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2015年6月28日 (日)

脚本家「倉本 聰」の講演会:わたしたちと放送~放送90年

HKラジオ第2を聞いていると、色々な人が講演会で話をしている。その中には、なるほど・・・と教訓を得るものがある一方、「ヘエー」と、面白いものとがある。
先日聞いた、「カルチャーラジオ日曜版」「人間を考える わたしたちと放送 ~放送90年(2)倉本 聰」(2015/06/14放送)は、後者の“面白い”講演だった。

<人間を考える わたしたちと放送~放送90年 倉本 聰>

NHKの解説にはこうある。
人間を考える わたしたちと放送~放送90年
各界の著名人に、豊かな人生経験の中から、様々な感動や発見のエピソードを通して、人間のすばらしさや生きる力等について語っていただく連続講座。6月は「わたしたちと放送」をテーマにします。
今年はラジオ放送開始90年。IT技術の革新やインターネットの普及にともなって、メディアのありようも変わり、存続の危機も叫ばれています。一方でグローバル化の甚だしい今日、情報の即時性、重要性はますます高まっています。
わたしたちの放送がどうあるべきか、これからの放送とわたしたちの社会のありようを問いかけます。」(
ここより)

そしてこの講演の、倉本聰氏に経歴について、こうある。
倉本 聰(くらもと・そう)
脚本家、劇作家、演出家。昭和10年、東京都生まれ。東京大学文学部美学科卒業後、昭和34年ニッポン放送入社。37年に退社後、脚本家に転身。52年、富良野に移住。59年から役者やシナリオライターを養成する私塾「富良野塾」を主宰。平成17年には、閉鎖された富良野プリンスホテルゴルフコースに植樹して、同地を自然の森に戻そうとするNPO法人C・C・C富良野自然塾を開設し、その塾長に就任。代表作に『北の国から』『前略おふくろ様』『昨日、悲別で』『ニングル』『優しい時間』など多数。」

この倉本聰氏の話は、まさに人生の回顧録。
「北の国から」で有名な倉本聰氏だが、誰でも突然売れた訳ではない。そこには長い下積みがあり、色々な事件がある。

この話を聞いていて、NHKの大河ドラマ「勝海舟」を巡ってNHKと衝突があり、それがキッカケで北海道に移り住んだ、ということを知り、「ヘエー」と思って、Netで検索してみた。
すると(ここ)(ここ)というサイトで、その経緯が詳しく書かれていた。

軋轢の原因は、脚本家と演出家の境。それが「脚本家が演出権を侵害している」という事になり、ぶつかったらしい。
これは音楽でもあるらしい。編曲家は、楽譜を渡された後は、自由らしい。しかし、時には作曲家から、「ここはこうして」と注文が付くこともあり、制限がかかる。
でも編曲家も演出家も、原点は作曲家や脚本家の原作があってこその存在。自分的には、原作者の意図が勝ると思うのだが・・・
これはクラシック界における指揮者も同じ。指揮者は、いかに作曲者の意図を表現するかが仕事だという。つまり、「自分はこう思うから演奏する」のではなく、「作曲者は、楽譜には書いていないが、こう思って書いたのだろう」と想像して、それを具現化する。
そんな前提で上のNHKの演出家とのぶつかり事件を読むと、自分には違和感を覚える。

それにしても、雑誌の取材者との話は、やっぱり・・・と思う。つまり、取材の相手のことなどよりも、“読者にとって面白い”ことだけをつまみ食いして記事にする。まさに、マスコミとはそんなものなのだろう。

ともあれ、ひょんな事で、倉本聰氏の人生をなぞってしまった。
「北の国から」については、前に書いた(ここ)。これは「もう一度見たい20世紀の名作ドラマ」アンケートで、断トツの1位だった。
また、前に自分が感激したフジテレビの「風のガーデン」(ここ)も倉本聰。

昔の自分の記事を読むと、「北の国から」「優しい時間」「風のガーデン」が「富良野三部作」だという。そう言えば、「優しい時間」は見ていない。
そのうち、たぶんNetで探せば動画がどこかにあるだろうから見てみようかな・・・

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コメント

倉本聰の話とは少しずれますが、私が今まで読んだ本の中で一番面白かったのがNHKのディレクターだった吉田直哉の「思い出し半笑い」という文庫本でした。ドキュメンタリーを撮る時の裏話が書いてあります。博徒の撮影の話、ガマの油売りの話など私たちの知らない事が書いてあります。若い人に貸したら帰ってこなかったので、古本を買い直しました。笑いが欲しくなったとき、読まれると楽しいと思います。NHKもまだのんびりしていた時代の話だと思います。

【エムズの片割れより】
そうですか・・・。
NHKも、今の政権の顔をうかがう時代とは大違いですね。

投稿: 白萩 | 2015年6月28日 (日) 23:47

平成生まれ24歳の娘の大学入学式で国民学校時代の大先輩としてはなむけのことばを兼ねての講演を聴きました。聴衆を惹き付けることができる話し手ですね。ふいうちだったので、たいへん得をした気分になりました。ラジオもリアルタイムで聴きました。放送40周年記念の本シリーズ、最終回は橋本大二郎さんでしたね。

【エムズの片割れより】
まだ最終回は聞いていませんが、このシリーズは大物が出演していましたね。

投稿: kmetko | 2015年6月30日 (火) 11:18

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