先日「SONYの「HDDオーディオプレーヤーHAP-Z1ES」が素晴らしい」(ここ)という記事を書いた。
Z1ESを買ってから、ちょうど1ヶ月になるが、まさにZ1ESに夢中になっている。思い出すと、小学校3~4年生の頃、竹ひごの模型飛行機に夢中になっていた時、「こんなデザインの飛行機に改良しよう・・・」と、夜の床の中で想像し、翌朝部品を買いに模型屋に走ったことを思い出した。それを彷彿とさせるワクワク感なのである。ま、大人のオモチャだが・・・
自分の趣味は、主に日本の「歌」を良い音で聞くこと。ジャンルは、童謡から歌謡曲・演歌まで。若い人向けのJ-POPは苦手だが・・・。
その「日本の歌」を“良い音”で手に入れるため、FMアンテナに凝り、FMチューナーに凝り、そして録音機材に凝った。そしてここ3年ほど安定して運用している機材が、L-02TというFMチューナーとNAC-HD1というPCM録音機での音源集め。FM放送から集めた音源が、もう1000曲以上、NAC-HD1に入っている。
NAC-HD1については、前に「SONYのHDDオーディオレコーダー(NAC-HD1)に惚れた話」(ここ)という記事を書いた。
自分は、NAC-HD1を“一生”使うものだと思ってきた。しかしHAP-Z1ESを買ってからというもの、HD1を全く聞いていないことに気付いた。なぜZ1ESが自分を虜(とりこ)にしているのか・・・。音のしなやかさ、柔らかさは、まさに自分好みで良いのだが、それ以上に、タブレットによる、収録音源の“中味(曲名)が丸見えになる機能”がこの上なく魅力であり、もうHD1には戻れない。HD1が「頑丈で中に誰も入れない密室」とすれば、Z1ESは、まるで「ホテルのロビー」のようだ。誰でも入れるロビーにファイルを置いておくだけで、Z1ESがそれをキレイな音にして再生してくれる。PCオーディオがわずらわしい我々オジサンには、打って付けのコンセプト。(前に「SONYのHDDオーディオプレーヤー「HAP-Z1ES」の残念な仕様」(ここ)ナンテ言う記事を書いた事など、今は夢のよう・・・)
しかしそれには、音源データを、改めてZ1ESに入れる必要があり、CDからリッピングをするしかない。それはそれで良いのだが、肝心のHD1に録り溜めた音源を何とかZ1ESで聞きたい。これが最大のテーマ。しかし、HD1は内部のデータを外に書き出すのは、SONYの固い著作権へのスタンスからMP3でしか出来ない。仕方がないので、256KのMP3でFM放送からのアナログ音源を全部書き出し、Z1ESに入れてみたのだが、それを再生して愕然! CD音源との差があまりに大きく、とても聞けない。何とか、HD1の箱を開けて、WAV音源を取り出したい所だが、如何ともし難い。せっかく溜めたFM音源が宝の持ち腐れ・・・
そして試したのが、いつも聞いているHD1→D/Aコンバータ(DA-200)から出たアナログ信号を、前から持っていたICレコーダーでPCM録音して、そのWAVデータをZ1ESに転送してみること。すると音質がMP3とは全く違う。これなら充分に聞くに堪える・・・。
かくして、試行錯誤の末、何とかやり方が分かり、現在せっせとHD1のFM音源をZ1ESに移している。今日は、自分用の備忘録として、その段取りをここにメモしておくことにした。
(2015/07/04追)
★ウォークマンを経由して、NAC-HD1のPCM信号をそのままWAVで取り出すことが出来ました。下記参照。ここの記事は、あくまでもアナログ音声出力経由でのFLACの作り方です。
NAC-HD1からWAV/FLACとして読み出す方法
<HD1の音源情報の収集>
HD1のFM音源には、全て曲名、アーティスト名、アルバムなどの音源情報が付いているので、このデータを利用することにして、WAV録音用にこれから連続再生するフォルダまたはプレイリストから、あらかじめそのままMP3で外部USBメモリーに書き出しておく。音質は問わないので96Kbpsで充分。
<NAC-HD1音源のWAV化>
前に三洋のICR-XRS120MFというICレコーダーを買った(ここ)。
このICレコーダーは、ライン入力からのPCM録音が出来る。これでWAV化することにした。たまたまHD1で、FM音源を集めた時、月毎にプレイリストを作っておいたので、HD1を再生するときはそれを利用して、連続再生した。ICレコーダー側も、1.5G(2時間余)毎にファイルを作り直すが、連続録音出来る。これで大量のWAVファイルが出来た。
<連続WAVデータの曲間分割>
さて、連続したWAVデータを1曲毎に分割するのだが、これには「Audacity(オーダシティ)」(ここ)(ここ)を使った。(インストール方法は省略)
1)WAVファイルをAudacityにドロップ。
2)再生をしながら、分割点の確認。波形を横に広げるにはM上の「I」マークの下の「ひしゃく」マークをクリックし、波形の上で右クリックすると広がる。逆にshift右クリックで縮小する。再度「「I」マークをクリックして戻す。
3)分割点が見つかったら、「トラック」「選択範囲にラベルを付ける」で「S(半角小文字)」と記入。
4)曲の分割点で、同じことを続ける。
5)それが終わったら、「ファイル」「複数ファイルの書き出し」をクリック。
6)「複数ファイルの書き出し」の窓で、「書き出し場所」のフォルダを指定し、「ファイルの命名」で「ラベル/トラック名の前に番号付加」を選択。「書き出し」をクリックする。
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(自動の分割)→なかなかうまく行かないが・・・
1)上のメニューで「解析」→「silence finder」で出てきた窓で、分割するレベルを40dB(デフォルトは26dB)、分割する無音時間を0.7秒(デフォルトは1.0秒)にする。(これは録音された状況により調整する)
2)「OK」をすると、波形ウィンドウの下にLabel Trackウィンドウが表れる。(音源によっては、最初の曲の頭にトラックラベルが付かないことがあるので注意。その時は下記のように手動で付ける)
<曲の分割の確認>(再分割)
自動で分割しても、うまく分割できなくて2曲が同じになってしまったり、1曲の間にトラックラベルが余計に付いてしまったりすることがあるので、それを手動で修正する。
1)カーソルを分割したい部分の近くに置き、メニューのアイコンをデフォルトの「I(選択ツール)」の下の「拡大ツール(ひしゃく形)」に変え、波形窓で左クリックすると時間軸が拡大する。(逆にシフトを押しながら左クリックすると縮小する)
2)カーソルを「I(選択ツール)」に戻して、分割したい部分の前後を再生して、音を聞きながら確認後、分割したい部分でクリック。
3)メニューの「ラベル」→「選択した部分にラベルを付ける」で新しいラベルができるので、「S」(半角大文字←小文字ではダメ)と入れる。
(分割ポイントの削除)
4)1曲の間に、音量が小さい部分で余計なトラックラベルが付いてしまった場所を削除する時は、不要なラベルの時刻をメモしておき、「トラック」→「ラベルの編集」で、その時刻のラベルを選択し、「削除」。
<ファイルの書き出し>
1)メニューバーの「ファイル」→「複数ファイルの書き出し」をクリック。
2)出てきた「複数ファイルの書き出し」窓で、「書き出し形式」をWAVに、「書き出し場所」を設定。「ファイルの命名」で「ラベル/トラック名の前に番号付加」を選択。「書き出し」をクリック。(「書き出し形式」をFLACにも出来るが、エクスプローラがFLACをサポートしていないため、ファイルの長さが表示されないので、WAVのままとした)
3)出て来た「メタデータを編集」窓は気にせず、全て「OK」。(面倒なのでそのまま)
4)指定した「書き出し場所」のフォルダに、分割されたファイル(01-S、02-S・・・)が出来る。
5)先に保存しておいたMP3のリストをエクスプローラで開き、分割ファイルの長さ(時間)を上から順位に比較していく。
その時、もし分割や結合が必要になったときは・・・。(改めて書くと・・・)
(曲の結合)
1)1曲が2つのファイルに分割されてしまい、例えば「11-S」と「12-S」を結合したい場合は、「Audacity」を起動して、後ろに結合したい「12-S」を読み込み、「編集」「選択」「全て」で曲全体を指定して、「編集」「コピー」を押す。
2)次に、「ファイル」「開く」で、前に来る「11-S」読み込み、曲終わりにカーソルを置いて、「編集」「ペースト」を押すと2つの曲が結合される。
3)メニューの「ファイル」→「書き出し」で「11-S-1」として保存する。
4)元の「11-S」「12-S」ファイルは削除。
(曲の分割)
1)2曲が一つのファイル(例えば13-S)になっている場合は、新たに「Audacity」を起動してそのファイルをドラッグ。
2)上記の<曲の分割の確認>(再分割)で、曲の最初のラベルに「13-S-1」、手動で作った新しいラベルに「13-S-2」と入れて、メニューバーの「ファイル」→「複数ファイルの書き出し」をクリックすると、2つのファイルに分割される。元の「13-S」は削除。
これを繰り返して、MP3リストと同じ曲の配列にする。つまり、演奏時間が同じ順に並ぶようにする。(HD1のMP3リストには、フォルダ毎に曲名のテキストファイルが出来るのでこれは削除しておく)
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<WAVファイル→FLACファイルへの変換と音量のレベル合わせ>
タグ情報の管理のため、WAVからFLACへ変換する。ソフトは「xrecode II」を使った。
(インストール方法は省略~立ち上げる毎に、カウンタが動くが、カウンタがゼロになって色の変わった1~4のどれかのボタンを押すと無料で使える)
1) 音量のノーマライズ(正規化)の設定は、「入力設定」の「正規化を実行」のボックスにチェックを入れる。右隣に「設定」という名のボタンが出てくるのでクリック。「正規化」を選んで、左の欄は上下とも「98」%に、右の「レベルが小さい(大きい)場合」は上下とも「90」(幾らでも良い)に設定。
2)「出力設定」は「ソースと同じ場所」またはあ「場所を指定」
3)「目的の形式」で「FLAC」を選択。
4)変換するWAVファイル(フォルダ)を、「xrecode II」の窓にドラッグして、「開始」ボタンを押すと、音量のノーマライズとFLACへの変換をしてくれる。
5)「音量のレベル合わせ」~「すべて除去」をクリックして窓を空白にし、上で作られたFLACのフォルダをドラッグして登録する。
6)「入力設定」の「正規化を実行」の右隣の「設定」をクリック。「均一化」をクリック。デフォルトの「89.0」から「93.0」に変更。(リッピングしたCDの音源のレベルと、合わせるため。89dBでは小さいので、自分は93dBとした)。「オーディオに適用」を選択。「OK」
7)「リプレイゲイン」をクリック。「トラックゲイン分析」をクリック。
8)分析が始まり、窓に「トラックゲイン」と「トラック・ピーク」が表示される。「トラックゲイン」がマイナス(-)以外の左端の□のチェックを外す。(+のゲイン補正をしてしまうと、ピークが1を越えてしまい、クリップするので、マイナスゲインだけ実行)
9)「出力設定」で、別のフォルダを指定。「開始」
10)別のフォルダに出来た93dBに補正されたFLACファイルを、元のFLACフォルダに上書き。
以上で、最大音量が93dB(しかしクリップする可能性のあるファイルは0.98まで)のFLACファイルが出来る。
(2017/05/08追)
「xrecode II」が応答しなくなった。Netにつながっているとダメ。(ここ)で「オフラインまたはファイアーウォールでXrecodeIIの通信をブロックすると動作します。」
設定方法は(ここ)で、「別のプログラムの許可」で「xrecode II」を追加し、「パブリック」にチェックを入れたら動き出した。良く分からないが・・・
<FLACファイルへのタグ情報の埋込>
「STEP_M」(ここ)を使用。
*「オプション」「オプション設定」「表示項目設定」で「更新日」と「演奏時間」にクリックを入れておくと便利。
1)WAVファイル(フォルダ)と、同じ順序で並んだMP3ファイル(フォルダ)の二つをドラッグ。
2)上の「ファイル名」を2~3度クリックすると、昇順、降順に並びが変わるので、WAVファイルの順番と、MP3ファイルの順番が合致していることを、確認。
3)MP3リストの「トラック名」「アーティスト名」「アルバム名」など必要な項目をドラッグして選択し、「編集」「コピー」。
4)WAVファイルの該当する最初の部分にカーソルを置いて、「編集」→「貼り付け」。
5) WAVファイルの一番左の欄を下方向にドラッグしてWAVファイル全体を選び、「変換」→「デフォルト変換」→「トラック名→ファイル名」を選ぶ。
6)自分は、後で区別出来るように、「アルバム名」と「ジャンル」を「●WAV」という名前に変更した。ジャンルの変更は、直接入れようとすると窓が出てきてしまうので、「アルバム名」にある「●WAV」の文字をコピーし、ジャンル欄のひとつ上の欄から下までドラッグして、cont+Vで貼り付けた。
7)メニューのフロッピーの絵のアイコンの「タグ情報の更新」をたたくとタグ情報が変更される。
以上の作業で、1000曲以上のHD1の録り溜めたFM放送の楽曲がFLACファイルに化けた。そして、併せてHD1を買う前に集めていた音源のMP3は、そのままHAP-Z1ESに取り込んだ。よって、今まで録り溜めたFM音源は、全てZ1ESに取り込んだことになる。
自分にとってみると、CDからリッピングした音楽より、FMから録った音楽の方がよっぽど愛着がある。併せて、数十年に亘って集めてきたMP3のFM音源の数千曲もZ1ESに入ったので、今までほとんど埋もれて聞いていなかった音源が、タブレットの軽快な操作で直ぐに再生が出来る環境になった。これは画期的なこと。
これらの音楽データは自分の貴重な人生の財産。Z1ESは、HD1のように、数十時間という長大な時間をかけて計画的にバックアップしておく必要がないため(元のHDDにデータがある)、故障時も安心。
しかし、このHAP-Z1ESを買ってから、自分の音楽生活が一変した。
これからは、HD1はタイマーやアナログ録音が出来るメリットから、FM放送の録音はHD1で、そして集まったFM音源は、上記の方法で、Z1ESに取り込んで、聞くのはもっぱらZ1ES、ということになりそうだ。
そのうちに、Z1ESの製造完了のころに、予備としてもう一台買っておこう。
こんな素晴らし音楽を充分に楽しむため、「長生きしなくては!」とまで思わせた「HAP-Z1ES」である。
(付録)★データベースの削除方法(SONYのここより)
「データベースの消去または設定の初期化を試す(スペシャルモード)
ハードディスクオーディオプレーヤーの不具合が解決しないときは、[スペシャルモード]と呼ばれる機能を使ってみてください。
1.スタンバイ(シャットダウン)状態のとき、HOMEボタンを押しながら、電源ボタンを押す。
[スペシャルモード]画面が表示されます。
2.[データベースを消去する]または[すべての設定を初期化する]を選ぶ。
データベースの消去または設定の初期化が完了したら、メッセージに従ってハードディスクオーディオプレーヤーを再起動してください。
・データベースを消去する :
ハードディスクのフォーマットを行うわけではなく、登録されている情報のみを消去します。データベースの消去後はハードディスクの再スキャンを行なってください。データベースの消去後はコンテンツが一切表示されず空になったように見えますが、実際にはコンテンツがハードディスク内に残っています。再スキャンを行なうことでコンテンツが再登録され、表示されるようになります。」
(関連記事)
SONYの「HDDオーディオプレーヤーHAP-Z1ES」が素晴らしい
NAC-HD1からWAV/FLACとして読み出す方法
●メモ:カウント~630万
<付録>「ボケて(bokete)」より
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