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2014年8月 6日 (水)

作家・落合恵子さんの話~NHK「こころの時代」「いのちをつなぐ」より

先日、NHK「こころの時代」「いのちをつなぐ」(2014/08/03放送)を見た。(2013/07/07の再放送)
NHKのこの番組の解説にこうある。
「作家・落合恵子さんは自宅で7年間母を介護した。それは、未婚のまま自分を産み育ててくれた母との関係を見つめ直す日々だったという。深まる「いのち」への思いを聞く。

140806ochiai 作家・落合恵子さんは、50代半ばから7年間、母の春恵さんを自宅で介護した。未婚のまま出産する道を選んだ母は、落合さんが生まれたとき「私のところに来てくれてありがとう」と語りかけた。そして「自分の人生は自分で決めなさい」と教えてくれた。尊敬してきた母が認知症に倒れたとき、落合さんは介護を通して改めて母との縁を結び直すことを選んだ。母と自分との関係を見つめ直すことで出会った「いのち」の奥深さを語る。【出演】作家…落合恵子、【きき手】町永俊雄」(ここより)

日曜日の朝の、Eテレのこの番組は、毎週録画している。しかし出演者は宗教者が多く、番組全部を見ることは、実はほとんど無い。しかしこの落合恵子さんの話は、一気に見てしまった。
実は、自分は落合さんの本を読んだこともないし、知っているのは名前だけ。(絵本の好きなウチのカミさんは、子どもが小さかった頃、落合さんのクレヨンハウスに行ったことがあり、記念写真も残っているとか・・・)
しかし今回の話で、落合さんがいわゆる父無し子(婚外子)であり、母親が苦労して育て、そして母を看取った人生を語っていた。
その中で、印象に残った部分を少し聞いてみよう。

<NHK「こころの時代」「いのちをつなぐ」落合恵子より>

母・落合春恵さんは2007年8月に84歳で逝去したというが、この「その人を失って本当に悲しいと思う気持ちは、回復する必要があるのか?喪失の悲しみをずっと胸の奥に置いたまま生きていく人生があっても良いのではないか・・・」という言葉が心に残った・・・

そしてこんな詩の一部を紹介していた。


「・・・・
十歳で死んだ
人生の最初の友人は、
いまでも十歳のままだ。

病いに苦しんで
なくなった母は、
死んで、また元気になった。

死ではなく、その人が
じぶんのなかにのこしていった
たしかな記憶を、わたしは信じる。

ことばって、何だと思う?
けっしてことばにできない思いが、
ここにあると指さすのが、ことばだ。」
長田弘『花を持って、会いにゆく』より

もうすぐ、お盆である。年に一度くらい、亡くなった人を偲ぶのも、良いのでは?
例えその人が自分にとってどのような位置付けにせよ・・・。

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コメント

69年後の広島は雨でしたね。9日は台風のニュースばかりでした。落合氏は綺麗な声をされていますね。紹介された詩に、原爆忌とは関係なく、吉原幸子の「むじゅん」が思いだされました。

 とほいゆきやまがゆうひにあかくそまる
 きよいかわぎしのどのいしにもののとりがぢっととまって
 をさなごがふたりすんだそぷらのでうたってゐる
 わたしはまもなくしんでゆくのに
 せかいがこんなにうつくしくてはこまる
 
 とほいよぞらにしゅうまつのはなびがさく
 やはらかいこどもののどにいしのはへんがつきささる
 くろいうみにくろいゆきがふる
 わたしはまもなくしんでゆくのに
 みらいがうつくしくなくてはこまる
 
【エムズの片割れより】
何との切ない詩ですね。
もうすぐ69年目の終戦記念日。
戦争を知らない世代だけになってしまって、怖ろしいことにならなければ良いのですが・・・

投稿: 樹美 | 2014年8月10日 (日) 19:16

朝日の情報からですが、長田氏が5月3日に亡くなられ12日の天声人語は氏の追悼賦で、夕刊には御ブログで紹介されたことをかみしめるように、落合氏の追悼文が掲載されていました。ぶしつけながら後付けのおせっかいさせてください。上記「むじゅん」の詩句の、各聯おわりの、こまるの前に息をつく間があり、2聯のこまるには!が付いていました。「せかいがこんなにうつくしくては こまる」「みらいがうつくしくなくては こまる!」が正です。なにか政治の舵とりがあやしい雲行きに進んでいるようで心配ですね。

投稿: 樹美 | 2015年5月14日 (木) 17:28

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