成果を出すビジネスマンの流儀
先日の日経新聞に、こんな記事があった。
「成果出す人の流儀は 目標を定め常に全力
年齢や学歴、あるいは社歴に関係なく、誰もが認めざるを得ないほど圧倒的な結果を出す。そんなビジネスパーソンに共通するのは、人が見ていないところでも常に全力で仕事に向かう姿勢だ。失敗や挫折を乗り越えつつ、結果を出してきたビジネスパーソンの事例を紹介する。
コピー頼まれた書類を熟読 書き方や要点 研究
サンリオの人気キャラクター「ハローキティ」が誕生した1974年生まれの鳩山玲人さん(40)は、この若さで同社の常務を務める。三菱商事に在籍中の2008年、米ハーバードビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得。同年、サンリオに転じた。以降、同社の営業利益は5年間で約3倍、株式時価総額は約7倍に膨らんだ。
鳩山さんなくしてこの急成長は成し得なかった。自社の企画商品を直販するのが中心だ った海外でライセンス事業を拡大。ライセンスを供与した企業が従来より自由にキャラクターに手を加えられるようにした。イメージが崩れるリスクがあったが、衣類から食品まで商品の幅が大幅に広がったことで認知度が高まり、ハローキティは“世界のキティ”となった。
「普通の会社員だって、やり方次第で結果を出せる」と語る鳩山さんが新人時代から徹底してきた「仕事の基本」は、やろうと思えば誰でもできることばかりだ。
例えばコピーを頼まれた時、大抵の人は言われた部数をコピーしておしまいだろう。鳩山さんは書類の中身までくまなく目を通す。そこには役立つ情報や仕事のノウハウが詰まっているからだ。
「ある人は箇条書きだったり、ある人は『パワーポイント』で作っていたりと、人によって書き方やポイントが違う。コミュニケーションの方法や表現、文字の使い方について例題を見るような感覚。自分ならこのやり方を実践してみよう、こう直してみようと、色々考えるのが面白い」
年末年始にかけて履歴書を書くのも、鳩山さんが欠かさない習慣の一つだ。転職のためではなく、1年を振り返ってどれだけ自分のスキルが上がったかを確認するのが目的という。職務、スキル、成果を整理することで、自分に何が足りないかを明確にし、そのスキルを磨いていく。
「会社の外に出た時に困ることがないよう、価値のあるスキルを身につけておく。そうすることで余裕が生まれ、将来を見通す手助けになる。中長期で目標を定め、キャリア形成していくといい」と助言する。
鳩山さんの父親は40歳の若さで亡くなった。これを機に、自分もその年齢までに何か大きなことを成し遂げたいと思ったという。その思いが、鳩山さんが仕事に情熱をささげる原動力だ。
誰かに仕事を任せる場合も「丸投げ」せず、自分も当事者のつもりで勉強し、知識を広げる。こうすることでプロジェクトの問題点を見つけやすくなり、成功に近づくという。
」(2014/04/22付「日経新聞」p29より)
この一文を“斜め”に読んだ。
今どき、コピーを人に頼むか?? 書類は秘密の固まり。そのコピーを誰かに頼めば、それを読まれてしまう可能性がある。上の例は、客先へのプレゼン資料など、読まれても大丈夫な書類なのだろう。
組織において、情報の過多はあらゆる事を左右する。よってこのような形で、自分の情報量を増やす心掛けは、なかなかなもの。
そして、「転職のためではなく、1年を振り返ってどれだけ自分のスキルが上がったかを確認する」というスタンスで毎年履歴書を書く姿勢も並ではない。まさに、自分が年々育っていることを確認する・・・。普通は目を背けたくなる自分の姿・・・。
世に「目標管理」という制度がある。期の最初に、各自がその期の成果目標を掲げ、年度末にその達成度をチェックする仕組み。前に流行ったが、今はどうなのだろう・・・。
弊害として、出来る人は、高い目標を掲げ、期末に△の評価。一方出来ない人は低い目標を掲げて◎の評価。上司は、それを見抜くため、より高いスキルが求められる、と言われている。
それらの目標は、1年ごとに成長して行く社員の姿。上の例は、それを自身で確認しようとしているのだから、凡人にはなかなか出来ないこと。でも、履歴書を書くのは無理でも、せめて年始とか期末のような区切りで、自分自身の1年間の成長を確認したいもの。そして年々自身で成長が確認できるような人は、その組織から出ても、幾らでも就職口はある。逆に、今の組織にしがみついて離れようとしない人は、概して成長は無く、転職は無理・・・。
出来る人と出来ない人の区分けは、どこを見ているかの視線が一番分かり易い。視線の先に、グローバルな世界があるか、それとも内向きの自分の世界(組織)だけか・・・。
そのスタンスは、誰からも見えるもの。だから出来る人は、誰が見ても出来るし、出来ない人は誰が見ても出来ない。幾ら恣意的な栄転や左遷があっても、直ぐに時間というフィルターで修正されてしまう。大きな組織では、そんなもの・・・。
とっくに卒業した自分の会社人生を振り返るに、年々の自分のスキルの向上を、自身に説明できるような過ごし方だったら、もう少し出世出来ていたかも・・・。
でも「三菱商事に在籍中の2008年、米ハーバードビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得。同年、サンリオに転じた。」という記述が全てを物語る。つまり会社からすると、出来る人を留めておくことは難しい。この三菱商事でも、せっかくMBA取得まで育てた人材を、結果としてあっと言う間に失っている。
外部志向の強い人ほど優秀なのは、どの組織でも同じ。その優秀な人材を引き留めておくためにも、組織(上司)は活躍の場を与え続けなければならない。それが最大の課題であり、出来る人を活かす唯一の方法。
組織と人材。これほど頭の痛い事柄はない・・・。
現役の人はホントウに大変だな~と、思いながら読んだ記事であった。
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