« 2015年の「サラリーマン川柳」ベスト20 | トップページ | お腹がよく鳴るのは健康? 不健康? »

2015年5月27日 (水)

藤山一郎の「天草の雨は」

藤山一郎の歌は、もう半世紀以上に亘って聞いてきたが、この歌を聞くのは初めて。先日FMで放送していた古関裕而作曲の、藤山一郎が歌う「天草の雨は」という歌である。

<藤山一郎の「天草の雨は」>


「天草の雨は」
  作詞:藤浦洸
  作曲:古関裕而

天草の 雨は寂しや
乳色に けぶり しとしと
山羊のひとみに たれる雨
沖の薄日で 明日は晴れよ
浜じゃあんぺら もやい船

天草の 雨は悲しや
乳色に 丘も 林も
銀のクルスの くもる雨
鐘の音色で 明日は南風(はえ)よ
娘おませで 思い泣き

天草の 雨はいとしや
乳色に 海は ないどる
むこう雲仙 煙もぬれて
山のつつじの 血のような色を
ひとめ見たさの 思い雨

聞いていて、何か旋律に不思議な不安定さを感じる。歌の構造が、何か・・・
Netで検索しても、この歌の情報はほとんど無い。
福島市古関裕而記念館のHPの、歌手別作曲一覧(ここ)によると、この歌は、1962年(昭和37年)12月発売とのこと。
そして上の音源は、2009年発売の「生誕100年記念 国民的作曲家 古関裕而全集 ~長崎の鐘・君の名は・栄冠は君に輝く~」に収録されているものだという。

確かに古関裕而っぽいが、ヒットする、という感じはあまりしない。だから埋もれてしまったのだろう。

ふと、こんな歌を選ぶFM放送の音楽番組の選曲者とは、いったいどんな人だろう・・・と想像してしまう。
選曲者はジャンル別に分かれているのだろうか・・・。こんな歌を選ぶということは、知っていると言うこと・・・。選曲者の頭の中には、どれだけの曲が入っているのか・・・

昔、子どもの頃、自分の将来の仕事として、“レコード屋”、または“レコード会社の録音技師”という候補があった。いつも好きな音楽を聞いていられる・・・という想像から・・・。
でもこれは勘違い。音楽のジャンルは無数にある。ちょっとくらい音楽が好きだからと言って、それがジャンルをまたいだプロの仕事につながるとは到底思えない。

古関裕而と藤山一郎の隠れた名曲(?)を、自分的に“発見”したつもりだが、それよりも、こんな隠れた歌を放送で流そうと企画した選曲者に思いを馳せた不思議な1曲であった。

|

« 2015年の「サラリーマン川柳」ベスト20 | トップページ | お腹がよく鳴るのは健康? 不健康? »

コメント

「天草の雨は」JASRACには、
歌手名は、立川清登 古関裕而
藤山一郎さんの名前は書いてありませんね。

S38年の「NHKきょうの歌」で立川澄人さんが唄われて、
テレビでも唄われていたようです。
http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000154519

楽譜には、昭和37年6月と書いてあるのもあるようです。

【エムズの片割れより】
JASRACの「歌手・古関裕而」の登録は誤りでは??

投稿: なち | 2015年5月28日 (木) 07:20

CD7枚組「古関裕而全集」では5の9番目に♪
「天草の雨は」とありますがbookの中の曲目
には、「天草の雨よ」となっていてCD盤では
「天草の雨は」とあります。その解説では「天草へはNHKの仕事で一度だけ行ったことがある。まだ橋が架けられる前だった。その時に眺めた風景に雨が降った時はどんなだろうと空想しながらこの曲を作った。」作曲者の言葉です。作詞者は幼児から少年期まで天草で過ごした人でこの歌はNHKの為だけに作られて
昭和37年6/11~24日まで電波にのりました。
と丁寧な解説です。

【エムズの片割れより】
貴重な情報をありがとうございます。
JASRACには「天草の雨は」で、曲名検索の「gracenote」には「天草の雨よ」で登録されていますね。
しかしこの歌は、短命だったのですね。とすると、本当にレコードとして発売されたのかも疑問ですね。

投稿: odoriko | 2015年5月29日 (金) 12:57

私が高校二年の時NHKのみんなの歌で放映されました。楽譜を送って貰いよく歌いました。今朝も散歩をしながら歌い、懐かしく、ネットで調べていましたらあなたのサイトが目に止まりました。

【エムズの片割れより】
忘れ去られた歌かと思っていましたが、現役でしたか!!(笑)

投稿: 佐々木泰樹 | 2015年10月 9日 (金) 10:11

エムズの片割れさんへ
高校3年生の時にNHKから放送されていました。そのとき歌っておられたのは立川澄人さんだと思います。歌詞と曲の美しさに惹かれて良く歌っていましたが、その後全く聞くことはできず、インターネットの時代になってずっと探していました。アップして下さって本当に有難うございます。不安定さを感じるとのことですが、藤山さんの晩年のときの声なのでそのような印象を持たれたと思います。しかし綺麗な旋律で美しい歌詞だと思います。他にも手仕事屋きち兵衛さんの「忘れ雪」も探していましたが、これはyoutubeで探し当てました。
重ねてアップして下さってありがとうございました。

【エムズの片割れより】
この歌は「知る人ぞ知る」歌だったようで・・・
きち兵衛さんの歌も、最近挙げていないので、また挙げようかな・・・

投稿: 北海道の熊 | 2016年5月28日 (土) 00:22

歌詞の一番「しとしとと」は「しとしと」が正解です。なお、同じく一番の歌詞の「あんぺら」について意味不明だったので、天草市役所等に照会しましたが、はっきりいたしませんでした。ところが、最近福島市にある古関裕而記念館にいった折、昭和三十七年当時の音符と歌詞が展示されているのを見つけ、歌詞の注として「アンぺらとは、舟が泊まる時船体にかぶせる雨具のござの筵」と説明書きあり疑問がとけました。この唄を大勢の人に紹介して歌ってもらいたいと思います。なんせこの歌は五十年も前雪山のテントのなかで歌詞を間違えながらも山仲間と歌った懐かしい曲だからです。

【エムズの片割れより】
ご指摘ありがとうございました。歌詞を修正しました。
それにしても、こんなマイナーな(失礼!)歌をご存じだったとは・・・
世の中、狭いですね。

投稿: 高橋弘信 | 2018年1月30日 (火) 14:48

天草では毎年唄われrいる演奏会があります。司会されている方と2年前箏演奏会で知り合いました。h動画公開されています。
ttps://www.youtube.com/watch?v=xb4Q03CaZMU

投稿: 肥後の風 | 2018年10月15日 (月) 19:43

この動画はネット検索で入手した楽曲と公開中の写真で構成しました。
故郷のイメージが広がればいいなあ。

https://www.youtube.com/watch?v=t8TpdjmkuDE

投稿: 肥後の風 | 2018年10月15日 (月) 19:48

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 2015年の「サラリーマン川柳」ベスト20 | トップページ | お腹がよく鳴るのは健康? 不健康? »