京都のわらべうた「雪やコンコン」
本格的な冬である。今日は、日本海側のほとんどが雪の予報だった。
童謡の世界も、ほとんどの歌は聞いたなか・・・と思っていたが、先日こんな歌を見付けた。
<タンポポ児童合唱団の「雪やコンコン」>
「雪やコンコン」
京都のわらべうた雪(ゆき)やコーンコン
霰(あられ)やコーンコン
お寺の柿の木に
いっぱいつーもれ
コーンコン
Net上にも、この歌の情報は少ない。
そんな中で、こんな記述を見付けた。
「冬の寒い日、天空から舞い降る白い雪。
子どもの頃、よく歌ったのは、
「雪やこんこ
霰(あられ)やこんこ
降っては降っては ずんずん積もる
(略)・・・」
この歌は新しく作られた尋常小学唱歌の「雪」です。その参考にされた歌が“わらべうた「雪やコンコン」”。
「雪やコンコン」は京都で歌われていたもので、記録によると、伝承童話のもっとも古いものともいわれます。
1108年のこと、「讃岐典侍日記」(天仁元年正月二日条)には、幼い鳥羽天皇が「降れ降れこゆき」とうたった様子が書かれています。
つとめて起きて見れば雪いみじく降りたり。
・・・降れ降れこゆきと、いはけなき御気はひにて
仰せらるる聞ゆる。
讃岐典侍(さぬきのすけ)藤原長子が朝早くに起きて、庭を見れば、雪がたいそう降っているのですね。
すると、幼い鳥羽天皇が可愛い声で「ふれふれこゆき」とおっしゃっているのが聞こえてくるのです。
「いはけなき御気はひ」なんて、なんと可愛いのでしょう。
一千年前、京の都に降る雪の光景が見えてきますね。・・・」(日本文化芸術財団のここより)
「また「雪やこんこん/あられやこんこん/お寺の柿の木にいっぱいつもれこんこ」が、平安期の「ふれふれ粉雪/たまれ粉雪/垣や木のまたに」(「徒然草」)に原型をもち、江戸前期には「雪やこんこ/あられやこんこ/お寺の柿の木に/ふりやつもれこんこ」(一休咄)であったなど、文献的にさかのぼることができる歌もある。 」(ここより)
東京ではまだ本格的な雪は降っていないが、雪の夜、こんな歌を聞くとしみじみとしてくる。
実に自然な旋律・・・。こんな歌に聴き入る我々は、やはり日本人なのである。
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