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2013年9月23日 (月)

Uさんが送ってくれた中條高徳著「おじいちゃん 戦争のこと教えて」の読書メモ

今日は、現役時代の会社の大先輩であったUさんが送ってくれた読書メモ(?)の紹介である。
季節毎に会う、ある飲み会がある。前回の夏バージョンの会で、これも会社の大先輩のWさんから「Uさんは読書家でスゴイ。毎回読んだ本の感想をメールで送ってくれる」という話を聞いた。たまたまその時に聞いた「今のテーマは“死”・・・」に興味を持ったので、Uさんに頼んで、自分も同報リストに入れてくれるように頼んだ。それ以来、毎週のように送ってくれる。その読書量は驚異的・・・。
そして今日届いたのが、中條高徳著「おじいちゃん 戦争のこと教えて」の読書メモ。Uさんのメールにはこうあった。

「暑さ寒さも彼岸まで、と言われていますが、暮らしやすい季節になって来ました。皆様お変わりありませんか?
今回紹介する本は「おじいちゃん、戦争のこと教えて」中條高徳著 小学館文庫である。8月の終戦記念日は一か月前に終わったが、あの戦争は何だったのかをもう一度考えて見るのも良いだろう。外国人特に、中國、韓国、米国の人達に「日本は、何故、あんな大国と戦争をしたのだ」と聞かれた時、皆様は何と答えますか?むしろ、答えられますか?日本ではあの戦争の評価が未だ定まっていないと言っても、「貴方の意見は?」と再度問われた時、何と答えますか?
130923ojiichan 本書は、プロの作家や学者が書いた物ではない。終戦時、陸軍兵学校に在学していた市井の人が、新制大学を卒業しアサヒビールに就職し、副社長まで勤め上げ、父親の転勤でN・Yの高校に通う孫娘の質問に答える形で、先の戦争について語っている本である。
著者の意見に全く賛同できなくても構わない。一人一人が自分の意見を持とうではないか。知識が無ければ調べればよい。
それにしても、アメリカの教育は奥深い。戦争した相手の国の人の「戦争観」を聞くというのは、アメリカの底力でありフェアーさである。各位のご一読をお勧めする。K.U」

Uさんは、自分が現役の頃、N社向けの営業担当をされていて、一緒にN社の仕事をしたことがあった。その後、子会社の社長をされていて、自分もその社長室に何度か“遊びに”行った事があった。営業出身でもあり、読書家ということは分かるが、送られてくる、いわゆる読書メモが、どれも力作なのである。今回のメモも、Wordで11ページ。メモの内容は、その本の要約と、最後にUさんの「コメントと感想」が書かれている。

★「中条高徳著「おじいちゃん、戦争のことを教えて」孫娘からの質問状 小学館文庫」のUさんの読書ノートのPDFはここ

先の戦争の評価は、我々一人ひとりの思想、歴史観に直結するので、扱いが非常に難しい。筆者は、陸軍兵学校に行った人なので、自分のように“朝日新聞の読者”からすると、やや違和感がある。しかし、本文にあった言葉を引用すると、「一つの事を反対側から見ると違ったことが分かった」は大切なことである。つまり、思い込みを排除する“多角的な視点”は大切な事である。
そのうちに時間が取れたら、Uさんの薦め通り、一度この本を買って読んでみたいと思う。

そして、いつも思うのだが、Uさんのような読書の仕方、つまり一冊の本をただ読み飛ばすのではなく、このように読後に自分の言葉で本の内容を“紡ぎ出す”読み方は、普通の人には到底出来ない。しかも1週間経たないうちに、1冊を自分のものにしている。このような読み方こそ、本が自分の血肉になっていくのだろう。何とも、スゴイ人がいたものである。
(なお、Uさんの許可が頂けたら、また他の本も追って紹介したいと思う)

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