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2014年4月11日 (金)

人間ドック、血圧など基準緩和 ~「健康な人」増える?

先日から、人間ドックの健康基準が変わる、とのニュースが流れている。「天声人語」に曰く・・・

「東芝社長にして経団連会長だった石坂泰三は、健康法に無頓着だった。定期健診などで時間をつぶす気はない。あるとき言ったそうだ。「ぼくの体のことは、八十年もつき合っているぼくが、いちばんよくわかっている。十五分や二十分ぐらい診た医者に、わかってたまるか」▼石坂の生涯を描いた城山三郎の小説『もう、きみには頼まない』に出てくる。そんな気骨の人にくらべ、健診数値に一喜一憂のわが身である。50代の坂をのぼりつつ「苦手科目」がいくつか増えた▼さて、これは喜ぶべきなのだろうか。日本人間ドック学会などが、いまの「異常なし」の数値は厳しすぎるとして見直すという。たとえば、よく知られる最大血圧の「130未満」が「147」に緩むかもしれない▼ほかにも肥満度や悪玉コレステロール、糖尿病診断の値などを見直す。高血圧に肥満、高脂血症、糖尿病が重なると「死の四重奏」と称される。その弦の張りが、おおむね緩やかになる▼気が大きくなる向きもあろうが、油断はできない。大きめの服を着せられて、自分がスリムになったと錯覚するのは禁物だ。緩んだベルトは「ここまでおいで」と腹囲の膨張を手招きする▼一昨年、人間ドックの受診者で「全項目異常なし」は7.2%と過去最低だった。生活習慣病がらみの異常は50代男性が最多といい、わが世代、どうやら四重奏コンサートのS席らしい。石坂は88歳9カ月で天寿を全うした。鷹揚(おうよう)ぶりを仰ぎつつ定期健診は皆勤としたい。」(2014/04/09付「朝日新聞」「天声人語」より)

そして、それを報じた「朝日新聞」の記事・・・・
「健康」基準、広げます 人間ドック学会、血圧や肥満度
 日本人間ドック学会と健康保険組合連合会は4日、血圧や肥満度などについて、健康診断や人間ドックで「異常なし」とする値を緩めると発表した。国内で人間ドックを受けた人の値を調べたところ、血圧やコレステロールの値がこれまでの基準より高くても「健康」だった。学会は新基準を6月に正式に決め、来年4月から運用する予定。
 学会は2011年に人間ドックを受けた約150万人のうち、たばこを吸わずに持病がないなどの条件を満たす約34万人を「健康な人」とした。そこから5万人を抽出して27の検査項目の値をみた。
 その結果、従来は130未満を「異常なし」としていた収縮期血圧は、147でも健康だった。肥満度をみる体格指数「BMI」も、男性で「18.5~2.7」、女性は「16.8~26.1」の範囲におさまれば健康だった。現行は25以上は肥満とされている。
 コレステロール値については性別、女性は年齢によって健康な人の値が大きく変わるとして、それぞれに分けることにした。現行の基準では特に閉経後の女性は高脂血症と診断されやすくなっていた。
 現行基準は、日本高血圧学会など各専門学会が定めた診断基準をもとにしている。日本人間ドック学会などは新基準を健診施設などで利用するよう働きかける。今後5年間の追跡調査をして、病気発症との関連を調べる。
 同学会は、緩められる新基準の範囲におさまれば、薬を減らせる可能性もあるが、合併症などがあれば治療が必要という。学会理事の山門實・三井記念病院総合健診センター特任顧問は「糖尿病や腎疾患といった持病があるような人は、新基準の範囲におさまっても安心せず、かかりつけ医に相談してほしい」と話している。(
2014/04/05付「朝日新聞」p1より)

ついでに、今朝の日経新聞の記事。
人間ドック、血圧など基準緩和 「健康な人」増える?
     「病気見逃す恐れ」 医療現場から懸念の声
 自分は健康かも――。日本人間ドック学会と健康保険組合連合会はこのほど、血圧や肥満度などについて健康診断や人間ドックで「異常なし」とする数値を緩めると明らかにした。新基準の中には従来の専門学会の基準と大きく異なるものがあり、「健康な人」が増える可能性がある。ただ、医療現場からは「油断し病気を見逃してしまうリスクがある」との声も上がっている。
140411dock  現行の人間ドック学会の基準は、各専門学会が定めた基準値などを使っている。今回、人間ドック学会は2011年に人間ドックを受診した約150万人のうち、持病が無く薬も飲んでいないなどの極めて健康な男女約1万人を抽出。この人たちの検査値を基に、「健康」と判断できる数値の範囲を決めた。
 従来は129以下を「異常なし」としている収縮期血圧は147でも健康に。肥満度を表す体格指数「BMI」も、現行25以上は肥満とされているが、男性は27.7まで、女性は26.1までは健康になった。また、LDLコレステロールや男性の中性脂肪、アルコールによる肝障害の指標になるγ(ガンマ)―GTPは大幅に変わった。
 人間ドック学会は今後も追跡調査をし、できるだけ早く新基準を正式に決め、健診を実施する医療機関に運用を呼び掛ける方針。ただ、糖尿病などの持病がある人は新基準は当てはまらない可能性があるとして、かかりつけ医の指示に従うよう注意を促している。・・・」(
2014/04/11付「日経新聞」p34より)

昨年(2013年)8月に「人間ドック受診「異常なし」7.2% 過去最低」(ここ)という記事を書いた。
この話題はその記事の続きになるが、どうも腑に落ちない。“健康”は誰が決めるの???
上の石坂泰三の「ぼくの体のことは、八十年もつき合っているぼくが、いちばんよくわかっている。十五分や二十分ぐらい診た医者に、わかってたまるか」という発言の方が自分にとってよほど説得力がある・・・。

そして、日経の「従来は129以下を「異常なし」としている収縮期血圧は147でも健康に。肥満度を表す体格指数「BMI」も、現行25以上は肥満とされているが、男性は27.7まで、女性は26.1までは健康になった。」という表現が面白い。何と数字だけで“健康”になってしまうのだ!!

分からないのが「学会は2011年に人間ドックを受けた約150万人のうち、たばこを吸わずに持病がないなどの条件を満たす約34万人を「健康な人」とした。」という定義。
「けんぽれん」の資料(ここ)によると、“健康な人”とは・・・

「今回の基準範囲設定のための基準個体の条件
基準個体とは:いわゆる健康人
条件は下記である
*既往歴で下記の疾患や入院歴のある者を除く
 ・悪性腫瘍、慢性肝疾患、慢性腎疾患など
 ・退院後1か月以内の者
*現病歴で下記のものがある者を除く
 ・薬物を常用している者(高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症等の疾患の治療のため)
 ・B型肝炎・C型肝炎の者
*BMI値:25未満、喫煙なし、飲酒1合未満/日、血圧130/85未満の者」
だそうだ・・・。

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なるほど・・・。この「健康者」の定義によると、幸いにも自分も入る。でも・・・

話は変わるが、昨日は、会社のPCの設定で忙しかった。
誰かに聞けばやってくれるが、でも昔の技術者の端くれなので、自分で・・・。会社固有の設定では、さすがに手こずった。そして、アプリのインストールなど、古いバージョンを入れようとすると、色々とエラーが出てくる。それにしてもNetは便利。まずNetにはつながったので、Netに聞けば何でも答えてくれる・・・。
しかし、つくづく思った。自宅でも会社でも、PCの設定は“心臓によくない”。
動くかどうか、つながるかどうかが、ハラハラドキドキ。そしてエラーが出るとガックリ・・・。
「何とか動いてくれー」と祈りながら待つ時間・・・。これは絶対に心臓に良くない!!
自分は、機械モノになると、ついのめり込んでしまう。食事も何もそっちのけで夢中になってしまう。つまり、その世界に埋没して我を忘れてしまう。
これが、パソコンが相手ならまだ良いが、もし自分や家族が健康上の問題など、ピンチに陥った時、同様にたぶんその問題で我を忘れて、自分を見失ってしまう危険性を感じた。
そんな事で、PCの設定は自分にとって、この上なく“毒”であることが良く分かった。(←解説本を片手にやれば、何の問題もないのに・・・)

先の石坂さんではないが、健康とは、やはり誰かに数字で決めて貰うものではなく、自分で自分の体調を自覚するもの・・・。
よって自分も、健康に害のあるPCの設定はさっさと終わりにして、(人間ドックもとうに卒業したので)数字を調べない平和な生活に戻るのさ・・・。

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