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2013年11月17日 (日)

アジアの「国有企業の呪縛」~普通の国・・・

先日の日経新聞に、アジア諸国の腐敗の記事があった。
中国が経済減速、腐敗、環境汚染、少数民族の反発などの問題を抱えていることは良く知られているが、特に腐敗では、アジアの諸国もその例外ではないようだ。

「攻防・アジア貿易圏(4) 国有企業の呪縛
 マレーシアの首都クアラルンプールから30キロほど南にある、首相官邸など行政施設が集まる新都市プトラジャヤ。ここで異様な光景に出合った。池の対岸にある行政施設につながるはずの橋が真ん中で途切れたまま。工事再開の気配はなく、橋のたもとに熱帯植物が生い茂る。
 「ここに連れてきたのは、お客さんが初めてだよ」。ベテランのタクシー運転手が不思議そうに話しかけてきた。
 ここはインターネット上で「廃虚」とも呼ばれる。工事を主に手がける政府系のプトラジャヤ・ホールディングスは、政府から工事を受注し下請けに丸投げしている。巨大な都市計画に見合う住民が集まらず、オフィスビルやマンション群には「販売中」の看板が揺れる。政府系企業だけが肥え太り、時価総額上位100社の4割を占める。
 マレーシアは賃金上昇で外資の進出が頭打ちとなり、主力の家電などの輸出も陰る。政府は先進国入りを前に成長が鈍る「中所得国のわな」におびえ、成長を維持しようと公共事業を乱発している。著名な投資家ジム・ロジャーズ(71)は「マレーシア企業といえば、思い付くのは政府系だ」と皮肉る。
 「従業員の3分の1は要らない」。日系金融機関の関係者はベトナム大手国有企業会長の言葉に耳を疑った。日本企業の人員整理など経営合理化の取り組みを説明すると、深くうなずきながら「ベトナムでは不可能だ。1人でも削ったら国民からも批判を浴びる」と嘆息した。
 ベトナムに約3300ある国有企業の従業員は大半が縁故入社で、元軍人らの再就職も多い。能力よりもコネで昇進が決まり、優秀な人間は残らない。
 「国有企業に関する議論を懸念する」。8月末、ブルネイの環太平洋経済連携協定(TPP)閣僚会合後の記者会見で、マレーシア代表は不満をぶちまけた。日米など先進国は公共事業に参入できる環境を確保するため、政府の手厚い保護を受ける国有企業を規制するルールづくりを目指している。
 米国は猶予も持ちかけながら、国有企業の改革を東南アジア諸国連合(ASEAN)に迫る。だが、マレーシア通産相のムスタパ・モハメド(63)は「交渉では決して妥協しない」と強硬だ。12月の閣僚級会合で交渉はヤマ場を迎えるが、構造的な国有企業の問題を解決しない限り、実効性あるアジア貿易圏の姿は見えてこない。」(
2013/11/15付「日経新聞」p2より)

これらの国と違って、日本では、先の東北大震災で、コンビニで棚から落ちた商品を拾って、お金を払うために列に並んでいる光景を海外のメディアな好奇な目で見ていた。
先日のフィリピンの台風30号の被害では、TVでスーパーの経営者が「商品が全部略奪された」と事も無げに言っていたが、“普通の国”ではどうもそれが当たり前らしい。
でも、どこかの都知事が「東京では財布を失っても手元に戻ってくる。しかも、お金が入ったままで」と言ったらしいが、本当に日本は安心な国なのだろうか・・・。

さっきのNHKニュースで、自民党の石破幹事長が「『特定秘密保護法案』に対する国民の受けは全然よくないが、防衛や外交の分野で知らせてはならない情報は間違いなくある。誰がそれを取り扱うかを決め、漏らせば厳しい刑罰で臨むための法律をつくるのは当たり前だ」と言っていたが、国会議員は国民の代弁者ではないのか? それを国民が気が付いて、世論による反対のムードが盛り上がる前に、ダマテンで国会を通してしまおうという、時の権力者の横暴・・・。
もしこの「秘密保護法案」が可決されたら、これからは日本も決してそんな安心な国ではなくなり、首相の目指す「普通の国」になって行くのだろう。そして官僚・役人による賄賂地獄も“普通のこと”になって行くのかも・・・。
何とか「普通の国」にならない方策は無いものだろうか・・・

131117kuma <付録>「ボケて(bokete)」より

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