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2015年4月25日 (土)

「従来型携帯(ガラケー)の生産終了 国内各社、17年以降」

先日の日経新聞に、ガラケーの生産がいよいよ終息するという記事があった。
携帯電話の経緯が良く書かれているので、整理の意味で、読んでみよう。
従来型携帯(ガラケー)の生産終了 国内各社、17年以降
 パナソニックなど日本の携帯端末メーカーが独自の基本ソフト(OS)を載せた従来型携帯電話、通称「ガラケー」の生産を2017年以降に中止する。スマートフォン(スマホ)の普及が進み、ほぼ日本だけで通用する従来型携帯は開発が重荷になっていた。コスト削減のため、開発する全端末のOSをスマホの標準である米グーグルのアンドロイドに統一する。日本がかつてけん引した従来型携帯の基幹技術がその役割を終える。

NECは端末完全撤退
 スマホが主にタッチパネル式の画面を搭載し、様々なアプリ(応用ソフト)を取り込んで機能を拡充して使うのに対し、従来型携帯は通話やメールなどの機能に重点を置き、OSなど基幹技術を端末メーカーと通信各社が共同開発してきた。
 今回、メーカーは独自OSの携帯機種の生産を中止する。ただ、折り畳み式やボタンが付いている形状は中高年を中心に根強い人気があるため、外見や操作性が従来風の端末150425keitai1_2の生産は続けるが、実態は従来型ではなくアンドロイド機種となる。NTTドコモの「iモード」などのサービスは当面維持する。
 NECは現在、ドコモに従来型機種を供給しているが、16年3月に新規の開発をやめ、17年3月には生産も終える。既にスマホ事業も13年に中止しており、すべての携帯電話端末事業から撤退する。販売済みの製品は当面修理を受け付ける。
 富士通やシャープ、パナソニックなどの端末メーカーも相次ぎ、端末のOSをアンドロイドに切り替える。世界規模でスマホのシェアが高まるなか、従来型専用のOSや半導体を開発する意味合いが薄れたと判断。スマホ技術の全面採用で新製品開発コストを減らす狙いもある。
 メーカーの撤退を受け、ドコモも徐々に従来型機種の販売をやめ、見た目が従来型のアンドロイド機種を増やす。KDDI(au)やソフトバンクも同様の措置を取る見通し。既にKDDIが2月にシャープ製の見た目が従来型端末を発売しており、ドコモも年内に複数機種を投入すると決めている。

 日本の電機メーカーと通信各社は1990年代後半から端末の共同開発を加速。99年にはドコモが世界初の携帯を使ったインターネット接続サービス「iモード」を開始し、技術面で世界の通信・電機各社をけん引した。
 ただ、07年に米アップルが「iPhone(アイフォーン)」を発売。翌年からグーグルが世界の端末各社と組んで「アンドロイド」を投入するとスマホが一気に普及した。従来型携帯を得意としたノキアは端末事業を売却し、日本勢もリストラを強いられた。国内端末・通信各社がスマホ技術を全面採用することで、アップルとグーグルの2陣営への集約が進むことになる。」
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日本式携帯に幕 iモードなど、サービスは継続
 日本の携帯電話端末各社が「ガラケー」と呼ばれる日本独自の従来型携帯電話向けの基本ソフト(OS)や専用半導体の開発から撤退する。代わりに米グーグルのOS「アンドロイド」などを活用し、外見や操作性を従来型と近づけた端末として延命を図る。「ガラケー風」の携帯は生き残るが、端末とともにOSや半導体などを一体開発してきた日本の携帯の事業モデルは終息する。
 各社は従来型携帯向けOSの開発終了後も、アンドロイドを使って同様の携帯の開発を続ける。折り畳み式の形状で数字ボタンや十字キーで操作する使用感も維持する見通しだ。
 従来型携帯を利用するユーザー向けに「iモード」など既存のサービスも続ける。日本では150425keitai3シニア層を中心に従来型携帯の購入者がまだ半数程度いる。世界の主流はスマートフォン(スマホ)だが日本で販売をいきなりやめることはできない。消費者にとっては今まで通りの使い勝手の製品を購入・利用できる。
 これまでNECや富士通など国内大手端末メーカーとNTTドコモなど通信会社が一体となってOSや半導体などを開発し技術を蓄積してきた。今後こうした開発体制は大幅に縮小されそうだ。
 日本では1979年に始まった自動車向け携帯電話が携帯通信サービスの元祖だ。各社は端末の小型化などで米モトローラやフィンランドのノキアなど海外勢と競った。91年に小型携帯の先駆けとなる「mova(ムーバ)」を開始。巨大だった端末をポケットサイズに抑え、携帯の本格普及につなげた。
 99年にはドコモが携帯を使った世界初のインターネット接続サービス「iモード」を始めた。携帯の使い道が音声会話からデータ通信に広がり、着信メロディーや携帯向けゲームなどコンテンツ市場が成長する。
150425keitai2 転機は2007年。米アップルが「iPhone(アイフォーン)」を発売しスマホが爆発的に普及する。携帯向けコンテンツ配信もスマホの大画面やアプリ(応用ソフト)に取って代わられ、世界のコンテンツ産業も大きな変革を迫られた。日本の従来型携帯もシェアを徐々に奪われ、結果として生産撤退に追い込まれることになる。
 国内各社は今後、アンドロイドを活用して従来同様の端末を開発するものの長期的にはスマホに押される可能性が高い。世界のスマホ市場ではアップルや韓国サムスン電子、中国メーカーなどが覇権を握りつつある。
 日本勢は小型ディスプレーやカメラ用半導体などスマホ向けの部品開発で世界トップクラスにあるが、端末開発で世界をリードしてきた役割は終わる。世界のIT(情報技術)市場では米グーグルや人脈サイト最大手のフェイスブックなどスマホ向けサービスやアプリが力を増している。国内各社はスマホ生産を支える部品産業の競争力を高めると同時にネットサービスやアプリなどの新産業の育成が急務になる。」(2015/04/24付「日経新聞」p1、p3より)

携帯事業は“生もの”と言われてきたが、まさにその通り。上の2002年と2013年のシェアを見ると一目瞭然。10年前に2割のトップシェアだったNECが撤退・・・。そして、東芝、三菱、三洋も、とっくに撤退。2002年に2位だったパナソニックも「その他」に落ちているようだ。

それにしても“生もの”はメーカーにとっては、やっかいな存在。ゲーム機も同じだが、当たれば爆発的に売れ、当たらなければ膨大は開発費が回収できない。
思い起こすと、最盛時は24時間稼働の派遣社員で、5000人くらいまで増えた自分の知っている携帯電話の工場も、今は跡形もない。

しかし「ガラケー」タイプが、まだ半数以上を占めているとは、これまた意外。まだまだ健在・・・。まあ、使う方からすれば、キーが欲しいのであって、中味がアンドロイドであろうが構わない。
それにしても、「日本がかつてけん引した従来型携帯の基幹技術がその役割を終える。」という文言が寂しい。でもこれは、かつて世界を席巻したノキアの凋落を見れば、仕方がないことかも・・・。
「娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらはす」という言葉もあるので・・・

いつでもどこでも、という意味で使われていた「ユビキタス」という言葉も死語になった。つまり、それが当たり前の社会になってしまったから・・・
しかし・・・・。
前にも書いたが(ここ)、便利なツールはそれに“使われる”のではなく、“使いこなし”たいものである。

150425saikai<付録>「ボケて(bokete)」より

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