「米原万里の(笑い話の)世界」~Uさんの読書ノート
先日、Uさんから“「米原万里」の小説からの「笑話」を抜き出したもの”を送って頂いた。
いわゆるジョークなのだが、これが意外と難しい・・・
★「米原万里の(笑い話の)世界」~Uさんの読書ノートのPDFは(ここ)
Uさんの一押しの話は・・・
「フランスの客船に乗ったイギリス人が、昼食時に同席したフランス人に「Bon appetit」(ボナペチ)と言われ、「I am Anderson」と答えた。夕食時にも同じ挨拶をするので、英語の解かる船長に「あのフランス人は、何で同じ事を何回も聞くのだ。物覚えが悪いな」と言った所、船長に、フランスでは食事の前に言う「頂きます」という慣用語だと説明された。次に同席した時、イギリス人から「ボナペチ」と言ったら、相手が満面の笑みをたたえ、「アイ アム アンダースン」と答えた。」
Uさんのコメントは、「この中で一番気に入っている話は、ボナペチ」の話です。これは多文化との交流の原点を示しています。食事に初めて同席して、声をかけられたら、自己紹介として自分の名前を言ったと思い、自分の名前である「アンダーソン」と答えた。
意味が分かり、「ボナペチ」と機先を制して言うと、相手は、「頂きます」を英語で「I am Anderson」と言うのだと理解する。相互理解とは何と難しいものであろうか! 話は違うが、横浜開港100年の記念行事として、外国人記者クラブで、林横浜知事(女性)がデナーの前に、英語でスピーチをした。そして最後に、「Bon appetiti」と言っていた。普通に使う言葉らしい。」とのこと。
そしてUさんの“二押し”は、
「日本の小説「失楽園」は日本経済新聞に毎日掲載され、中年のビジネスマンに圧倒的に人気があった。そこで、中年の男性をターゲットに映画化されたが、
「実際に映画館に行ってみたら、シツラケンではなくて、トシマエンでした」
これを時間のない中で、同時通訳するのは困難である。特にヨーロッパには、有名な同名の小説が有るので・・・!」
この笑い話は難しい・・・。
自分が選んだのは・・・
「中小企業の社長が、アメリカへ行き「挨拶」をしなくてはならなくなり、英語が全くダメなので、通訳を頼んだ。挨拶の最後に、最後ぐらいは英語で〆てやろうと思い、「ワン・プリーズ」(One please)と締め括った。通訳が「社長、最後のあれは何と言おうとしたのですか?」と聞いた所、社長曰く「ひとつ、よろしく」だよと言った。」
「父ちゃん、酔っぱらうってどんなことなの?」「ここに、グラスが二つあるだろう。これが四つに見えたら酔っぱらったと言う事だ」「父ちゃん、ここにはグラスが一つしか無いよ」
酔っ払い亭主を見かねた妻が詰め寄った。「あんた、ウオッカを取るの、私を取るの?ハッキリして頂戴」亭主曰く「その場合、ウオッカは何本かね?」
どうも自分はこのように“分かり易い”ジョークしか面白くない。
つまりこれは、ジョークを楽しむ教養に欠ける・・・ということかも・・・(トホホ・・・)
*米原万里さんは女性だった! 自分はUさんのこの一文を読むまで、この人のことをまったく知らなかった。下ネタから「ばんり」さんは当然男、と思っていたら、wikiに「米原 万里(よねはら まり、女性、1950年4月29日 - 2006年5月25日)は、日本の、ロシア語同時通訳・エッセイスト・ノンフィクション作家・小説家である。」とあった。
それに「趣味は駄洒落と下ネタ、そして犬や猫と暮らすこと。」ともある。
いやはや、本の世界はホントウに広い・・・
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コメント
こんにちは、お邪魔します。
彼女はとても有名な作家兼コラムニストでした。おそらく履歴を読まれている
ことと存じますが。
全国紙とサン毎(週刊誌)に連載頁をもっていました。
本業はチェコの学校でしこまれたロシア語の通訳でした。
惜しまれます。
【エムズの片割れより】
56歳で亡くなったとか・・・。本当に残念ですね。
投稿: kmetko | 2013年12月26日 (木) 09:33
エムズの片割れ様
今年も残りわずかですね。
このブログのおかげで(硬軟自在、多岐にわたる見識)世の流れが読み取れ、芸術文化にも親しみ日々啓もうされております。
今日は カリンカがガマズミの実であることを初めて知りました。
同じくロシア繋がりの
米原真理さんは惜しむべき作家でした。
著書はほとんど読んでおります。
「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」
「オリガモリソヴィナの反語法」が特にお気に入りです。
エムズ様ともども良いお年をお迎えください。
【エムズの片割れより】
また古い記事に・・・。
投稿: りんご | 2016年12月27日 (火) 15:14