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2014年2月28日 (金)

日本の観光資源は「雪」~星野リゾート代表・星野佳路氏の話

今日は暖かく、東京の気温が19℃になったとか・・・。この2月14日に降った雪も、街ではもうほとんど見かけなくなったが、山奥のウチの近くではまだ雪の塊が残っている。それにこの140228p10206621所、屋根から徐々に落ちてくる雪のため、通行人がケガをしないか・・・と心配して、道路にカミさんが見付けてきた100円ショップのカラーコーンを置いて注意を促してしていたが、屋根の雪も今日の暖かさで、やっと消えたようだ・・・。けが人けが人が出ないでホッとした。(写真は雪から10日後の2014/02/24の風景)
それにしても雪の力はすごい。前の家の屋根では、徐々にずれ落ちてくる雪でテレビアンテナのポールを四方に支えているワイヤーが引っ張られ、とうとうアンテナが倒壊してしまった。それに、自分の家もそうだが、カーポートが、積雪には耐えても、屋根からの落雪に負けて孔が空いてしまった家も多い。何とも、雪は家を壊す威力があるのである。
そんな迷惑千万な雪だが、扱いによっては、格好の国の観光資源になるという。

日本には石油より価値ある「資源」がある(星野リゾート代表 星野佳路氏)
 2013年、日本を訪れる外国人客数が1000万人を突破しました。03年に政府が観光立国を掲げ、東南アジア諸国を対象に観光査証(ビザ)の発給緩和などを進めた結果でもあります。ただ手放しで喜べる状況ではありません。というのも、世界全体で海外旅行市場が伸びていて、伸び率で比較すると日本は世界平均を下回っているからです。つまり、世界の旅行市場での日本のシェアは落ちているのです。
 アジアには日本の上を行く観光立国が少なくありません。例えばお隣の韓国。日本に先んじて、2年前に訪問外国人客数が1000万人を突破しました。観光産業育成に向けた力の入れ方は日本をしのいでいます。中国に対してビザ緩和を進めたほか、一大観光地である済州島をビザなしで渡航できるようにしています。それから国内の観光産業の活性化策も面白い。代表的な事例が、平日に家族旅行を推奨する施策です。
 日本ではお父さんが有給休暇を取得しても、子どもが学校を休めないので親子そろって家族旅行というわけにはいきません。ところが韓国では家族旅行目的なら、子どもに学校を休ませても、欠席扱いにはならないのです。親子一緒に色々な観光地へ行くことは勉強になりますし、家族の絆を強める上でも効果があると考えているからです。この結果、旅行する時期が分散し、観光産業にとって生産性アップにもつながるわけです。
 一方、日本では相変わらず正月やお盆、大型連休に観光需要が集中します。客室料金が高いだけでなく、満室で予約がとりにくい。しかも各地の主要道路では大渋滞……。需要の平準化が進まないため、観光産業の生産性は上がらず、宿泊・レジャー施設を運営する企業の設備投資も活発にならない。このため世界的に観光産業の競争力が高まらず、他国に後れを取るわけです。
 日本は観光立国としては中国、韓国に後れをとっているように見えますが、実際にアジアの人々を対象にアンケートで「行ってみたい国」を尋ねてみると日本が一番なんです。
 その大きな理由のひとつが雪です。雪というのはアジアの観光戦略を考えるうえで、とても重要な資源です。確かに沖縄もすばらしいですが、海のリゾートはほかのアジアにも数多くあります。ですが雪のリゾートとなると、雪の質が良好なだけに日本の競争力が一気に高まるのです。
 シベリアからの冷たい大気が日本の山にあたって大量の雪が降ります。日本より寒い場所は多くありますが、日本のように質の良い雪が降る国はあまりありません。世界的に見ると、北米ではロッキー山脈、欧州ならアルプス、アジアなら日本列島です。観光が経済に大きい影響を与える今の時代、雪は石油より価値あると思います。石油はすごい資源で、「いいなあ底から湧いてきて」と思いますが、雪は空から降ってくる資源です。
 こうした観光資源を生かすには、国を挙げての観光産業の生産性向上が欠かせません。大型連休の大渋滞に巻き込まれても「連休だからしかたない」とあきらめていませんか? ところが、この問題を解決する手段はあるのです。
 私が以前から提唱しているのは、大型連休を地域別に分けて取得することです。実際、年間に海外から8000万人が訪れる観光大国、フランスは実施しています。様々な観光施設の需要が平準化し、生産性も上がり、設備投資も活発になります。そして新しい魅力的な施設が相次ぎ誕生し、人がさらに集まるという好循環が期待できます。
 観光立国を目指すからといって、むやみに観光施設を増やすのは得策ではありません。連休の取り方を変えるだけでも大きな変化を引き起こします。戦略的に観光産業を発展させることは、効果的に国富を増やすことにもつながるのです。

*星野佳路(ほしの・よしはる)1960年4月、長野県軽井沢町生まれ。30代で家業の温泉旅館を継承すると、経営難に陥ったリゾートホテルやスキー場の再生に手腕を発揮し「リゾート再生請負人」の異名を持つ。インドネシア・バリ島にも進出し、グローバル規模で32の高級旅館やリゾート施設を展開している。中学から大学までアイスホッケーに明け暮れた筋金入りの体育会系。趣味は自然の山を滑るバックカントリースキー。」(2014/02/28付「日経新聞」より)

今日のように、少し気温が暖かくなると、気分も明るくなり、どこか旅行に行きたくなる。
そんな家族の観光旅行を、国を挙げて推進している他国の例は興味深い。
まず韓国の「家族旅行目的なら、子どもに学校を休ませても、欠席扱いにはならない」という例。これは日本でも実施可能では?? でもこれも子どもが小学校までかな・・・
そして「大型連休を地域別に分けて取得する」という提案。これはニュースで何度か見たことがあるが、サマータイムの導入さえ出来ない日本の国民性では、このような“柔軟な発想”の実行は難しいかも知れない。

2012年10月に軽井沢に行った(ここ)。
実は行くまで知らなかったのだが、軽井沢のいたる所に、星野リゾートが関係していた。自分はそれまで「星野リゾート」という名前を知らなくて、このときに初めてカミさんから教わったのだが、軽井沢の施設の多彩から、かなり実力のある観光会社であることは分かった。その社長が言うので、上の提言はまあ当たっているのだろう・・・!?
我々シルバー族も、そろそろ冬眠のねぐらから出て、春の旅行の計画でも立てて貰おうか・・・(←自分が立てるのではない。カミさんに立てて貰うのだ・・・!?)

140228jyuutai <付録>「ボケて(bokete)」より

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