ピュアオーディオは、つくづく“思い込み”の世界、そして“自己満足”の世界だと思う。それは良く分かっている・・・。
先日、音が変わる訳もないのに、いや、自分の耳でその差が分かるとも思えないのに、D/Aコンバータを、今持っているものの2倍の価格の上位機種に替えてしまった。もちろん聞き比べてもその差は分からない。だからムキになって聞き比べる気もしない。あるのは自己満足だけ。これ以上、上の製品は無いので、良い音が出ているはず・・・という自己満足なのだ。
そして最後に残ったのが、RCAケーブル。これについては、前に「ピン(RCA)ケーブルでこんなに音が変わる」(ここ)という記事を書いたことがあるが、先日、色々と調べてしまったので、自分なりの理解をメモしておく。
オーディオの本を見たり、オークションを覗いたりすると、たかだか1mのRCAケーブルが、定価で数万円~13万円もするのでビックリ。
でもそこはアナログの世界。何かあるのだろう・・・と、オークションで多く出ている「モンスター」というブランドのケーブルを試しに買ってみようかな・・・と思った。会社で、オーディオの趣味の男に聞くと、「モンスターの音はキライなので、オルトフォンのケーブルを使っている」とのこと。やはり1万円位のRCAケーブルは使っているとのこと。
でもやはり、高々数mのケーブルとコネクタに、ホントウに数万円の価値があるのかと、はなはだ疑問に思った。Netで色々見てみると、(ここ)の記事が目に止まった。
ケーブルのレビュー記事である。確かに、自分の思い込みで言うと、音質に一番影響があるのはケーブルで、コネクタは単につなぐだけなので、それほど影響はあるまい・・・と。よってケーブルから見て行く事とした
この記事の記載で気になったのが、下記の記述。
「☆Belden 8412
レンジは広くなく、特に高域は伸びない。しかし、中低域の張り出しは他のケーブルでは得られない魅力で、躍動感が出てくる。どちらかというと、古い音源に向いている。また、薄い低域と耳障りな高域に悩まされているユーザーには「特効薬」になる可能性あり。」
「☆MOGAMI NEGLEX 2534
私がリファレンスとして常用しているケーブル。フラットでクセが少なく、音像はしなやかで高域の伸びも良い。妙な強調感は皆無。システムの「素」をチェックするのに最適。特に初心者が最初に入手する製品としては、絶対のオススメ品。」(ここより)
自分は、高域が好きなのだが、女声のサ行の摩擦音がキライ。そんな自分から見ると、“耳障りな高域に悩まされているユーザーには「特効薬」”という記述は魅力的・・・。
他に(ここ)にある記事をどう読むか・・・。」
「一般的には、日本の音楽はモガミ社、又はカナレ社のケーブルが合い、洋楽(特に米国)はベルデン 8412が合います。
この理由は、録音時に使用していたケーブルが、日本はモガミ、又はカナレ、米国はベルデンだからです。米国の業界スタンダードが、このBelden 8412です。
再生は、録音時の逆の行為をするわけですから、この現象が起きます。マイクや楽器、又はシンセサイザーという音源が、CDPに入れ替わるだけです。
もっと簡単に言えそうなところです。双方とも再生とみなして、マスターテープという音源を鳴らしてレコーディング結果をモニターしていた音、そのマスターテープという音源が、CDPに入れ替わるだけですから、ケーブルが同じであれば、バランスがぴったり合うのは、当たり前です。
レコーディング・スタジオで鳴っていた音こそが、最も良い音であることに異論をさしはさむかたはおられないことと思います。プロの現場ですから、それは当然です。
我々は、レコーディング・スタジオの音に最も近づく手段を取ればそれで十分です。ところが、我々が泥沼に足を取られてしまう理由は、ベルデン 8412あたりの高精度のケーブルに比較しまして、民生用ケーブルに、あまりにもクセがあるからに他なりません。」(ここより)
そして「MOGAMI モガミ 2534」については、
「多くの日本の録音は、このケーブルでぴったり合います。国内の録音の70%ほどがそうでしょう。それほど優れたケーブルであるにも関わらず、このことは、あまり知られていません。モガミ2534の精度は、ベルデン8412と同じく、全周波数帯域に渡って、0.1db以下となります。・・・なお、国内の録音の、残りの30%はカナレ4E6Sのほうで合うと思います。モガミ2534で再生して、少し高域がきつめに再現される、国内の録音、それがカナレ4E6Sで合う録音です。」(ここより)
この記事も、かなり筆者の“思い込み”の気配がする。しかし“録音スタジオでの音場を再現するのがベスト”という論は、何か説得力がある。録音スタジオで使っているケーブルがベスト・・・か。なるほど・・・。
それに「モガミ 2534」はそもそもマイクケーブルだという。確かにマイクケーブルなら数百m伸ばす事がある。しかもそのケーブルで音に色が付いてはいけない。だから無色の音か・・・。なるほど・・・
それと、市販の色々なメーカーのケーブルは、得体が知れない。買って試してみるまで分からない。しかし、このように特性が分かっている有名なケーブルなら、安心である。
よって、自分もこの論に乗って、「MOGAMI モガミ 2534」というケーブルを使ってみることにした。
そしてまず1mのRCAコネクタ付きの1mのケーブルを注文してみた。後はチューナーとアンプをダイレクトにつなぐ5mのケーブルをどうするか・・・。
Netでみると、注文に応じて「MOGAMI モガミ 2534」でRCAケーブルを作ってくれる所があるが、完成品は6~7千円もする。自分で作ろうか・・・。見本は注文済みの1mを見れば良いので・・・
それでまず、RCAケーブルの注文を受けている会社に、素直に自分の好みの音に合う組合せを聞いてみた。そして返ってきた回答がこれ・・・。
「モガミ 2534に、コネクタはNYS352B、半田はフラット特性のKR-19 SHRMAという組み合わせが今回ご希望の音質に関してはマッチングするかと思います。」
なるほど・・・。しかしケーブルとコネクタを選び、はてまたハンダまで選ぶとは、なかなか奥が深い。
でも前にRCAコネクタを、「接点改質剤 ナノカーボン」というもので拭いたら、音が良くなった気がしたので、それも“有り”か・・・。確かにハンダにも信号が流れる・・・。
もうここまで来たら、破れかぶれ!? 言う通りにしてみるか・・・。通販でどこが安いか調べてみたら、ケーブルはサウンドハウスというところが安かった。しかしノイトリックのNYS352Bがなかなか手に入らない。まあそれほど変わらないだろう・・・と、同じサウンドハウスにノイトリックのNYS352Gを頼んだ。ケーブル10mとRCAコネクタ4個で、送料込み2,780円。ハンダは、ヤフオクで200円弱。しめて5m×2本で、3000円也。
それで作ったケーブルがこれ・・・。ケーブルの芯線の使い方は、先に買った既製品に合わせた。参考に何枚か写真を載せておく。外皮を15mm位取り、白ケーブル2本を根本から裸にして、シールドケーブルと一緒に撚り、コネクタのアース側にハンダ付け。白線2本は外皮の根本から、裸にするのがコツ。そしてこのアース側の線は、コネクタのホット側にショートしないように短めに・・・。そして青線2本は撚って、コネクタのホット側につなぐ。(サウンドハウスに、ケーブルの処置は違うが(ここ)に動画がある)
(既製品のコネクタ処置)(今回使った材料))(既製に合わせ15mm程度に外皮を取る)
(既製同様、青と白+シールド線を撚る)(シールドをコネクタのアースにハンダ付してケーブルをかしめる)(最後に青のホット線をコネクタにハンダ付け)
そして、いつものように、FMチューナーの局がないところのノイズをホワイトノイズに見立てて、今まで使っていたSONYの安いRCA赤白ケーブル5mと、今回のモガミのケーブル5mの違いを、「Audacity」のスペクトル解析で解析した結果がこれ・・・。
(SONY汎用赤白ケーブル)(モガミ2534)
(SONY汎用赤白ケーブル)(モガミ2534)
これをどう読むか・・・。モガミの周波数特性は平坦ではなく、複雑・・・!?
それで使ってみた感想?? 最初に聞いた音は、やはりハッとした。NHK FMのアナウンサーの声が何とも生々しい!?
自分にとっての「良い音」とは、聞いていて“嬉しくなってしまう”音であり、散歩の時に、“また聞きたいな・・・”と思い出す音である。そんな意味では、“良くなった”・・・(はず!!)。
とにかく、もうこれ以上グレードアップの手段はない。よって、この音が最高の音なのである・・・。そう自分に言い聞かせる・・・。
オーディオの世界は、どこまで行っても、思い込み、自画自賛の世界なのである。
(関連記事)
ピン(RCA)ケーブルでこんなに音が変わる
<付録>「ジワジワ来る○○」より
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