森昌子の新録音「哀しみ本線日本海」
森昌子のセルフカバー盤を見付けた。
自分はセルフカバー盤が大好き。つまり好きな曲が新録音で発売されると、すぐに聞いてみたくなる。しかし、編曲が大きく変わっていてガッカリすることもしばしば・・・
先日、ふと森昌子がセルフカバー盤を出していることを知って、直ぐに聞いてみた。聞いていて涙が出た。往年の歌声が戻ってきているのである。(彼女の大病などを思い浮かべながら、ホントウに涙が出たのである!)
これはキングレコードへの移籍による新録音だという。そのうち、「哀しみ本線日本海」を聞いてみよう。
<森昌子の「哀しみ本線日本海」(新録音)>
「哀しみ本線日本海」
作詞:荒木とよひさ
作曲:浜 圭介何処へ帰るの 海鳥たちよ
シベリアおろしの 北の海
私には戻る 胸もない
戻る 戻る 胸もない
もしも死んだら あなた
あなた泣いてくれますか
寒い こころ 寒い
哀しみ本線 日本海細い汽笛が こころに刺さる
星屑ばかりの 北の空
涙さえ凍る こんな夜
吠える 風に ふるえてる
胸の痛みを あなた
あなた聞いてくれますか
寒い こころ 寒い
哀しみ本線 日本海入江沿いに 灯りがゆれる
名前も知らない 北の町
凍りつく指に 息をかけ
旅の重さ ペンをとる
綴る便りを あなた
あなた読んでくれますか
寒い こころ 寒い
哀しみ本線 日本海
何よりも、編曲が原曲とそう変わっていないのが良い。何せ、聞く方は、原曲が頭にこびりついている。だからヘンに変わった編曲は馴染まない。
20年間のブランクを経て森昌子が復帰したのが2006年6月。この盤の発売は2014年9月17日だというので、復帰8年目の声である。
復帰した時、自分は大歓迎したもの。現役時代に実に良く聞いていた歌手だったので、特に昔の名曲の再録音を期待していた。しかしそれは今回まで、かなわなかった。実は復帰した当時、テレビで歌う声を凝視(凝聴?)していた。しかし、その声に現役時代の面影は無かった。復帰への期待が大きかっただけに、ガッカリした。20年間のブランクは、肉体労働者の(?)歌手にとっては大変な長さ・・・。声が直ぐに戻るはずもなく・・・。そして子宮ガンという大病・・・
それが、この新録音を聴くと、見事に戻っている。自分のイメージする“森昌子”がそこにいた。移籍の新録音バンザイ!である。
そもそも歌手は、レコード会社の移籍によって再録音する事が多い。石川さゆりも、テイチクへの移籍によって、ほとんどの曲を吹き込み直した。しかもアレンジをほとんど変えずに・・・。それらの録音は自分の宝・・・。前川清も、クールファイブ時代のアレンジをそのままに新録音しているので、実にフィットする。
逆に再録音が自分にまったくフィットしていない例が布施明。何度も書いているように、自分は若い頃の布施明が大好きだった。そして再録音盤も出る度に買ったが、全部NG。アレンジがあまりにも原曲と異なり、自分には合わなかった。井上陽水など、新アレンジでもフィットするものも、もちろんある。自分は難しいのであ~る。
しかし、今回の森昌子の新録音は、次への期待につながる。つまり、これ以外の楽曲の再録音も期待できるので・・・
断トツの歌唱力で若い頃、良く聞いた森昌子。今回の7曲の新録音に続いて、多くの昔の名曲の再録音をぜひ期待したいものだ。(「愛傷歌」の新録音盤はここ)
最後に旧録音も聞いてみよう。1981年7月10日の発売盤である。
<森昌子の旧盤「哀しみ本線日本海」>
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