田中投手のヤンキースと「アンチ巨人」~親父の想い出
このところ、テレビでは楽天・田中投手のヤンキース移籍のニュースで持ちきり。久しぶりに明るいニュースで大いに結構。年俸23億円×7年間という契約は、我々素人には関係無いが、でも日本人がそこまで評価されたのは嬉しい。
今朝の日経新聞「春秋」もその話題・・・
「1964年、ヤンキースは転落への曲がり角にあった。「常勝」の誇りは驕(おご)りにかわり、他の球団に比べて黒人選手を使うのにも消極的だったチームはこの年、2年連続でワールドシリーズ(WS)に敗れる。このあと、WSにすら出られない惨状が11年続くのである。
「この地球上で時間が始まって以来ずっとWSに出場してきたように思えた」と書かれた名門は、半世紀後のいま、成績だけなら普通の球団にすぎない。されどヤンキースだ。かつてほどではないにせよ、いまだ話題になるのが金に飽かせた補強と、好き嫌いのはっきりした野球ファンの存在である。巨人とよく似ている。
田中将大投手(25)がヤンキースと契約を結んだ。年俸にすれば約23億円。破格の金額もさることながら、日本シリーズで巨人をやっつけて判官びいきの喝采を浴びた男が、今度は立場を180度変えてピンストライプのユニホームを着る。そのことが田中投手の個性とどんな化学反応を起こすか、その辺りに関心が向く。
「くたばれ!ヤンキース」と題する本に「われわれはヤンキースを嫌う一方で、同じくらいヤンキースを必要としている」とある。アンチ巨人に重なる屈折したファン心理である。彼らは「嫌いだけど、いないと物足りない」という強敵を相手チームに求めるものだ。そんな「悪役」になる素質を、マー君には十分感じる。」(2014/01/24付「日経新聞」「春秋」より)
常勝チームは嫌われるもの・・・。昔の大相撲の北の湖もそうだった。勝ってばかりいたので、褒められるよりも憎らしかった。
上の記事で「アンチ巨人」という言葉を見て、18年近く前に死んだ親父を思い出した。親父は多趣味だった。将棋、釣り、麻雀、野球、積ん読、週刊誌、健康管理・・・
中でも野球は見るのもやるのも好きで、会社の草野球の前日になると、「野球を教えてやる」との口実で、兄貴と自分がキャッチボールに駆り出されたもの。写真では一度ピッチャー姿を見たが、ナマで親父が投げているところ見たことがない。プロ野球も好きで、いつもテレビの横にラジオを置いて、二つの試合を一緒に聞いていた。一度だけ「何が面白いの?」を聞いたことがある。すると「巨人が負けるのが楽しい」と言って、スポーツ紙まで取って脳出血で亡くなるまで楽しんでいた。
前にも書いたが(ここ)、何度か東京ドームのスイートシートに行ったことがある。親父が死んでからだいぶ経っていたが、もし可能だったら、こんなところに親父を一度でも招待できたらよかったな・・・と思った。もちろん東京ドームのスイートシートは、ドームのスポンサー会社の接待の場であり、素人は入れないのだが・・・。
上の記事で“「悪役」になる素質を、マー君には十分感じる”という視点も面白い。確かにテレビで記者会見を見ていると、松井選手の善良そうな姿に比較して、少しふてぶてしくも見える。まさにマー君がオトナになった証(あかし)!??
野球オンチ人間の自分でも、田中投手のヤンキースでの活躍を見たいものだ。
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東京ドームのスイートシートに行った
●メモ:カウント~530万
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