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2014年1月25日 (土)

日本人の命の価値は約3300万円

先日、日経新聞に人命の価値の記事があった。
「経済教室第4章 価値が語る費用(5) 人命の価値を計算
      東京女子大学教授 竹内健蔵
 東日本大震災や台風・豪雨による洪水によって防潮堤や堤防の重要性が指摘されています。これらも公共プロジェクトであり、その効果を見極めなくてはいけません。
 防潮堤や堤防によって、津波や洪水による死者やけが人を少なくできます。その効果を測定するためには人命の価値やけがの程度による価値を明確にしておかなければなりません。同様に道路整備や改良によって交通事故が減少する効果の計測にも人命の価値の計算が必要になります。
 「人命の価値を計測する」ことほど傲慢不遜なことはない、と考える人は多くいます。確かに感情的には分かりますが、だからといって、それをそのままにしておいて良いでしょうか。というのも、実際に交通事故の損害賠償では金銭による支払いがなされており、保険に関する計算も同様です。経済学は科学ですから、感情を抑えて科学的手法を用いて、この困難な問題を解いていかなくてはなりません。
 現実に行われているのは、逸失利益の計算です。人は2つの選択肢を持っています。つまり、生と死です。交通事故で亡くなった人は強制的に死を選択させられます。そのために140125inochinonedan 生きていれば得られたであろう所得額を犠牲にさせられたわけですから、死亡者の価値はその機会費用である所得によって計算されるということが、逸失利益による考え方の背景にあります。
 逸失利益で計算すると、交通事故による死亡の場合、平均的な人命の価値は日本では約3300万円となります。ところが内閣府の報告書によると、米国における人命の価値は約4億1300万円です。ということは、米国人の人命の価値は日本人の10倍以上ということになります。」(
2014/01/24付「日経新聞」p29より)

日本人の平均的な命の値段は、たった3300万円だって・・・! 何と安いのだろう・・・
そもそもサラリーマンの生涯賃金は?と調べてみると(ここ)、最高のキーエンスという会社は6億円にも達している。

もちろん放送、商社は高給だが、このサイトのベスト1000社のうち、真ん中の500位は2.5億円だという。
ここで論じられているのは「逸失利益」なので、これらの数字は入社したての男性の例になるのかも知れない。

しかし命をお金に換算とは・・・、何か解せないが、他に手段があるかと問われると、思い浮かばない。よって、裁判が全てをお金に換算して行われているように、この仕組みも仕方がないのかも知れない。
でもこの論は、なぜか寂しい。何せ、自分などのシニア族は、既に賞味期限切れなので「逸失利益」となるとツライ・・・。
でも残された人生、それだけではあるまい。ゴールデンエイジとも言われる65~75歳頃の世代の価値が、単に「逸失利益」だけで評価されるのは気にくわない。つまり、お金で表現できない人生の価値、それは存在するのだ。
でもそれは、その時期を“活かして”こそ!・・・
自分がそのお金では評価できない大切な時期を活かし切れているのかと自問するに、どうも自信が無い・・・。仕方がないので「お金で判断できる」今の仕事を続けるしか無いのかも・・・。

140125sanpo <付録>「ボケて(bokete)」より

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