2014年の世界シェア(市場占有率)
昨日の日経、及び日経産業新聞に、2014年の世界シェアが載っていた。
「日本勢、素材・部品で存在感 14年世界シェア調査 9品目で首位に
日本経済新聞社は5日、2014年の世界の「主要商品・サービスシェア調査」をまとめた。50品目のうち日本企業は9品目で首位だった。東レが炭素繊維で大きくシェアを伸ばすなど素材や部品で存在感を高めた。消費者向けの分野では巨大な母国市場を持つ米国や中国企業の後じんを拝しているが、企業向けのビジネスに重点を移していることを示した。
首位の品目数は米国企業が16と最多で、日本は欧州の10に続く。韓国は8、中国が6だった。
東レは炭素繊維で躍進した。14年3月に約600億円で買収した米ゾルテックは低コストの 炭素繊維に強みがある。航空機用など高機能品が得意な東レは品ぞろえ拡充で首位の座を盤石にした。
ソニーはスマートフォン(スマホ)での撮影に使う「CMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサー」で伸ばした。米アップルなどスマホ大手が軒並み採用し、スマホ市場の拡大で出荷が増えた。ソニーはスマホ事業は赤字だが、同センサーを中心とする電子部品事業の14年度の営業利益は930億円と、金融以外で最多だった。
工場の組み立て工程で使う産業用ロボットはファナックが首位。北米を中心に自動車などの新工場での需要を取り込み、15年3月期の純利益も過去最高だった。
市場拡大する企業向け品目では首位以外も日本勢の伸びが目立つ。リチウムイオン電池では首位の韓国サムスンSDIがシェアを落とす一方、2位のパナソニックが米テスラ・モーターズの電気自動車向け出荷が増え追い上げた。消費者向けではデジタルカメラとレンズ交換式カメラでキヤノンが伸ばしたが市場は縮小している。同社は監視カメラ3位のスウェーデンのアクシスコミュニケーションズを今春買収。企業向け需要が好調な監視カメラに力を入れる。」(2015/07/06付「日経新聞」p1より)
「4品目で首位交代 世界シェア調査
中小型液晶、LG 衣料品、H&M 中国の販売拡大映す
日本経済新聞社が実施した世界シェア調査で、対象50品目のうち中小型液晶パネルや衣料品など4品目の首位が交代した。経済成長は減速しているものの、所得や生活水準が上昇している中国で販売を拡大した企業がシェアを伸ばした。自国の需要増加を追い風に、検索サービスやスマートフォン(スマホ)で中国企業の躍進も目立った。 スマホやタブレット端末向けの中小型液晶パネルでは、13年に3位だった韓国のLGディスプレーがジャパンディスプレイやシャープの日本勢を抜いて首位になった。中国の新興スマホメーカーへの出荷増加がLGの伸びにつながった。
衣料品ではスウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)が、「ZARA」を展開するスペインのインディテックスを僅差で抜いた。H&Mは米国やドイツなど欧米のほか、中国で店舗網を広げた。オーストラリアなど進出していなかった地域にも出店した。
新興国での店舗展開などでインディテックスを急速に追い上げ、ユーロ安など為替動向も追い風になった。両社のシェアの差は0.01ポイントしかなく、15年に再び順位が入れ替わる可能性もある。
太陽電池も自国の需要を取りこんだ中国のトリナ・ソーラーが、13年の2位から順位を上げた。中国では内モンゴル地区や江蘇省などで太陽光発電所の建設が続いており、発電事業者への出荷を増やしたほか日本や米国でも伸びた。13年まで2年連続首位だった中国のインリー・グリーンエナジーはトリナにシェアを取られた形だ。
造船は韓国の大宇造船海洋が1位に立った。同社は液化天然ガス(LNG)船やコンテナ船など大型船に強い。2位は現代重工業となるなど、上位5社のうち4社が韓国勢だった。日本企業は今治造船が3位に入った。広島県にあった子会社を統合し、ばら積み船を中心に建造を増やした。
自国の需要増加をバネにシェアを伸ばす中国企業が相次いだ。検索サービスは米グーグルが43.8%と首位を守ったものの、13年よりも15.8ポイント低下した。一方、2位の中国の百度が14.1ポイント高い25.8%と、グーグルを激しく追う。
スマホは韓国サムスン電子(24.5%)と米アップル(14.8%)の2強がシェアを落としたのに対し、3位の中国レノボ・グループが7.2%と2.7ポイント上昇した。4位で同国の華為技術(ファーウェイ)も5.7%と0.9ポイント上げた。
調査対象の50品目のうち、上位3社のシェアの合計が13年よりも大きくなったのは23品目。スマホの普及を受けて市場規模が縮小しているデジタルカメラやパソコンで寡占化が進む。ビール系飲料や炭酸飲料など生活に身近な品目の3社合計も伸びた。」(2015/07/06付「日経新聞」p9より)
*「2014年の世界シェア」の詳細PDFは(ここ)~2015/07/06付「日経産業新聞」p16~17より
50品目のシェアの詳細は、上記のPFDを見て頂くとして、今回目を引くのが、検索サービスにおけるグーグル。昨年6割のシェアだったのが、16%も落ちたという。逆に中国・百度は14%のアップ。これは何を意味するのか・・・。中国の人口が多いためか、それとも中国語以外でもサービスをしているのかな・・・?
改めて、フト気が付いたのが産業用ロボット。ファナックは、イメージ的に世界でもう少しガリバーかと思っていたが。17%か・・・
造船の韓国も、相変わらず1、2、4、5位を占めている。
紙おむつも、日本製が中国でもてはやされていると聞くが、世界シェアは微々たるもの。確かに「パンパース」は30数年前、我々も使ったが・・・
ゲーム機は、任天堂が落ちている。それにしても、この世界は怖い。ちょっと油断すると、あっと言う間に転落してしまう。まさに生物(なまもの)!!
液晶パネルは、こんなにも日本の存在感が無いのか・・・
HDDは上位2社が、それぞれ4割のシェアを持っている。東芝を入れて3社で100%とか・・・。前は、富士通やサムスンがあったのに・・。
NAND型フラッシュメモリーで、サムスンを追撃していた東芝が2.3%ダウン。円安の影響らしいが・・・
CMOSイメージセンサーのSONYは4割のシェアで強い。SONYもCCDを止めるそうだ。CCDに比べて感度が悪いと言われていたCMOSだが、技術進歩は、そんなジンクスをどんどん踏み潰して行く。
デジタルカメラは35%も出荷が減ったと言うが、スマホであれだけ高画質の写真が撮れれば、売れなくなるのも分かる。でもレンズ交換式カメラでの日本のシェアは圧倒的。
こんな動向を見ていると、つい世の中の変化のスピードの速いことを実感してしまう。
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