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2015年6月24日 (水)

「がん」と「癌」の違い

「ヘエー!」こんな定義があるらしい・・・
「(がん社会を診る) 「がん」と「癌」の違い 中川恵一
 この連載では一貫して「がん」という言葉を使っていますが、「癌」との違いをご存じでしょうか。
 「がん」は遺伝子の突然変異によって細胞が増殖する悪性腫瘍全般を指します。漢字の「癌」とは微妙な違いがあります。医学用語の「癌」は、臓器の表面を覆う上皮の細胞から発生する悪性腫瘍を意味し、英語ではカルチノーマと呼びます。ギリシャ語のカニを意味するカルキノスが語源で、当時唯一診断できた乳がんがカニの甲羅のように硬いことから名付けられました。
 上皮とは、皮膚や粘膜など、身体や臓器の表面を覆う組織ですが、外界とつながっていることが特徴です。たとえば、胃癌ができる胃の粘膜は、口や肛門を通じて外界とつながっていますから上皮の一つです。肺癌ができる気管支上皮も、膀胱(ぼうこう)癌ができる移行上皮も、鼻や尿道を通して外界と連続しています。膵臓(すいぞう)などは一見、身体の外とつながっていないように見えますが、膵臓癌ができる膵管は消化液を十二指腸に運ぶためのパイプですから、胃と同様に外界と連続しています。悪性腫瘍のほとんどは、こうした上皮細胞が悪性化した癌です。
 一方、骨や筋肉、脂肪のように外界につながっていない肉にあたる細胞からできる悪性腫瘍を「肉腫」(英語ではサルコーマ)と呼びます。肉腫は癌より頻度は少なく、悪性腫瘍全体の1%を占めるにすぎません。癌とちがって、若い世代にも多く、小児の悪性腫瘍の2割近くが肉腫です。肉腫は幅広い年齢の患者で、全身のさまざまな場所にできるため、治療法も、治療効果も多様なものになります。
 「癌」や「肉腫」のほか、白血病や悪性脳腫瘍など、すべての悪性腫瘍を総称したものが「がん」で、100種類以上あります。東京都にある国立がん研究センターが「癌研究センター」ではないのは、すべての悪性腫瘍を診療の対象にしているからです。
 ただ同じ「がん」でもできる臓器やタイプごとに、できやすい年齢もたちの悪さも全く異なります。日本人は「がんか、がんでないか」で一喜一憂しますが、「がん」という言葉でひとくくりにするのは間違っています。どの臓器のどんな種類の「がん」かが重要なのです。(東京大学病院准教授)」(2015/06/11付「日経新聞」夕刊p10より)

自分は今まで「がん」と「癌」は、単なる書き方が違うだけで、行っている意味は同じだとばかり思っていた。しかし、
「がん」=悪性腫瘍全体を指す
「癌」=悪性腫瘍のうち上皮性のものを指す
のだという。

では「ガン」は???
どうも「がん=ガン」らしい。

何? 自分の一番キライな言葉? 「がん」さ・・・

150624kinsyou <付録>「ボケて(bokete)」より

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コメント

 勉強になりました。私の両親も胃がんでなくなりました。がんでも癌でも素人の私にはどうでもいいことです。要は、そこにいたはずの命が亡くなってしまうことの辛さ、悲しさです。
研究者にとっては、意味の違いを明確にしたいのかも知れませんが、当事者にしてみれば、どちらでもいいことです。結果がすべてなんですから。宣告されてから父は1年と半年永らえましたが、母は、宣告後2週間でした。そのときの宣告は6ヶ月ということでした。
 ある日の朝8時過ぎ、会社に病院から電話が入りました。ちょうと社員の給与計算をしていたので、駆けつけることはできませんもで、2時間ほど経て病院に行くと、すでに母は亡くなったあとでした。医者から母の病気を告げられてから1週間も経っていませんでした。
 一般の方は、癌と聞けば最悪を意識するはずです。それが、がんであろうが癌であろうが。

【エムズの片割れより】
確かに患者にとってみると、同じことですね。でもこの定義、言われてみると、ヘエ~と思います。

投稿: 敏幸 | 2016年8月10日 (水) 12:31

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