「脳が顔を認識する仕組み~上下逆転は苦手」
この記事も「ヘェ~」である。
下の写真の右下は、目と口を上下逆にして貼り付けてある。だから異様に見える。右上も実は同じ写真。しかし上下逆転している写真だと、それほど違和感は無い。この現象を「サッチャー錯視」というのだそうだ。サッチャー元首相の顔だと、この現象が分かり易いため、その名が付いたとか・・・
「脳が顔を認識する仕組みは? 上下逆転はなぜか苦手
人は他人の顔の特徴をどうやって読み取るのか。家族や知人か、初対面の人か。喜怒哀楽は? 顔や表情の識別は社会生活を営むうえで極めて重要だ。現代の脳科学は識別の仕組みをまだ十分に明らかにしていない。
「見ているものが顔だという認識と、それがだれで、どんな表情であるかの認識は脳内の別の神経細胞が担う」と産業技術総合研究所の菅生康子主任研究員は話す。
顔の識別に関係する神経細胞は右の側頭葉にある。人間とサルの顔の画像と、同じ画像の上下を逆さにした倒立画像をサルに見せて神経細胞の活動を調べたところ、興味深いことがわかった。
脳はまず顔であることを識別、少し遅れて表情など顔の詳細をチェックすることがわかった。顔を識別する第1段階で使う情報の量は顔が正しい向きでも倒立でも違いはなかった。しかし、顔のチェックは正しい向きと倒立では神経細胞が処理する情報量に差があることがわかった。倒立画像の方が少ないのだ。 心理学では「サッチャー錯視」と呼ばれる現象が知られている。顔が逆さになっていると口や目などに加えられた画像操作に気づきにくい。英国のサッチャー元首相にちなんで名づけられた。同首相の顔写真を加工して例示されることが多い。
顔が倒立だと、脳は顔の細部を的確に把握できないようだ。サルの実験で見つかった情報量の少なさは、倒立した顔を見たときに「神経細胞がうまく情報処理できないことの現れではないか」と菅生主任研究員はみる。
顔認識の仕組みを解明する研究はこの10年ほどで急速に進みつつあるという。磁気共鳴画像装置(MRI)を用いた研究で、脳のどの部位が認識時に活動しているかわかってきたことが大きい。
ただわからないことがまだたくさんある。脳がなぜ倒立画像での表情識別が苦手なのか、その理由も現状ではわかっていない。さらに脳が識別した顔の特徴を記憶にある顔の画像とどのように照合して個人を識別しているかなど、より解明が難しそうな課題がある。
表情などから相手の気持ちを察する能力は集団生活に欠かせない。
表情が読めなかったり相手が誰だか識別できなかったりする「相貌失認」と呼ばれる障害がある。また認知症になると家族の顔を忘れる。こうした症状がどうして生ずるのかを知り治療法などを見つけるうえでも、顔認識の仕組みの解明が役に立つと考えられる。(編集委員 滝順一)」(2015/01/25付「日経新聞」p17より)
理屈は別にして、この現象はなかなか面白い。
Netで検索すると、色々なサイトで実体験できる。(ここやここなど)
もし自分が“次の世”で、「お見合い写真」を撮るとしたら、上下逆の顔写真を作る事にしよう。自分の顔の造作のいい加減さが、バレないかも知れないので・・・
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コメント
私はここ数年、人の顔が覚えられなくて困っていました。近所に越して来られた奥さんの顔が2年ぐらいわかりませんでした。向こうで頭を下げてくれるので助かっていましたが、最近数人そういう人が出来てしまって困っていました。気が付いたのが目の悪さでした。パソコンの字が見えにくいのです。要は相手の顔の造作も良く見えなくなっていたのです。人間は顔の形や背の高さだけではなく、顔の筋肉の動かし方などでも認識していたのですね。この先ますます目が悪くなったらと思うとぞっとします。老化は防ぎきれません。挨拶されたら、目の悪さを先に言っておくことにします。
【エムズの片割れより】
最近、マスクに凝っています。自分の顔の半分以上を隠すマスク。何という安心感・・・。
都合の悪い時は、マスクに限りますマスクのすき間の目だけを見て自分を認識してしまう相手には、もうお手上げですが、少しはバレないかも・・・!?
投稿: 白萩 | 2015年2月 3日 (火) 22:37