茨城・常総学院野球部元監督 木内幸男氏の「ラジオ深夜便」での話
今年の甲子園も終わってしまったが、書きそびれてしまった記事を今頃書く・・・。
まだ常総学院が甲子園で勝っていた頃、こんな記事を読んだ。
「常総、マジック再び 常総学院4―1仙台育英 第95回全国高校野球
◇2回戦(第3試合)
仙台育英(宮城)000 000 010|1
常総学院(茨城)000 002 02×|4
相手によって、投手ではなく捕手を代える。常総学院の選択がズバリ、はまった。
この日は1回戦の北照戦で完封勝利に導いた吉成ではない。強肩の内田だ。
「吉成はワンバウンドを止めるのがうまい。走ってくるチームには内田」と佐々木監督。狙い通り盗塁を封じた。ただ、それだけではなかった。
まず4回無死一、三塁。右飛で本塁を狙う走者を見て、右翼に入った吉成が本塁へ。内田はショートバウンドを捕った瞬間、走者と激しくぶつかった。が、185センチ、87キロの巨体は球を離さない。最初のピンチを切り抜けると、最大の勝負どころでは捕手2人の「配球の違い」が生きた。6回2死一、二塁。仙台育英の代打の切り札、小野寺に対し、胸元を攻め続け、6球目は外のスライダーで三ゴロだ。
内田は言う。「吉成はボール球を使うのがうまい。僕は内角を突く」。試合前、「変化球が多く、低めの見極めが大事」と分析していた仙台育英にとっては、想定と違っただろう。
「お手本は木内さん」。佐々木監督は言う。大胆な選手起用などが「マジック」と呼ばれた木内前監督からバトンを受けて2年目。師をほうふつとさせる選手起用が功を奏した。選抜8強の北照に続き、この日は選抜覇者の浦和学院を破った東北の雄。「強豪ばかりで、準決勝くらいまで戦ったような疲労度です」。全国を制した2003年はコーチだった佐々木監督。それ以来となる、夏2勝だ。(山口史朗)」(2013/08/16付「朝日新聞」p17より)
引退した木内元監督の名前が、相変わらず出てくる・・・。
ふと前に聞いたNHKラジオ深夜便での木内さんの話を思い出した。当時当サイトにも書いた。
「先日、NHKラジオ深夜便「スポーツ名場面の裏側で~茨城・常総学院野球部元監督 木内幸男」(2012/09/14放送)を聞いた。 木内幸男氏は、自分の高校の先輩であり、また自分が育った茨城の高校野球界の超有名人なので、この番組を興味深く聞いた。裏話はなかなか面白い…。
なかでも、1984年の甲子園では、木内監督率いる取手二高が、決勝で桑田真澄や清原和博を擁したPL学園を、延長10回の末破った武勇伝?や、2003年の決勝でのダルビッシュ攻略の秘訣は、なるほど……と、聞いていて楽しい。
しかし、子供たちをその気にさせる言葉は、実に的確であり、子どもたちの個性を引き出す力は、さすが・・・。
そんな木内監督も、現在82歳だが、何と2011年まで、現役で高校生相手の監督業を続けていたとか・・・。まさに「暦の上の年齢がどうした!!」を地で行く。」(ここより)
この放送をもう一度聞いてみたが、実に面白い。昭和59年の甲子園の話である。
<「スポーツ名場面の裏側で」~茨城・常総学院野球部元監督 木内幸男>
自分は別に野球が好きな訳ではない。プロ野球の球団のセパの区別も怪しい。都市対抗野球は好きだったが、それも応援に行った現役の頃の話。高校野球は茨城だけ気になる。
考えてみるとおかしなものだ。自分は埼玉県で10年、茨城県で12年、そして東京に43年住んでいるが、高校野球はなぜか茨城ファン。しかし茨城も変わった。常総学院など、自分が住んでいた頃は無かった。
それにしても、木内さんの子供の能力を発揮させる手腕は大変なもの。この、人またはチームの持っている力を存分に発揮させる手腕は、どんな企業活動にも通じる。
そんな木内さんも82歳。上のNHKでの話は、どんなチームも、指導一つで“化ける”ことを教えているように感じた。つまり甲子園での活躍は決して偶然ではないのである。この番組は、高校野球界だけでなく、リーダーシップを要求されるビジネスマン世界にも通じる、組織を動かす永遠のお手本になる話なのかも知れない。
(2020/11/24追)
<茨城新聞より>
【速報】木内幸男氏死去 元取手二、常総学院監督 春夏甲子園3度優勝 89歳
2011年まで常総学院高の監督を務め、取手二高時代を含めて春夏通じて甲子園3度の優勝経験を持つ木内幸男(きうち・ゆきお)氏が24日、死去した。89歳。
■木内幸男氏
1931年7月12日生まれ。土浦市出身。土浦一高卒。84年夏に取手二高を率いて県勢初の甲子園優勝。同年秋に常総学院高に移り、87年夏と94年春に準優勝、2001年春と03年夏には優勝に輝いた。03年の全国制覇後、病気療養を理由に一線を退いたが、07年に監督復帰。11年に勇退した。」(2020/11/24付「茨城新聞」ここより>
| 0
コメント