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2015年4月 5日 (日)

犬の目の見え方

我が家の愛犬、メイ子(12歳のヨーキー)が階段から落ちたという。
最近のメイ子は、夜になると、カミさんの寝床に入りたがり、夜半に居間に降りていく。所が、昨夜、ドタンと音がしたとか。それから、階段を降りるのに躊躇しているとか・・・
カミさんに言わせると、階段が暗いので、それで足を踏み外したのではないか・・・
そもそも体重3キロのヨーキーにしては、階段を降りるのは結構大変。でも暗くて困っているとしたら、助けねば・・・
というワケで、今日はホームセンターで、明るい常夜灯を買い、階段に据え付けた。これで、常時ある程度の明るさは保てる。これで足を踏み外さなければ良いか・・・
しかし、獣(けもの)の犬は、人間よりもよっぽど目が見えると思っていたが、どうなんだろう・・・

先日の朝日新聞に、犬の目の見え方について、こんな記事があった。
「(ののちゃんのDO科学)犬にはどんな景色が見える?
 ■赤を感じにくく、青っぽいかも
 ののちゃん 犬の散歩コースに、きれいな花が増えてきたよ。犬にはどんな景色に見えているのかな。
 藤原先生 ののちゃんと同じようには見えていないと思うよ。目の奥の網膜にある、色を感じるセンサーの種類が人間より少ないから。
 のの 色のセンサーって?
 先生 人間の目に見える可視光は、波長が長い「赤」から、波長が短い「紫」まで、さまざまな色の光が混じっているのは知ってるわね。
 のの うん。虹が見える仕組みで習ったよ。
150405inu 先生 人間の網膜には「錐体」というセンサー細胞が3種類あるの。感じる色の波長帯がそれぞれ決まっているので、目に入ってきた光の色に応じてそれぞれの錐体が出す信号の強さに差ができるわ。脳はその差を判定して色を認識するのよ。
 のの なんだかややこしいね。
 先生 そうなの。黄を中心に赤から緑にかけての波長が長い領域の光を感じるものと、波長が短い青や紫の光を感じるもの、その間の緑周辺が得意なものの三つよ。
 のの で、犬はどう違うの?
 先生 犬は、長~中間の波長を感じる錐体がひとつで、青の錐体と合わせても2種類しかないの。私たちは犬になれないから想像だけど、犬は赤の光が目に入っても、認識しにくくて、灰色のように感じるらしいの。黄から紫までは感じるはずだから、やや青っぽいというか緑っぽいというか、そんな風に世界は映っているみたい。
 のの えー? じゃあ、きれいな赤いバラとか、おいしそうなお肉の赤とかがわからないの? 残念。
 先生 でもね、明るさを感じるセンサー細胞の「杆体」は、犬のほうが多いの。夕暮れなど薄暗いところでは私たちよりもはっきりとものが見えているはずよ。
 のの ふうん。そういえば、暗くなってから散歩にいくと、前を横切る人や車に、私より先に気付いてくれるわ。ところで、車のライトが当たると犬の目がピカッて光るけど、あれは何?
 先生 人間にはない「タペタム」という膜が反射したの。目の奥にあって、それも犬の視覚に関係があるのよ。光を反射することで、暗い場所でも、ものの輪郭をくっきり浮かびあがらせるの。特に足元がよく見えるみたい。タペタムは猫にもあるわ。
 のの なんでそうなっているの。
 先生 犬は、薄暗いところで行動する性質があるからよ。野生のときは、えさにする動物の動きを逃さずに捉えられるようにしなくてはならないの。色をたくさん感じるよりも、暗いところでもはっきり見えることが大事なのね。
 のの 人間も犬も、それぞれ見え方に持ち味があるんだね。(取材協力=倉敷芸術科学大学・古川敏紀客員教授、構成=熊井洋美)」(2015/04/04付「朝日新聞」e6より)

言うまでもなく、カラー映像は、赤青緑という色の三原色によって作られる。人間もその3つの色のセンサーによってカラー映像を認識する。しかし犬は2色しか認識していないという。
wikiの「錐体細胞」の項には、このような記述がある。
「脊椎動物の色覚は、網膜の中にどのタイプの錐体細胞を持つかによって決まる。魚類、両生類、爬虫類、鳥類には4タイプの錐体細胞を持つものが多い(4色型色覚)。よってこれらの生物は長波長域から短波長域である近紫外線までを認識できるものと考えられている。一方、霊長類以外のほとんどの哺乳類は錐体細胞を2タイプしか持たない(2色型色覚)。哺乳類の祖先の爬虫類は4タイプ全ての錐体細胞を持っていたが、初期の哺乳類は主に夜行性であったため、色覚は生存に必須ではなかった。結果、4タイプのうち2タイプの錐体細胞を失った。」
なるほど・・・。2色型は、夜行性から来ているようだ。
しかし、夜はよく見えるという。

Netで検索すると、こんな記事が見つかった。
「その他の人間の目との大きな違いは、網膜下に『タペタム(あるいは『輝膜(こうまく)』)』 と呼ばれる反射層があることです。(猫にもあります)
このタペタムが光を反射させるため、犬は暗闇でも行動することができます。
150405inunome(懐中電灯は、小さな豆電球の光を鏡に反射させることによって弱い光を増幅して周囲を明るく照らしだしますよね? あれと同じ原理です)
また、タペタムが反射した光のために、暗闇の中では犬の目は光って見えます。
・・・・・
画像を感知する網膜(もうまく)の中には視神経につながっている神経細胞がありますが、犬の目には桿状体(かんじょうたい)という光 (明暗) を感知する細胞は多くあるのに対し、錐状体(すいじょうたい)という色を感知する細胞は非常に少なく、そのために犬は色を感知できないとされています。
ですが、桿状体は人間よりも多く持っていて、光には敏感に反応します。
そのため、朝方や夕暮れ時などの薄暗い状態では、人間よりもはっきりと物を見分けることができます。
これはイヌがもともと夜行性で、夕方から明け方にかけて狩りをしていたためです。
夜の暗がりの中では色は重要な意味を持つものではなく、物の形さえ感知することができれば良かったため、色を感じる機能が発達しなかったのではないかと言われています。」(
ここより)

なるほど・・・。やはり夜行性から来ている。

ともあれ、ひょんな事からメイ子の目について、学んでしまった。でも、それより心配なことは白内障。ウチのメイ子の白内障は、あまり進んでいないが、犬によっては白内障で目が見えなくなることが多いという。
12歳か・・・。最近は、メイ子の健康ばかりが話題になる。「今日は食べたか?」・・・
何とも気になる、老犬ではある。

150405otose<付録>「ボケて(bokete)」より

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コメント

朝日の記事に協力をしました古川と申します。暗い所では犬は人よりも明るく見えますが、真っ暗闇では無理です。

それと白内障をお持ちとの事、進行していれば心配ですね。軽い白内障ではチラホラ雪の日に車に乗って前の方を見ると明るい割には物が見えづらいですね。これと同じように物が見えていると思います。白内障が進行するとこれがもっと酷くなります。
更に人と同じ様に網膜の色々な病気もあります。暗い所で物が見えづらい様であれば夜盲の心配もあります。その場合は階段を明るくしていれば大丈夫ですが、病気によっては夜盲が進行して失明に至る事もありますので、早めに眼科を専門とする獣医さんの所で診察を受けられる事をお勧めします。

【エムズの片割れより】
著者の方からコメントを頂けるとは、光栄です。
ウチのメイ子の白内障は、テレビに犬が出てくると、脱兎のごとく駆けだして吠えるので、その反応で、見えているな・・・と判断しています。獣医さんにも見て貰うようにします。
ありがとうございました。

投稿: 古川敏紀 | 2015年4月 9日 (木) 16:46

今晩は。

チワワのこつぶを亡くして2年が過ぎました。
途中から来た子なので、推定ですが、14,5歳だったと思います。
いくつの頃からでしたでしょうか、階段の上りは大丈夫ですが、下りが危なっかしくなり、1度は落ちました。
その経験からですが、目の老化の他に、後ろ足が弱ってくることから階段が苦手になることもあると思います。人間も同じ、私は膝が悪いのですが、階段は上りより下りが苦手です。
エスカレーターが上り優先で設置されていることが多いのは残念です。
メイ子ちゃん、お大事に。
こつぶを抱いて階段を上り下りした日々を思い出しています…。

【エムズの片割れより】
ウチのメイ子は、このところガックリと体力が衰えてきたようです。散歩に行っても、トボトボと歩く時は、抱いています。
エサも、食べる時とまったく食べないときがあり、どうも気になります。まあ1日に一度は食べてくれるので、ホッとしますが・・・
命があるものは、切ないですね。

投稿: アンディーのママ | 2015年4月18日 (土) 01:27

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