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2014年2月10日 (月)

「悪化する日中関係 それでも日本語を学ぶ若者」

相変わらず中国や韓国との関係が最悪な日本。
今朝の日経新聞に「日本語熱 世界に広がる」というデータ記事があった。
それによると、日本語の学習者は、地域別の多い順で、
<東アジア>中国104万6490人、韓国84万187人、台湾23万3417人
<東南アジア>インドネシア87万2411人、タイ12万9616人、ベトナム4万6762人
<大洋州>オーストラリア29万6672人、ニュージーランド3万41人
<北米>米国15万5939人、カナダ2万3110人
<西欧>フランス1万9319人、英国1万5097人、ドイツ1万4393人
<南アジア>インド2万115人
<東欧>ロシア1万1401人(2014/02/10付「日経新聞」p9より)
140210nihongo_2 だそうだ。そして人口10万人当たりだと、韓国の1,744人、オーストラリアの1,332人、台湾の1,008人が1,000人台を越えている。つまり絶対人数では中国が圧倒的で、人口比率では韓国が圧倒的なのだ。

先日こんな記事も見つけた。
「(風 北京から)悪化する日中関係 それでも日本語を学ぶ若者
 言うまでもなく、日中関係はとても悪い。こんなとき、中国で日本語を学ぶ若者たちはいったい何を感じているのだろうか、と思った。
 「本当にいいのか。日本語なんて勉強しても将来性はないだろう」。日本僑報社が主催する「中国人の日本語作文コンクール」で1等賞をとった李佳南さん(21)は、受賞作文のなかで、父親にそう言われた経験を書いていた。それでも彼女は、福建省にある華僑大学日本語学科に入学した。「(両国民が)互いに尊敬し、助け合える日が来るだろう」と信じているという。
 李さんに会ってみたいと思い、電話をした。「えっ」と驚いた様子の李さんだったが、すぐに承知してくれた。日本人と話す機会はほとんどないそうで、「私にとってもチャレンジです」という。
 江西省の玉山県にある李さんの実家を訪ねた。省都の南昌から鈍行列車でゴトゴトと約4時間。郊外に山と農地が広がる地方の小さな街だ。
 小ぎれいなアパートの部屋で、白と黒の縞(しま)のワンピースを着た李さんは、ちょっと緊張した表情で話してくれた。日本語学科に入ったのは、語学への関心からで、日本語にこだわったわけではなかったこと。両親は就職に有利な経済関係の学科を勧めたけど、合格点に達しなかったこと。
 ――今の中国で、日本語を学ぶって、どんな気持ち?
 「別に……。でも2年生のときは最悪。勉強しても意味がないと思った」
 李さんが言ったのは、一昨年の尖閣国有化の際の反日デモのことだ。「(日本語学科の)みんなは、ああ、この専門は良くないんだな、選択ミスだなって感じた」
 ――安倍首相の靖国参拝については?
 「本当につらい。どうしてこうなっちゃうんだろう。経済や文化の面で関係を発展させるのは悪いことなのかな?私たちは私たちで勉強するしかないけど」
 父親は出稼ぎに出ており、不在だった。近くの山で農業を営む祖父の遠木さん(82)を李さんと一緒に訪ねた。日中戦争の時、この辺りにも日本の軍隊が来て、食べ物などを奪っていった。殺された人もいたという。ちょっと迷ったが、聞いてみた。
 ――孫が日本語を学ぶのは嫌ですか。
 「そんなことはないよ」。遠木さんは笑顔でそう言った。でも、それ以上は何を聞いても、あまり話してくれない。李さんは、私に申し訳なさそうな顔をした。
 中国では今、約100万人が日本語を学んでいる。有名な日本語教師、笈川幸司氏によると、こうした学生たちにとって、31日からの春節(旧正月)は、親族のなかで居心地の悪いものになりそうだという。日中の交流がしぼめば、就職先もぐっと減る。
 中国と言えば、きつい表情をした報道官が日本を厳しく批判する場面が頭に浮かぶかもしれない。日本人が中国政府の対応に怒りを感じることがあるのはよく分かる。
 だけど、中国にも、私たちと同様、こんな状況は嫌だと思う人がいることも知って欲しい。対立を深める二つの政府の関係だけが、日中関係のすべてであってはならない。
 取材を終え、駅に向かうタクシーのなかで、李さんに将来の希望を尋ねた。返ってきた答えは「日本に留学できれば、一番いい」。垂れた前髪の奥で、その目はすっと前を見つめていた。(古谷浩一 中国総局長)」(
2014/01/27付「朝日新聞」p9より)

国の関係悪化は、時の政権に負う所が大きい。中国も然りで、今の日本嫌いは愛国教育に端を発すると言われている。よって子どもの教育に源があるので、なかなか根が深い。しかし日本はどちらかというと短期戦。状況は時の首相のスタンスでクルクル変わる。しかし今の首相は、中国に追従して日本でも愛国教育をやろうとしているらしいが・・・!?

そんなきな臭い話を別にすれば、語学学習は個人にとっては長期戦。中国の若者たちは、そんな事を超越して100万人もの人が日本語を勉強しているという。これは心強い。日本にとって、これほどの援軍はない。

中国には何度か行った。これは当時カミさんが中国語を勉強していて(近くの女子大が開いていた講座で)、その実地訓練という背景があったが、その時の現地のガイドさんが今でも目に浮かぶ。彼らは日本語を勉強してガイドになったが、日本には行ったことがないと全員が言っていた。
現政権のスタンスで国の間の関係が悪化している影響で、日本からの観光客も減っているだろう。その時、彼らが苦境に追い込まれているのではないか・・・と心が痛む。

ともあれ、今はギクシャクしている中国や韓国でも、そして世界全体でも日本語学習者数が増えているという話は、長期的に、日本の理解者が増えるとも期待され、嬉しいことだ。政治の世界は別にして、住む国は違っても、皆人間である。過去の歴史を否定する必要は全く無いが、正確な歴史を認識した上で、お互いの理解が少しずつでも進むと良いのだが・・・。

140210tabako <付録>「ボケて(bokete)」より

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コメント

ソウルのホテルの前でカミさんと晩飯を食べるところを探すやり取りをしているとその日本語を聞き取ったらしい女子高校生が学校で習っているというきれいな日本語で道案内をしてくれました。3か月ほど前の経験です。
ところでクラシックからなつメロまでとても幅広い音楽をカバーされていてしばしば鑑賞させていただいていますが・・・・中国や韓国の音楽は聞かれませんか?
雅楽や唐楽の歴史はさておくとして、江戸時代から明治のなかごろまで明清楽がつたえられたり20世紀の初めごろには西洋音楽の受容に熱心だった日本からそれらの「成果物」の一部が朝鮮や中国へ伝えられるということもあったように聞きます。
 ヨナ抜き音階が植民地時代につたえられたらしい(もともとヨナ抜きだった?)韓国の民謡や唱歌は違和感なく耳になじんできます。
3年ほど前ユーチューブで イ・ソニという歌手の声を聴いてあっという間にファンになりました。圧倒的な声量と歌唱力。誠実さの伝わる語り口・・・・ハングルを理解できないのに???チョウ・ヨンピル以来 韓国人歌手として30年ぶり カーネギーの大ホールでのコンサートを成功させるほどの人気歌手とは 後で知りました。
 本題から離れているような気もしますが・・・・日本語を学ぶ普通の韓国人と韓国の唄が好きになった普通の日本人のお話をしたかったのですが・・・・・

【エムズの片割れより】
自分は韓国の歌手では、日本で有名なチョー・ヨンピル、キム・ヨンジャ、チェウニくらいしか知りません。まして韓国や中国の歌はどうも・・・
お互いの国は、歌の世界でも色々と影響し合っているのでしょうね。

投稿: todo | 2014年2月11日 (火) 05:18

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