少年法の厳罰化「効果ある」78%
先日の日経電子版にこんな記事があった。
「(クイックVote)少年厳罰化、再発防止「効果ある」78%
第215回 編集委員 佐藤賢
川崎市の中学生殺害容疑で少年3人が逮捕されたことを受け、自民党内から少年法の見直し論が出ています。逮捕された少年3人は18歳1人と17歳2人です。20歳未満としている少年法の対象年齢の引き下げや罰則強化などが論点になります。
まずは少年法とはどんな法律なのか、見てみましょう。
少年法は罪を犯した20歳未満の少年について、刑事処分や家庭裁判所の審判手続きを定めた法律です。「少年」を「20歳に満たない者」と定義し、法律の目的を「非行のある少年に性格の矯正、環境の調整に関する保護処分を行い、少年の刑事事件について特別の措置を講ずる」としています。
少年に対する刑事処分か保護処分かの判断は、家庭裁判所に委ねられており、家裁が刑事処分が適当と判断して少年を再び検察に送致(逆送)すれば、起訴されて通常の刑事裁判で審理されます。
この刑罰対象の低年齢化と厳罰化が進んでいます。2001年施行の改正少年法では、この刑罰対象年齢が16歳以上から14歳以上に引き下げられ、16歳以上による重大事件は原則、逆送とする規定が盛り込まれました。
07年には、刑事責任を問われない14歳未満の触法少年への強制調査権が警察に与えられ、少年院送致できる年齢も14歳以上から「おおむね12歳以上」に引き下げられました。
電子版読者の皆さんに少年法の内容を知っているか聞いたところ、「ある程度知っている」が71.7%で最も多く、「知っている」が19.5%、「知らない」が8.8%でした。
ある程度知っているとした49歳の男性は「低年齢なら殺人しても死刑にならないというのは誰でも知っている」とコメントしました。
知っているとした36歳の男性は「これほど知られている法律は他にないだろう。少年ならば誰でも知っている」との認識です。商法や民法などと比べれば、よく知られている法律かもしれません。
厳罰化は再発防止などに効果があると思いますか。「効果がある」は78.0%で、「あまり効果はない」の22.0%を上回りました。
効果があるとした50歳の女性は「見せしめのためにも厳しくすべきだ」と主張しました。あまり効果がないとみる66歳の男性は「衝動的な犯罪も散見され、厳罰化をしてもさほどの抑止効果があるか否かは疑問」と語りました。
20歳未満としている対象年齢を引き下げる少年法の見直しは必要でしょうか。「必要だ」は93.3%で、「必要ない」は6.7%でした。
必要だとする人の意見を見てみます。
○「対象年齢は18歳に引き下げるのが妥当だ。18歳は大人」(68歳、男性)
○「法律が制定された戦後と現代は状況が大きく異なる」(37歳、女性)
○「選挙権も与えるならば、責任も取らせるようにすべきだ」(74歳、男性)
必要ないとした63歳の女性は「年齢を引き下げることが解決につながるとは思えない。犯罪は心の問題」と指摘しました。
川崎の事件のような凶悪な事件は目立ちますが、警察庁によると少年犯罪の件数自体は減少傾向にあります。少年による凶悪犯罪の再発防止には何が必要なのか。川崎の事件を検証し、幅広い視点から冷静に国民的な議論をしていく必要があります。」(2015/03/11付「日経電子版」より)
選挙権を18歳に引き下げようという動きがある。
言うまでもなく、権利(権限)と責任は表裏一体。選挙権を持つということは、一人前。つまり、それなりの責任も持つということ。
しかし、20歳以下は少年法で守られている。「光市母子殺害事件」(ここ)が良い例で、18歳になったばかりの被告が死刑になるかどうかが問題となった。
最近、少年による残酷な殺人事件が多い。「人を殺してみたかった」が代表例。そんな世間の風潮を踏まえてか、上の記事のアンケートでは、厳罰化で再発防止の「効果ある」が78%だったそうだ。
日本は、今まで「20歳から一人前のオトナ」という概念だった。もし選挙権を18歳以上に与えるのであれば、それは18歳以上をオトナとして認めるということ・・・
つまり少年法も一緒に改定して、18歳以上はオトナとしての扱いにすべきではないのか。
戦後の混乱期の「空腹に耐えられず、パンを盗んだ少年」と、今「人を殺してみたかった少年(少女)」を同一視できるとは思えない。
よって、「低年齢なら殺人しても死刑にならない」と一律的に決めるのではなく、オトナと同じ刑罰を与える“可能性もある”いう状態が、抑止力につながるのではないか?
例え、その適用例がゼロだとしても・・・。
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