行き、自宅へと自転車を走らせている途中だったという。」とのこと。

この作品のテーマは「行き場のない思い出や記憶をいれる「棺桶」」。
誰も、思い出したくない思い出はあるもの。二度と思い出したくない記憶、それを葬ってくれる手段があるとしたら、確かに心は軽くなる。

世では「忘れられる権利」が議論されている。
人の記憶は時間と共に薄れて行く。しかしNet時代では、それが永遠に自分に突きつけられる可能性もある。怖ろしいことだ・・・

人は誰でも、色々な過ちを犯す。しかしそれを忘れているから普通に生活することが出来る。しかし一方では、決して忘れない苦い経験も持っている。
それを葬り去る事が出来るのなら、若しかしたら自分も利用するかも・・・

自分も「あれ」と「あれ」を記憶から消し去るため、「ひと箱お幾ら?」なのか、作者の寺地はるなさんに聞いてみたいものである。おっと聞く相手は、雑貨屋「ビオレタ」の菫(すみれ)さんかな??

なお、本の題の「ビオレタ」とは、スペイン語で「すみれ」という意味だという。
「いつも心に棺桶を!」

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