« 「50歳からの食事 脳より賢い腸に従え」~藤田紘一郎氏の話 | トップページ | 「老後は家族に頼る?」 »

2014年3月10日 (月)

日本は長時間労働で生産性の低い国~インドのアウトカーストの仕事

今朝の日経新聞の「グローバルデータマップ」という記事を見ると、経済大国である日本が、世界から見ると「長時間労働」で「生産性が低く」「女性の働きにくい」国だという事が分かる。

140310data1 140310data2 140310data3

新聞の解説にこうある。
仕事と生活 日本は両立途上
     長時間労働で低い生産性 女性の働きにくさ直結
終わらない残業、伸びない給与。日本の労働者が置かれた環境は厳しい。1990年代以降、年間総労働時問は減少したが、短時間働く非正規社員が増えた影響が大きい。20~40歳代の働き盛りの男性正社員の多くは、依然として長時間労働を続けている。欧州諸国は短い時間で仕事をこなすため、結果的に労働生産性が高い。その結果、レジャーやスポーツなど余暇に使う時間も長くなっている。ワークライフバランス(仕事と生活の調和)は女性の社会参画のしにくさにも大きく影響している。」
「欧米は効率よく生産性の高い労働をしている」
「アジア・新興国は労働時間が長い割に生産性が低い」(
2014/03/10付「日経新聞」p9より)

表の左上が労働時間が短く、生産性が高い。そして右下が労働時間が長く、生産性が低い。
この表の国で言うと、日本はワークライフバランスではトルコ、メキシコに次いで、下から3番目。そして年間総労働時間は米国よりも少なくなっている。年間1750時間とすると、月146時間、20日で割ると1日7.3時間である。これは尋常な値ではない。日本人が働き過ぎだと非難されていたことがウソみたい・・・。これは正社員の残業時間を考慮すると、まさに記事のように短時間労働者がたくさんいることを示している。日本人の多くがパート労働者??

そして労働市場における女性の割合が、日本は62%程度。かろうじてOECD加盟国平均よりは上回っているが、日本の文化が影響しているとは言え、この数字をどう見るか・・・

話は変わるが昨日の日経新聞にこんな記事があった。
「(半歩遅れの読書術)世界のトイレ事情、「そこいら中」が当たり前 椎名誠
 いろんな国の辺境といわれるようなところに行くので、トイレ関係の話や本になると体がむずむずする。いや便意をもよおすからではない。あまりにもいろんなスタイルのものがあり、あまりにも多くの国にトイレそのものが無かったりするからだ。
 辺境地の小さな村で住人に聞くと「そこいら中だ」と手をぐるりと回したりする。
 目の前の原野とか砂漠とか川などを示しているのだ。そういう「そこいら中」で用をたすのは最初はちょっと緊張する。しかし長い滞在で慣れると一般的な個室トイレがばかばかしくなってきたりする。
 ローズ・ジョージ著『トイレの話をしよう』(大沢章子訳、NHK出版)は世界中のそうしたトイレを詳細にルポしたトイレ探索研究本の頂点にあるような一冊だ。ルポした人はイギリスの若い女性。しかも美人である(関係ないか)。
 世界65億人が抱える大問題――とサブタイトルにあるように、まだまだ人口が増え続ける地球にとって65億人が毎日排出する大小便の処理は多くの国が結果的に捨てるしかない、という原始的な処置のままである。
 いろいろな糞便(ふんべん)の処理のなかでインドのマニュアル・スカベンジャーの話は強烈だった。インドの田舎を旅するとちゃんしたトイレを使える確率はえらく低くなっていく。「そこいら中」でのやり方になってくるからだ。
 道のはしっこにちょうど両足をおけるような位置にレンガが二つあり、人々は露天のそこで用をたす。ひりすてされた糞便をカラの缶詰や素手で回収し、容器にいれて糞便をためてあるところに持っていく。
 カーストの下のアウトカースト(不可触民よりも下)と呼ばれる人々の仕事で、殆(ほとん)どが女性。インドにはこうした路上簡易トイレが無数にあるという。「統計によって幅はあるがインド中で40万人から120万人のマニュアル・スカベンジャーがいる」という。彼女らは個人の家の同じようなしくみの簡易トイレの始末を専門にする人もいる。個人に雇われた場合の賃金は月に5ルピー(約8円)、自治体に雇われた場合は30ルピー(約50円)だ。
 そしてアウトカーストの残虐なところは、スカベンジャーの子(娘)はスカベンジャーになっていかねばならないことである。
 この本を読むと、高度に先鋭化、システム化した日本の最新鋭トイレが世界一清潔で進化した機能、ということを知る。しかし同時にそれは突出しすぎてこれもまた異常な世界のように見えてくる。(作家)」(
2014/03/09付「日経新聞」p22より)

簡単に「働く」というが、このインドの例は何とも凄まじい。労働生産性の高い低いのレベルではない・・・。
「働く」「仕事」という文字を眺めながら、ウーンとうなってしまう・・・
何ともしまりのない話だが、ついでに『トイレの話をしよう』という本を図書館で予約してしまった!
(付録:「ひりすてされた」という言葉を自分は知らなかった・・・)

●メモ:カウント~550万

140310jyaga <付録>「ボケて(bokete)」より

|

« 「50歳からの食事 脳より賢い腸に従え」~藤田紘一郎氏の話 | トップページ | 「老後は家族に頼る?」 »

コメント

 もう20年も前の体験ですが中国の内モンゴルへ行ったときのこと。ゴビ砂漠の端っこあたり。トイレ休憩の合図があり乗っていたマイクロバスの右側が女子トイレ、左が男子トイレといわれ、風向きを気にしながら済ませたことを思い出しました。
 もっとも、いまでも山歩きに行けば「ちょっとキジうちに」と木の陰に入って済ませるのが「普通」ですよ。でも近頃は、旅先ではいるトイレにウオシュレットがついているか、つい確認してしまうのも事実です。
 きょうは3月11日。3年前の寒かった3月。気仙沼の近くの廃校の小学校の体育館に寝泊まりしましたがトイレの水が流れるのがありがたく感じました。気仙沼をおもい、福島を思いながら…今日は東海道を歩きます。

【エムズの片割れより】
色々と経験豊かですね。
ふと気が付いたら、14:46を過ぎていました。3年前のことを思い出します。

投稿: todo | 2014年3月11日 (火) 03:38

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「50歳からの食事 脳より賢い腸に従え」~藤田紘一郎氏の話 | トップページ | 「老後は家族に頼る?」 »