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2015年6月 5日 (金)

「受験勉強」の効能!?

先日の朝日新聞にこんな記事があった。
「(プロムナード)受験勉強 今野 敏
 今回は、多くの人から反対意見をいただきそうな話題に、あえて触れてみたいと思う。受験勉強の話だ。
 過熱した受験産業の影響か、まるで受験が悪いことのように、マスコミが取り上げ、また、受験そのものが教育にとってマイナスだというような風潮ができあがった。
 その結果、ゆとり教育が提唱され、いわゆるゆとり世代が生まれたわけだ。それはそれでいいと思う。物事には、必ず悪い面といい面があるものだ。
 そう。どんなことにもいい面があるのだ。では、受験勉強にもあるのか。私は、ある、と思っている。
 受験勉強は、ともすれば批判の矢面に立たされる。どういう批判が多いかというと、まずは、受験勉強で詰め込んだ知識が、その後役に立ったことなどない、というものだ。
 なるほど、と思う。たしかに、受験のためだけに学んだ知識や解答のテクニックそのものは、社会に出てから役に立つものではない。
 受験生に対するプレッシャーも、批判の理由となる。若者たちを受験から解放して、もっとさまざまな可能性を考えさせるべきだという意見がある。ごもっともだ。
 では、受験勉強は、本当に人生に役立たないのか。私自身の経験で言えば、おおいに役立ったと思う。
 私は、月に平均して五、六本の連載をかかえている。どの締め切りも、だいたい遅れたことがない。こうして、長年仕事を続けてこられたのも、受験勉強の経験があったからかもしれないと思っている。
 自ら目標を設定して、その目標を達成するために集中的に知識を蓄積し、なおかつ、問題解決のためのトレーニングをする。そんな充実した経験は他にあるだろうか。
 その経験が後の人生に生きないはずがない。だいたい、受験勉強が役に立たないと批判するのは、ちゃんと受験勉強をした経験がない人に多いのではないかと思うのだが、どうだろう。
 詰め込み教育ではなく、いろいろな可能性を、などとよく言うが、受験勉強一つ乗り切れないで、社会に出て何ができるというのだろう。
 どんな世界にだってそれなりの厳しさがある。プロスポーツの世界や芸能界の競争率は、受験の比ではないはずだ。
 職人の世界だって、料理人の世界だって、厳しい修業が待っている。いや、そういう特殊な世界だけではない。会社員にとっても、あるいは公務員にとっても、目標設定と、目標達成のための努力はとても重要なものなはずだ。
 勉強が得意な子もいれば、苦手な子もいる。それを、勉強だけでフルイにかけるのはおかしいという意見もある。もちろん、そうだ。だが、受験はすべての子供に強制をしているのではない。あくまでそれを選択した者だけがやるものだ。
 そして、学校の勉強は、努力すればそれなりの結果が得られる。だから、ある程度公平だとも言える。
 スポーツや音楽などの芸術を考えてみるといい。それは才能によって大きく左右される。とても公平とは言えない世界なのだ。
 苦しみを乗り越え、目標に向かって一歩一歩歩み続ける。
 私にとって、受験勉強というのは、人生でそういう工夫を初めて学んだ機会だったと思う。(作家)」(2015/05/20付「日経新聞」夕刊p7より)

受験勉強か・・・。もう遠い過去の言葉になってしまった。
自分も、どちらかと言うと、この意見に賛成。「受験勉強一つ乗り切れないで、社会に出て何ができるというのだろう。」という意見も、そうだろうと思う。

自分は、日本の受験制度は、結構フェアーな仕組みだと思っている。
フェアーと言えば、前の司法試験は非常にフェアーな仕組みだったらしい。論文試験は複数の人が採点し、その点に差が出た時には、必ず協議する。もちろん氏名欄と解答欄は番号を振ったあとに切り放され、誰の答案か、採点者は分からない仕組み。
面接試験も、順番が直前に抽選で決まり、面接者と受験生の間を完全に切り放す仕組みがあったと聞く。
受験資格無し。そして、試験のフェアーさがあればこそ、法曹の信頼度が保たれる。

学校の受験塾の世界も、これから少子の時代を迎えい大変らしい。Z会が栄光ゼミを買収するというニュースも先日流れた。Z会という名も懐かしい。半世紀も前の自分の受験の時代からあった。自分も少しだけZ会の通信添削をやったことがあるが、難しくて止めてしまった。

そもそも頭の出来は、親からかなりの部分を受け継いでおり、鳶(とんび)が鷹を生むことはほとんど無い、と自分は思う。
あと15年後、孫の時代の受験事情はどうなっているのか・・・。
ウチの1歳半の孫も、鳶が鷹を生んだことを期待して、何とか行く末を見届けたいものだが・・・

150605neteta<付録>「ボケて(bokete)」より

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