ワルター編曲のピアノ連弾版・マーラー「巨人」
このところ、色々な“名曲”を、ピアノ編曲版で聞いているのだが、今回はマーラーの交響曲第1番「巨人」である。
先日Netで、何と20歳のワルターが編曲したというマーラーの「巨人」と「復活」のピアノ版があることを知り、CDで聞いてみた。
そのCDの解説にはこうある。
「ワルター編曲版マーラー「巨人」「復活」!
マーラー:交響曲第1番「巨人」のスコアを出版したヨゼフ・ヴァインベルガー社が、第2番「復活」とともにピアノ4手版編曲を依頼してきた際に、マーラーがその仕事に白羽の矢を立てたのが、当時彼のもとで働いていたまだ20歳のブルーノ・ワルターだったのです。作曲も勉強し、ピアノの名手でもあったワルターは、マーラーの期待にこたえるべく真摯に編曲をこなし、両曲は1899年に出版されました。ワルターの回想録によると、彼はマーラーとさまざまな作品を連弾で楽しんだといわれています。その中にはシューベルト、ワーグナー、そしてこれらの交響曲のワルターによる編曲版も含まれていたのでしょう。ワルターは、オリジナルのオーケストラ演奏のイメージを損なわずにピアノの特性を十分に活かして細やかに表出しています。トレンクナーとシュパイデルによる連弾が、高度なテクニックを駆使しながら息の合った見事な連弾を聴かせてくれます。トレンクナーはワルター・ギーゼキングとヴィルヘルム・ケンプに、シュパイデルはイヴォンヌ・ロリオ、シュテファン・アシュケナーゼ、ゲザ・アンダ等に師事したピアニストです。ほぼ編曲と同時代の1901年製スタインウェイ・コンサート・グランドによって演奏されているのも大きな特徴ともいえるでしょう。 」(ここより)
米国から送られてきたCDを聞いた感想・・・。さすがに、うなった・・・。
あの大規模なマーラーがどうなるかと、ハラハラして聞いてみたが、やはりムリがあった・・・!?
その中でも、最も素直に聞けた「巨人」の第3楽章を聞いてみよう。
<ワルター編曲ピアノ版「巨人」#3~Trenkner & Speidel>
それにしても、彼のワルターが編曲したとは・・・。しかも20歳で・・・。
確かにワルターがマーラーの弟子だったことは知っていたが・・・
ワルターの「巨人」の思い出話は、前に書いた(ここ)。この「巨人」だけはワルター以外には浮気していない。高校時代以来、ずっとワルター盤だけを聞いている。そのワルターの編曲と思って聞くと、また味わいがある・・・
しかしピアノ版を聞いていると、耳はどうしても主旋律を追いかける。それが頭にあるオーケストラ盤と合致すると、あまり違和感は無い。しかし、幾ら4手でも、伴奏を弾くのに忙しく、主旋律のテンポが遅れたりすると、即「ヘンだ!」と感じてしまう。
マーラーの交響曲は大編成なだけに、編曲もそうだが、弾くのも大変だ。
名曲を色々な指揮者で聴くのも面白いが、このように別次元から眺めてみるのも、別の趣があって面白い。
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