NHK「朝ドラ」の歴史・・・
先日、NHKの朝ドラについて、こんな記事があった。
「(文化の扉)はじめての連続テレビ小説 女の人生、時代に寄り添い描く
「あまちゃん」が社会現象化し、その後も高視聴率を維持している「NHK連続テレビ小説」。1961年の放送開始から、現在の「花子とアン」で90作目。さまざまな曲折を経て、今がある。
記念すべき第1作は「娘と私」。獅子文六原作の小説をドラマ化した。ただ、「連続テレビ 小説」の名前通り、5作目まではナレーション中心の「脚本読み上げ形式」による放送だったという。
ドラマ仕立てとなるのは6作目の「おはなはん」から。結婚、出産を経て女性の半生を描く形式が圧倒的に支持され、その後の定石に。期間平均視聴率は前作「たまゆら」より10ポイント以上、上昇した。
伝説となったのは83年の「おしん」。日本のテレビドラマ史上最高の視聴率を誇る。NHKドラマ番組部の遠藤理史部長は「今も海外で新たに放映されるという知らせが届き、ドラマ部で話題になる。自分たちが朝ドラを作る目標というか、壁というか」と語る。
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遠藤さんによると、これまでのヒロイン像は、時代ごとに大きく三つに分けられる。初期は「おはなはん」から「おしん」あたりまでで、古い価値観と戦って働く女性。「縛られた場所から出るヒロインの時代」と認識している。
女性が仕事を持つことが特別ではなくなると、記者(はね駒〈こんま〉)、土俵作り(ひらり)、弁護士(ひまわり)、大工(天うらら)と、「女性が進出しきっていない職種で頑張るヒロインの時代」に。
さらに、2001年の「ちゅらさん」以降は、仕事ではなく「女性の自己実現」がテーマに。家族や恋人とともに、自らも成長する過程を描く。
時代物でも、現代の女性=視聴者の目の変化を意識している。「花子とアン」では、ヒロインの花子も親友の蓮子も、以前ならNGだった道ならぬ恋を経て結婚した。また、前作「ごちそうさん」では小姑(こじゅうと)による嫁いびりが好評だったが、制作サイドは「かつて嫁目線で見ていた人たちが、今は姑目線を楽しんでいるのでは」。
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朝ドラには低視聴率が続き、廃止論が浮上した時期もある。「いつの時期かは言えないが、そういう話はあった」と遠藤さん。流れを変えた節目の作品は、10年度の「ゲゲゲの女房」。総合での放送時間が15分繰り上がり、午前8時からの放送になった。当時の幹部が、「俺が責任を取る!」と言い切って断行したのだという。
それまで、やや低迷していた視聴率は、期間平均で18.6%を記録。朝ドラ終了直後に放送される情報番組「あさイチ」が始まったのも、この時期だ。司会の井ノ原快彦さんと有働由美子アナウンサーが感情移入して朝ドラの感想を述べる姿は、現在では見慣れた感があるが、当時のNHKでは、前の番組を受けて発言することの是非も議論されていた。
NHKのドラマ制作者がチーフプロデューサーとして担当できる朝ドラは通常、キャリアの中で1本だけ。ヒロインも脚本家も、原則として生涯で1本。2本目、3本目が無いからこそ、緊張感を持って作り続けられるのだ。(後藤洋平)」(2014/08/18付「朝日新聞」p24より)
朝ドラについては、前に「NHKの朝ドラ「カーネーション」が面白い」(ここ)という記事を書いた。
「カーネーション」は、ホントウに久しぶりに見た朝ドラだった。その時の記事で、自分の朝ドラの歴史を書いている。大学入学直前に、最初の1週間だけ見た「おはなはん」。仕事で詰めていた横須賀の旅館の食堂のテレビでやっていた「おしん」。そして毎日見た記憶があるのは「君の名は」「ちゅらさん」くらいか・・・
それが、我が家では「カーネーション」以来、朝ドラを見るのが習慣化してしまった。「梅ちゃん先生」「あまちゃん」「ごちそうさん」そして現在の「花子とアン」。
特に、底抜けに明るい「ちゅらさん」は面白かった。そして見落としたのが「ゲゲゲの女房」。しかし既に2012年にBSで再放送されたらしいので、当分見られないな・・・
このドラマは各家庭の朝の定番らしく、亡くなったお袋も、再放送の朝ドラも含めて、毎朝二つを見ていたっけ・・・
自分など、朝ドラの新参者だが、ベテランさんは、番組名を聞いただけで、その当時のことが思い出されるのでは?
そんな意味で、多くの人の人生に根付いている(!?)番組ではある。
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コメント
朝ドラ、第1作から見ています。ついでに大河も第1作から。といっても、エムズさんより若いですよ(笑)。テレビ放送した年の生まれです。
朝ドラのネックはビデオが普及するまでは、何と言っても学校、仕事。学校は朝ドラを見ていて、遅刻する子もいました。病気で学校を休んだりして、朝ドラを見れると嬉しかったです。
小学校の担任がとても話の分かる人で、お昼休みに教室のTVで「おはなはん」、「旅路」を見せてくれたので、この2作は完走できました。
朝ドラの廃止論が出た時期はわかりますよ。私も観なくなった時期ですもの。
大河も観なくなって久しくて、八重の桜で何とか復帰、官兵衛も何とか見ていますが、これも
廃止論が出てもおかしくないのですが(天と地とのとき、これがダメだったら廃止という話があったそうです)、もはや地域振興などの切れないお荷物もついているから、無理なんでしょうが。
中身のことは、良作も駄作もありという感じで、「花子とアン」「ごちそうさん」ともに
大正、昭和の時代をきちんと描けていないということだけでも、駄作だと思います。
どちらもまともに見ていませんけど(TVだけはつけているという感じで)。
【エムズの片割れより】
朝ドラも大河も、惰性で見ている人が結構多いのでは??
大河を見なくなって久しいですが、今の勘兵衛は珍しく毎週見ています。
投稿: たかちゃん | 2014年8月23日 (土) 22:22
NHK朝ドラの過去の放送一覧はここ(↓)
http://www9.nhk.or.jp/asadora/
チェックしてみたら、結構たくさん見ているので驚きました。大人気だった「おはなはん」も、このころはTVを持っていなかったので、全部を通しては見ていないことはもちろんですが、部分的には見ていてよく覚えています。しかし、昔の朝ドラは、この「おはなさん」のように高い視聴率をあげた人気の作品でも、廃棄されて残っていないんですね。もちろんこのころは生放送ではなく、ビデオにとって放送されていたのですが、録画のコストが高く、一つの作品が終わると、使ったビデオの上に上書きし、ビデオは使いまわしというかたちで利用されていたんですね。私が結婚したころは、「鳩子の海」というドラマで鳩子の子供時代を演じた斎藤こず恵が大人気でしたが、このドラマも原ビデオは残っていないんですね。いつだったか、朝ドラの歴史を振りかえる番組がNHKBSで放送されていましたが、斎藤こず恵のお父さんが娘が出ている番組を保存するために、当時非常に高価だったビデオ装置を購入し(ホームビデオが登場する以前だったことを思い出していただきたい)、この番組を一年にわたって録画し、後にNHK放送文化センターに寄贈したという話が出てきました。このため、このころの朝ドラとしては奇蹟的にこのドラの全貌がわかるのだそうです。なお、朝ドラはいまは半年交代で変わりますが、「鳩子の海」が1年物としては最後になります。
それにしても、いくらビデオ技術が高価であったとはいえ、NHKの、放送記録の保存に対する意識の低さには驚くと同時に、怒りさえ覚えますね。
【エムズの片割れより】
たまに放送される昔の番組のときも「昔はVTRテープが高価だったので、直ぐに消して使い回していた」と言い訳していました。
確かに今の感覚では「どうして・・」と感じますが、当時は「保存」よりも「これからの放送をどうすするか・・・」が優先され、仕方がなかったのかも・・・。
投稿: KeiichiKoda | 2014年8月26日 (火) 13:19
上で朝ドラの録画テープが残されているかどうかについてを書きましたので録画テープに関してコメント。2014/10/27の日経新聞(ほかの新聞にも出ていたのでは?)に1973-1977年に関西テレビで放送され、高視聴率を記録した人気ドラマ「どてらい男(やつ)」(西郷輝彦主演)の、2話ー6話、130話-180話の録画テープを探しているという関西テレビの広告が出ているのを見ました。ホームビデオが発売されたはベータマックスが1975年、VHSが1976年ですから、ドラマの大部分(3分の2ぐらい)はホームビデオが存在しない時代の放送で、しかもホームビデオの録画機(VHS)は発売当時25-6万円(平均給与の何倍?)、テープも120分で6000円ぐらいする高価だったようですから、当時所有している人は少なく、たとえ所有していたとしてもたまたまこの番組を録画してたという確率は限りなくゼロに近いのではないんでしょうか。(広告を出しているくらいだから、もちろん関西テレビにはこのドラマのマスターテープは残っていないのでしょう!)
最近、1970年の大河ドラマ「樅の木は残った」(平幹二朗主演)というドラマの総集編のDVDをレンタルして見る機会があったのですが、このドラマもかろうじて総集編だけが存在し、50話ぐらいからなるドラマ全体は残っていないんですね。出演した俳優・女優の名前をざっと挙げただけでも、主演の平幹二朗のほか、尾上菊之助、北大路欣也、岡田英二、森雅之、田中絹代、香川京子、吉永小百合、栗原小巻といった豪華な面々だけに残念。総集編だけではこのドラマの複雑な内容がよく理解できないので、仕方がない、原作の小説(山本周五郎)を市の図書館から借りてきて読み始めたところなのです。
【エムズの片割れより】
NHKの昔の番組もほどんど無いようですね。VTRテープが高価で上書きして使っていた・・・
そういえば、音楽もCD時代は、44.1kのデジタル音源だけ残して、それ以上の高音質音源が無いため、ハイレゾ音源は売り出されないそうです。
投稿: KeiichiKoda | 2014年11月12日 (水) 12:00