「老後おひとりさまも怖くない孤独力を高めるヒント」
先日、日経新聞でこんな記事を見つけた。
「老後おひとりさまも怖くない孤独力を高めるヒント
もし、このままひとりで年を取ったら、50 歳、60 歳になってからとても寂しくなるのでは。そんな不安を持つ人のために、ひとりでいられる力=孤独力の高め方を精神科医の水島広子さんに教えてもらった。「ひとりでも、精神的には孤独じゃない」と思えるカギは、つながっている感覚にあった。
■孤独感から抜け出すには「与える行動」を取ること
「独りぼっちで、寂しくてたまらない」。そんな気分になったとき、実はちょっとした行動一つで寂しい気持ちから解放される。
「例えば、コンビニの募金箱に釣り銭を入れてみたり、道端に落ちている空き缶をゴミ箱に捨てたりする。『私、いいことしたな』と温かい気持ちになります。その瞬間、自分の心が開いて社会とつながっている感覚を味わい、孤独感から解放されるのです」と水島さん。
孤独や寂しさを感じるときは、心を閉ざして自分のなかに引き籠った、精神的に孤立した状態。だが、この気分は、簡単に変えられる。変えるカギは、「与える、感じる、感謝する」行動をすること。「何かとつながっている感覚」を持てるからだ。
「職場で『おはようございます』と自分からあいさつしたり、会釈したりしてみると、自分の心が開いていくのを感じられるものです。相手の立場に立って、電話の取り次ぎメモを残すのもいいでしょう。これらはすべてこちらから『与える』行動です。思い切ってランチに誘ってみたら、仲良くなれたということも起こるかもしれません。『仲がいいわけじゃないのに、ランチに誘っていいの?』という心配は無用。誘われるというのは、自分に関心を持ってくれたということ。誰だってうれしいものですよ」(水島さん)
このとき大切なのは、見返りを求めない姿勢。「相手からどう思われてもいい。私がしたいからするだけ」という気持ちで行うのが、心を開くコツだ。「あいさつして無視されることは、あまりないものですが、万が一返ってこなかったとしても、それは相手が異常事態。『機嫌が悪いのかな』と思えばいいのです」
孤独力を高めるキーワードは「与える」「感じる」「感謝する」
「孤独力を高める行動」
● 職場で…
・自分からあいさつをする
・ほほえんで、会釈をする
・電話を取ったとき、相手の立場に立った伝言メモを残す
・自分からランチに誘ってみる
● 公共の場で…
・落ちているゴミを拾う
・トイレの洗面台の濡れをペーパーでふく
・道を尋ねられたとき、丁寧に分かりやすく教える
・電車の中で席を譲る
● 店で…
・料理を運んできた店員さんに「ありがとう」と言う
・コンビニでお釣りをもらうとき、「ありがとう」と言う
・募金箱に釣り銭を入れる
・「このコーヒー、おいしいな」と感じる
● 家で…
・植物に声を掛けながら水をやる
・「ここだけはきれい、いとおしい」と思える空間をつくる(玄関、トイレ、ベッド周りなど、どこか1カ所でもOK)
・料理を作ったとき「おいしくできた!」と言ってみる
・しばらくぶりの友達に「元気でやってる?」とメールする
・ヨガをしながら、自分の体を感じる
一方で、「あいさつを返してほしい」「ありがとうと感謝してほしい」と思うのは、何かを得たいという姿勢。「こう思っていると、期待した反応が返ってこないと不満に感じてしまいます。満たされないことばかりに意識が向かってしまい、孤独感を深めることに陥りがちです」
つながる対象は、人ではなく自然やモノでもかまわない。夜、ひとりで月を見上げて「きれいだな」と感じてみたり、気持ちを込めてキッチンを磨いてみたり……と、今この瞬間を感じて味わうことでも、「つながっている感覚」を得ることはできる。「ひとりでいても、精神的には孤独じゃないと思える力=孤独力を高めれば、たとえ結婚せずにひとりのまま年を取っても、寂しいと感じることないはずです。『今日もごはんがおいしい』『天気がよくて気持ちいい』と毎日の生活をしっかり味わいながら、楽しく生き生きと過ごしていけるでしょう」
~孤独を感じたときのQ&A~
Q.週末に家でフェイスブックを見ていると自分だけが取り残されたような気持ちになります。
A.「みんなは恋人や家族、友達と一緒に出かけていて楽しそう。なのに私は何の予定もなく、家にひとりでいるなんて……。そう感じて、急に寂しい気持ちになるのでしょう。けれどフェイスブックには、通常はいいことしか載せませんよね。つまりそこで目にしているのは、旅行したり、おしゃれなレストランに出かけたりといった特別な日の光景です。それらと比べて、『私の日常はつまらない』と思うのは無意味。SNSは、孤独感の解消にはむしろマイナスの働きしかしないと思って、見ないようにしてみてはいかがでしょうか」
Q.40歳になって突然このままずっとひとりかもと不安と孤独感に襲われたのですが。
A.「それまで孤独感がなかったのに、突然感じ始めたのなら、それは『40歳の衝撃』のせいです。ある日突然、『気づいたら40歳!』という現実に衝撃を受け、『結婚もしていない、子どももいない……』と足りないところ探しを始めます。『私はなんてダメ人間なんだ』という気持ちになり、自分に落ち度がなかったか原因を探して、これまでの生き方を否定することもあります。ここから抜け出すには、すべては40歳の衝撃が引き起こしている感情なのだと理解した上で、冷静に元の日常生活を粛々と取り戻すことが大切です」
Q.ひとりで外食をしていたら寂しい人と思われないか心配です。
A.「ひとりでいる人=寂しい人という考えは、『トイレにひとりで行く子=友達がいない子』という中・高生レベルのものの見方を引きずっているようなものです。中・高生時代に、みんなで群れていないと孤独に見えたのは、そこが学校という閉鎖空間だったから。みんなと同じ行動をせずにひとり行動すると、目立ってしまったからです。大人は、ひとりでランチを食べている人=寂しい人とは思いません。もし、そう思う人がいるとしたら、その人自身が『ひとりで外食するのは寂しいこと』という概念にとらわれている人なのです」
この人に聞きました
水島広子さん
精神科医。対人関係療法専門クリニック院長。慶応義塾大学医学部非常勤講師。著書は『「孤独力」で“ひとりがつらい”が楽になる』(さくら舎)、『「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』(大和出版)など多数。(ライター 中村陽子)[日経WOMAN別冊おひとりさまのマネー&ライフ術の記事を基に再構成]」(2014/02/03付「日経新聞」)
生涯独身の人も、夫婦でも、必ず訪れる「老後おひとりさま」は覚悟しなければならない。
しかし最も「老後おひとりさま」に弱いのは、妻に先立たれた老いた夫だと思う。それまで、空気のようにいつでも近くにいると思っていた妻に先立たれると、残された夫は茫然自失・・・。全てが手に付かなくなり、結局老人ホームに駆け込まざるを得ない。そうでないと、あっと言う間に孤独死・・・。つまり日常の“食べること”が脅かされる状況に陥るので危ない・・・
それに比べると、前々から覚悟が出来ている生涯独身者や、残された女性は強い。先日電話した10年前に叔父に先立たれた叔母は、娘(自分の従姉妹)の話によると、立ち上がるのに5年かかったと言っていた。でもこれは例外。自分のお袋も、親父が亡くなった後、さんざん泣いていたが、立ち上がるのにそれほど時間はかからなかった。
よって、こんな記事は、残された老いた夫にこそ、必要なアドバイスなのかも知れない。
自分も含めて、妻よりも先に逝くと思っている男たち・・・。うまく行けば、こんなアドバイスは必要無い。さてその思惑通りに行くかどうか?? 要は日常の心掛けだな・・・。自分の場合は大丈夫・・・。(たぶん・・・。恐らく・・・)
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コメント
こんにちは
これは私にとっての現実そのものです、孤独でいることは寂しいことではありませんが、時々人恋しくて、こうしてコメントいたしております。
エムズ様ありがとうございます。
【エムズの片割れより】
いつもコメントをありがとうございます。
そう寂しいことを言わないで・・・。こんな駄サイトでよろしければ、幾らでもご利用を!?
投稿: 空 | 2014年2月14日 (金) 10:36