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2014年1月12日 (日)

「遺骨 宅配便で供養の寺に 広がる「送骨」批判も」

先日の朝日新聞にこんな記事があった。
寺に宅配、「送骨」波紋 身寄りなく…低価格で供養
 遺骨を寺に宅配便で送り、納骨と将来の供養をしてもらう「送骨」が広がっている。「遺骨の引き取り手がいない」といった悩みに応える半面、一般の宗教感情にそぐわないとの批判もある。
140112ikotu  愛媛県伊予市の真言宗智山派入佛寺は、2011年から送骨を受け付ける。料金は5万5千円。埋葬許可書と共にゆうパックで送ると、専用の納骨堂で50年間、骨つぼを保管。その後は集合墓に合祀(ごうし)する。
 ネットで募り、500件ほど依頼があった。離婚した夫の遺骨を引き受けざるをえなかった女性などが多い。「かかわるのは面倒、金もかけたくない。でも寺に置いてあげたい、と思うようだ」と山田晃照住職。
 ところが納骨堂の設置を、市は「国民の宗教感情に合わない」などの理由で認めていない。寺は取り消しを求めて松山地裁に提訴したが9月に敗訴。判決は少子化など社会状況から、こうした供養に一定の需要があると認めた。しかし、住職と会わずにすむ簡便さや低価格を強調したことを挙げ、「商業主義的との印象を与える」と判断した。
 山田住職は「経済的弱者のために価格を抑えたのが商業主義と言われては納得できない」と控訴した。
 ただ全国では、送骨による集合墓などへの埋葬を可能とする寺が増えている。
 先駆けは、富山県高岡市の日蓮宗大法寺だ。継承者のいない人向けの集合墓を建てると、身寄りのない遺骨の依頼がいくつも寄せられ、送骨のシステムを整えた。栗原啓允住職は「死後の安心を与えるのは寺の役割。放ってはおけない」。
 埼玉県熊谷市の曹洞宗見性院は今年10月に始めた。橋本英樹住職は「檀家(だんか)だけでは少子化で先細りは見えている。送骨は寺が外に開かれるための一環だ」。
 国学院大の石井研士教授(宗教社会学)は「先祖供養を基盤とした日本のイエ制度は崩れつつあり、死者をまつる家族の不在が増えている」と、送骨が広がる背景を指摘。「全国から宗旨を無条件に受け入れると、宗教と商行為との線引きが難しくなるだろう」と話す。(宮本茂頼)」(
2013/12/30付「朝日新聞」p26より)

先日母が亡くなったこともあり、最近、故人との付き合い方について考えてしまう。もちろんお墓にお骨は収納されるのだが、お墓との付き合いはどうすれば良いのだろう? お彼岸や命日のお参りはあるだろうが、そもそも残された者にとってお墓とは何ぞや?

故人をなるべく思い出してあげることが供養になる、という話がある一方、亡くなった人にあまり思いを強くかけていると、天に戻ることが遅くなるので、時折思い出してお話しをしてあげることが魂には良い、という話も聞く。
また、そもそもお墓に魂は無いので、お参りをしてお墓を大事することよりも、輪廻転生の道を大事すること、つまり魂を磨くことこそが仏教で大事、とも聞く。
残された人にとって、お墓とはどんな存在なのだろう?

先祖代々の墓は、肉親が一緒にいる最後の場所なので、自分もそこに入る、と思うと精神が安定するのかも知れない。一方、先日都立小平霊園を散歩したが(ここ)、そこで見た樹木葬などの無宗教にも魅力を感じた。

先日の母の葬儀で、上野・谷中の菩提寺から来た住職が、火葬している時の食事のあと、こんな話をしていた。
「谷中といえども、最近はお墓の無縁化が進んでいる。親の年金、特に軍人恩給は金額が良いので、結婚しない子どもがそれで食べている。しかし親が亡くなると同時に生活保護者に転落する。そんな人が多いので、檀家に生活保護者が増えている。普通のお寺は、葬式の無い檀家が1~2割だが、自分の所では1/3くらいになっている。檀家は650ほどあるが、葬式のある檀家は450ほど・・・。
無縁化したお墓は、手続きをして更地に戻すが、15万円ほどかかる。中には、墓を返すが元に戻さない人がいる。どうせ売れば高く売れるので、更地にする費用はそこから出るだろう、と言う人までいる。近所の寺では、一区画墓石込みで95万円というのぼりを建てている寺まである。これから急速な檀家離れで寺も大変・・・」
つい「天下の谷中で、お墓が95万円で買えるのですか・・・!!」と言ってしまった・・・

粛々と進む葬儀。菩提寺のお経で、初めて聞いた「般若心経」。一緒に唱えていると、暗唱でなく“読んで”いるにもかかわらず、間違えている。観音経も“読んで”いる。こんな有名なお経でも、そんな唱え方なので、聞いていて有り難くもなく・・・
自分の葬儀でも、お経を読んで貰っても、有り難いわけではないな、と思う。まあ、葬儀のお寺へのお布施は、お墓に入れてもらう為のお金・・・。

おっと、取り留めのない話になってしまったが、残された人にとって、あまり意味のないお墓だとすると、上の記事の埋葬方法などは、現代人にとっては実に有り難い存在だと思うのだが・・・。

先日の母の葬儀のことを連絡したら、従姉妹から電話があった。その従姉妹の父親、つまり自分も叔父も、子どもが女の子だけで嫁に行ってしまったので、ウチの菩提寺に入っているのだが、時々お墓にお参りに行っているという。
遠くてなかなか行けない地方のお墓より、たくさんの人が入って、知っている色々な人にお参りに来て貰う方がにぎやかで良いのかな・・・とも思う。
おっと、それだったら、小平霊園の合葬式墓地が一番にぎやかかも!?
お墓について色々と考えてしまう今日この頃である・・・。

140112komainu <付録>「ボケて(bokete)」より

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