「2013年・世界の子どもの幸福度 ベスト31」
相変わらず、“ベスト10”が好きな当blogであるが、今度は「子どもの幸福度」だそうだ。
先日の朝日新聞に、こんな記事があった。
「日本の子、幸福度6位/物質的豊かさ21位 深刻な貧困状態 先進31カ国調査
日本の子どもの幸福度は先進31カ国中6位。でも、物質的豊かさは21位――。国連児童基金(ユニセフ)と国立社会保障・人口問題研究所がこんな報告書をまとめ、25日に公表した。日本では貧困状態にある子どもの割合が高く、貧困の程度も深刻なことが改めて示された。
幸福度は、物質的豊かさ▽健康と安全▽教育▽日常生活上のリスク▽住居と環境の5分野で、計20の指標を使って比較。総合1位はオランダ、2位がフィンランドとアイスランド。4位 ノルウェー、5位スウェーデンと、北欧の国が上位を占めた。日本は「日常生活上のリスク」と「教育」の二つの分野で1位だったが、「健康と安全」は16位、「住居と環境」は10位。上位5カ国に比べ、分野別順位のばらつきが大きいのが特徴だ。
物質的豊かさの順位が低いのは、貧困ラインを下回る子ども(0~17歳)の割合が14.9%と高いことや、下回った子どもたちの所得の平均が、貧困ラインの額の約7割にとどまっていることなどが理由だ。所得は世帯収入などから算出している。
健康と安全の分野では、低体重(2500グラム未満)で生まれた乳児の割合が高かったのが響いた。報告書は、低体重の女性の増加や、妊娠中に厳格に食事を管理する傾向などを原因に挙げている。
研究所の阿部彩・社会保障応用分析研究部長は「貧困状態にある子どもがこれだけ多いということは、いま好成績の分野も、今後悪化する可能性がある」と懸念する。
この報告書は、日本でデータが入手できる指標だけを使って順位を出した。ユニセフが今春公表した順位には、日本はデータが足りないため入っていなかった。
「日常生活上のリスク」の指標となったのは飲酒や肥満の割合、10代の出生率など。日本は飲酒や肥満の割合が低く1位、10代の出生率も4位だった。(田中陽子)
◆キーワード
<貧困状態と貧困ライン> 世帯所得をもとに国民一人ひとりの手取り所得を割り出して順番に並べ、ちょうど真ん中の人の所得の半分が「貧困ライン」。これを下回る場合を「貧困状態」と位置づけている。(2013/12/25付「朝日新聞」p38より)(写真は日経より)
<2013年・子どもの幸福度総合順位>
①オランダ
②フィンランド アイスランド
④ノルウェー
⑤スウェーデン
⑥日本
⑦ドイツ
⑧スイス
⑨ルクセンブルク
⑩ベルギー
⑪スロベニア アイルランド
⑬フランス
⑭デンマーク
⑮チェコ
⑯スペイン
⑰英国
⑱ポーランド ポルトガル
⑳ハンガリー
(21)オーストリア
(22)イタリア
(23)カナダ
(24)エストニア
(25)スロバキア
(26)ギリシャ
(27)リトアニア
(28)ラトビア
(29)米国
(30)ブルガリア
(31)ルーマニア
それにしても、この手の調査では、いつも北欧の国々が上位を占めている。
高福祉高負担の北欧だが、結果として国民の満足度が高いのは、驚異・・・。
そう言えば、前にこれら北欧の福祉の仕組みについて書いた事があった。
「「スウェーデン」高福祉国家の仕組み」(ここ)
「人を大切にする国 デンマーク」(ここ)
自分で上の記事を、もう一度読み返してみたが、やはり「なるほど・・・」。
そもそも、国民の考え方が日本とは大きく違うようだ。それぞれの国は、過去の自国の歴史から学び、紆余曲折の末に現在に至っている。よって、他国が簡単に真似るワケにはいかない。
しかしこれらは、単なる一国の話では無い事に驚く。つまり周辺の国々が同じような考え方なのだ。つまりこれらの考え方は、北欧の民族の考え方に根ざしているのかも知れない。
今更、“老後は福祉の行き届いた北欧で悠々と・・・”ナンテ、寒くて無理だが、でも“お寒い”日本に見切りをつけて、そんな国に住んでみたい気も・・・!?
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コメント
日本の順位が高すぎるとしか思えないのは私だけでしょうか?
【エムズの片割れより】
カミさんから「日本の子どもの6人に1人は貧困だというのに・・・」とクレームを受けました。
投稿: 通行人 | 2013年12月28日 (土) 00:45
こんにちは
日本も格差が固定化してどんどん広がっていくことになるのでしょうね、また世代間格差も深刻です。
この国は真っ直ぐアメリカを追い掛けていくのでしょうね。
年末の連続演奏会が近づいています、体調は整っていますか、それにしても無謀な・・・
【エムズの片割れより】
無謀?? ま、今年は1Fの通路側なので自由がききます。また、延べ11時間のベートーヴェンの交響曲を堪能してきま~す。
投稿: 空 | 2013年12月28日 (土) 17:02
その幸せ?な北欧の国で難民を受け入れすぎて問題になっているとか?・・。
日本は常々難民受け入れに冷たい国だなと思っていたのですが、先々のことを思うと、これでよかったのかも?と思うこの頃です。
【エムズの片割れより】
確かに日本の文化は、外国の人から見ると入りづらいでしょうね。
投稿: み~子 | 2013年12月30日 (月) 01:50
昭和20年から24,5年ごろまでの生活を思えば今の貧困は貧困の部類に入らないように思えます。粟やコーリャンや不味いサツマイモを御飯代わりに食べボロの服を着て、それが普通だと思って暮らしていました。皆が貧乏だったからです。幸福とか不幸とか考えた事もなかったですね。くらべるものがなければそれが普通なのです。家族が仲良く暮らしていればそれが幸せだと思っていました。何でも統計で図ること自体がおかしいのではないでしょうか。満ち足りた生活などこの世にあるのでしょうか。振り返れば戦後の4,5年は本当に日本は貧乏でした。二度と戦争をしないこと、それが一番の幸福です。
【エムズの片割れより】
その通りで、ブータンを見れば、幸福とは比べるものではないことが分かります。
このトシになると、幸せは、家族の健康、それだけで充分です。家族が身も心も健康であれば、暮らしは何とでもなります。
投稿: 白萩 | 2013年12月30日 (月) 21:56